【参】キャッチボールお見舞いデート<急>
次の日曜日。
僕らは大神姉弟と公園でまたキャッチボールをする約束をしていた。
この日は、大神姉弟は時間通りにやって来た。
あらかじめ連絡を貰っておいたのだけれど、吼はすっかり回復したようだ。
向こうから僕らの姿を見つけると、吼は「おーい」と走ってきた。
「ハピ姉ちゃん! ――あれ? えっと……」
吼が戸惑ったのも無理はない。
吼が知らない顔が二人いたからだ。
ケイとマナ。
今日は大神姉弟と遊ぶのに、二人も付き合ってくれることになったのである。
ケイとマナがいたことに、大神浪子も驚いたようだった。
六人で、ランダムにキャッチボールをしたり、鬼ごっこをしたり、スポンジボールを持ってきたのでそれのぶつけっこをやったりした。
大神浪子も、ケイ、マナ、ハピも、お互い最初は何話していいのか分からない感じだったけれど、遊んでいる内に、言葉はなくても自然に打ち解けてきた感じだった。
それにしても、走り回って遊んでいるのに、みんなまったく息が切れない。
さすが人間の姿はしていてもその正体はモンスター。
いちばん、はあはあバテていたのはこの僕だった。
「みんなありがとう。吼がこんなに楽しそうにしている顔は久しぶりに見た」
その日の最後に、大神浪子は僕ら四人にそう言ってくれた。
「ほら吼。おまえもみんなにお礼を言え」
「う、うん……、ハピ姉ちゃんも、ケイちゃんもマナちゃんもありがとう」
吼はハピだけ「姉ちゃん」を付けて呼んで、ケイとマナは単純に「ちゃん付け」で呼んでいた――って、あれ、僕は?
そんな僕の心の叫びが聞こえたわけでもなかったろうが、
「吼。ちゃんと掛橋君にもお礼言え」
と、吼の頭をつかんで下げさせた。
「う~~、じゃあ、絆もありがと」
おいおい、僕だけ呼び捨てかよ!
一応、年上だぞ、年上!
ケイ、マナ、ハピたちとの帰り道。
僕は考えた。
大神浪子にしろ、また、血祭冴、普見蘭にしろ、邪悪なものは感じない。
ただ、自分たちの属する勢力からの指令で僕を狙ってきただけだ。
三人とも、もし出会い方が違っていたならば、いい友達になれていたのではないだろうか。
実際、ここ何日かの血祭冴、普見蘭、大神浪子との付き合いは、決していやなものではなかった。
これからもっといい関係になっていけるといいな……、そんなふうに感じた夏の夕方の帰り道だった。




