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僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅴ.僕と美少女モンスターと家族たち
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一、掛橋豪快とマミーのマミ4

 翌日、豪快は、マミとその両親と共に家を出た。

 ジャングルを戻り、マミが“お昼寝”していた場所に向かうのだ。

「マミ、なんであんなとこで寝てたんだ?」

「なんでって……、お昼寝すると気持ちいいでしょう? あそこはちょうど日当たりも悪いし、じめじめしているし、私たちマミーがお昼寝するには絶好のポイントなのよ」

「ふーん、やっぱモンスターなんだな」

「うん……、こんなモンスターなんか、人間から見たらいやだよね」

「……」

 豪快は答えなかった。

 両親も何も言わない。

 やがて、一つの洞穴の前に着いた。

 この洞穴の奥が、マミが“お昼寝”していた場所になっている。

 豪快とマミが出会った場所だ。

 マミは手に水晶を持っていた。

「これは鍵水晶キークリスタル。これを使い、モンスターの世界と豪快さんがやってきた人間の世界をつなぎます。豪快さんは、このままこの洞穴を逆戻りしてください。そうすれば、元の世界に帰ることができます」

「……」

 豪快は無言で動かない。

「豪快さん?」

「決めたぜ」

「え?」

「マミ、俺はおまえに惚れた。俺と結婚してくれ!」

「ご……、豪快さん……」

 マミの頬がみるみる赤くなった。

 それを覆い隠すように、包帯の巻かれた両手が頬にあてがわれる。

「親父さん! お袋さん!」

 豪快は叫ぶと、勢いよく両膝を地に落とし、次いで両手をつき、最後に額を地にこすりつけた。

 マミの両親のミイラは、突然のことにどう反応したものか分からず言葉も出ない。

「俺はマミに惚れた! 一目惚れだ! 頼む、マミを俺にくれ!」

 しばらく間をおいて後、マミの父親ミイラが豪快の前に膝を付いた。

「顔を上げてくれ豪快君」

「親父さん……」

「あんた、もしかして、夕べの私らの話を聞いてたんじゃないのか?」

「……」

「そうか、やはりな……。豪快君。悪いことは言わん。今の話は聞かなかったことにする。このまま人間の世界に一人で帰りたまえ。モンスターと人間が結ばれた例は、神話の時代以降、一つもない。なぜだと思う?」

「……」

「幸せになれないからだ」

「……。親父さん」

 豪快は顔を上げた。

「だったら俺が、神話の時代以降最初の、モンスターと人間が結ばれた例、最初の幸せな例になってやるぜ」

「しかしだな……」

「マミ!」

 豪快は、ひざまずいたまま、マミを見た。

「俺と一緒に来てくれ。昨日、初めてお前を見た瞬間から、俺はお前に魅入られちまったんだ。ミイラだけにな。おっと、別に今のは駄洒落でも冗談でもないぜ。本気なんだ」

「で、でも私モンスターだし……」

「そんなの関係ないだろう。モンスターだろうと、人間だろうと、マミがマミであることに変わりはないじゃないか」

 豪快はその力強い眼差しで、マミを見つめた。

 マミは……、いや、もうマミの心も決まっていたのだ。

 昨日、自分を四枚羽根の怪物の急襲から救ってくれたあの瞬間から、マミもまた、豪快という人間の大きさ、優しさに魅かれ始めていたのである。

「お父さん、お母さん」

 マミは両親を見た。

 その強い決意の現れた表情に、父親はもう何も言わなかった。

 母親が口を開いた。

「お行きなさい。あなたが豪快さんと出会ったのは運命なのでしょう。幸せになるのですよ」

「約束するぜ、親父さん、お袋さん!」

 豪快は立ち上がり、マミの横に行くと、その手を取った。

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