【弐】ファミレスはしごデート<序>
中学校での昼休み。
僕は校庭の隅っこのベンチに海守マナと並んで腰かけて話をしていた。
「そんでね絆ちゃん、こないだ雑誌の血液型占い見てたらひどいのよ」
「そうか、ひどかっただね……」
こないだの星座占いに続いて、今度は血液型占いか……。
女の子は人間でもモンスターでも占いが好きなんだな。
「ちなみに絆ちゃん、何型?」
「僕? A型だけど……」
「いいわよね、絆ちゃんはちゃんと雑誌に載っている血液型だから」
「雑誌に載っている血液型? 雑誌に載っていない血液型なんてあるの?」
「あるわよ、あたしたちモンスターの血液型」
「モンスターにも血液型ってあるんだ? じゃあ、マナは何型なの?」
「あたし、RX型」
「RX型……」
確かに聞いたことないわ、そんな血液型。
「ちなみに、ケイはZX型で、ハピはZO型だって。でもこないだの雑誌にはどれも載ってなくて……。これじゃ絆ちゃんとの相性占えないわ」
「まあ、人間向けの雑誌だからね」
「ちゃんとモンスター向けの血液型占いもあればいいのに……」
マナはまあるいほっぺをさらにまあるく膨らませてぷんぷん怒っていた。
一見、普通の女子中学生だけれど、マナの正体はマーメイド、人魚だ。
「掛橋君」
後ろから声をかけられた。
振り向くと、普見蘭だった。
日本人形みたいなおかっぱ頭。
一見、おとなしそうな小柄な女の子だけれど、その正体はフランケン。
僕を狙う側の勢力から派遣されてきたモンスターだ。
モンスター体になると、身長が倍ぐらいに巨大化する。
一方マナは、それらのモンスターから僕を守るために対抗勢力から派遣されてきたボディガードモンスターだ。
「あれ、普見さん? どうしたの」
「あの……、こないだはありがとう。その……、お礼をしたくて」
「お礼?」
以前、僕とマナで公園でジョギングや柔軟体操をしているとき、男二人に絡まれていた蘭を助けたことがあったのだった。
「明日の土曜日、空いている? あ、海守マナ、あなたも良かったら……」
「ふーん……」
マナは半眼になって蘭を見た。
「私はいい。なーんか、おまえ、絆ちゃんと二人で行きたいみたいだしーー」
「そ、そんなことは……、ないけど」
普見蘭は小声の早口で否定した。
「なーんか、絆ちゃん。冴といい蘭といい、最近、敵モンスターに狙われてない?」
「や、やっぱ僕、狙われてるかな?」
「わ、私は別に何もしない……。純粋にこないだのお礼がしたいだけ……」
「こないだケイに聞いたら、冴も同じようなこと言ってたらしいわよね。あえてボディガードの私たちの目の前で声をかけることで、やましさがないことをアピールしているんでしょ?」
「それは……、そんなつもりは……、あ……、でも……、やっぱり、そうかも……」
ケイにもマナにもハピにも来るなと言っていた血祭冴とは違い、普見蘭はマナにも一緒に来ていいと言ったのだけれどマナは断った。




