二、怪談で大騒ぎ3
「あ、あの……、絆君」
ケイが僕のTシャツの袖を引っ張った。
「どうしたの、ケイ?」
ケイはもじもじしている。
「あ、あのね……、そのーー、トイレについてきてほしいんだけど……」
「なーーんだ、そんなことか。いいよ、一緒に行こう」
一緒に行こうと言っても、そんなに広くない我が家。
リビングを出てちょっと廊下を歩けば直ぐトイレだ。
「ちゃんとここに居てね」
「うん、ちゃんと居るよ」
「怖いからドア閉めないでね」
「うん――って、え?」
「ちゃんと見ててね」
「ちょっと待ったああーーーー」
トイレのドアを開けたまま、はいていたホットパンツをおろそうとしていたケイを僕は止めた。
「あのねケイ。ちゃんとここにいるから、ドアは閉めるよ」
「やだ、怖い」
「怖い――のは分かるけど。いや、僕、ここでドアを開けてケイを見ているのは絶対まずいよ。人として」
「私、人じゃないから、いい」
「いいって……、ちょ、ちょっと、ハピ、マナーー」
僕はリビングの二人を呼んだ。
「どうした絆?」
ハピとマナがやってきた。
「その……、ケイがトイレ閉められると怖いって言うから、ここで見ててあげてよ」
「? なんで? 絆が見てればいいじゃないか?」
「いや、良くないでしょ、絶対だめでしょ、人として。あ、ここでまた自分たちは人じゃないとか言うのはなしだよ。とにかく、頼んだから。あ、ついでに三人とも用足しちゃいなよ。あ、それとマナはもう、この特殊メイク取りなさい」




