その42
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
幸い、僕の怪我は大したことないそうで、すぐに退院できた。
けれども、やっぱり転んで擦りむいた両肘、両膝、後、刺された肩の傷はしばらく痛かった。
後日、警察署で表彰された。
更に「お手柄中学生!」として、地元のテレビや新聞の取材を受け、僕はいつの間にかちょっとした「有名人」になっていた。
だからか、僕のことで回覧板まで回ってきた。
「お手柄中学3年生!住田錦君!」って。
恥ずかしかった。
そして、何より、こんな風になってしまうと、なかなかメグちゃんに会いたくても会えなくなってしまった。
そんな中、包帯だらけの姿で夏期講習に行くと、みんなからも沢山褒められちゃった。
逮捕された犯人は、どうやら覚醒剤の常習者らしく、アパートの駐車場で知人と口論になって暴れたのも、刃物を持ち歩いていたのも、そういう理由らしかった。
家に戻ると、リビングにメグちゃんの姿が。
「あれ?メグちゃん?」
「あ、えへへ、お邪魔してました…えへへ。」
わざわざお見舞いに来てくれたそうだ。
「これ、頂いたから、早速、みんなで食べましょうか?ねっ?」
メグちゃんが持ってきてくれたのは、八紘さん家のケーキ。
パン屋さんだけど、ケーキや焼き菓子もとても評判なだけあって、久しぶりに食べたケーキは、やっぱりものすごく美味しかった。
それだけじゃなく、メグちゃんは重たいのに、わざわざ大きなスイカも持って来てくれたのだった。
「え〜!重たかったでしょ?」
「あ、うん、ちょっとね…だけど、ほら…自転車だから…。」
そっか、玄関脇に停まってた見知らぬ自転車、あれはメグちゃんのか。
ケーキを食べた後、メグちゃんを僕の部屋へ案内した。
「お邪魔しま〜す!わあ、ここがニッキの部屋なんだあ…へ〜え…うふふ…ふ〜ん…。」
正直、僕はドキドキしていた。
だって、女子を部屋に招いたのは、小学校の低学年以来じゃないかなあ?
なので、散らかってないか?とか、匂いは大丈夫か?とか、恥ずかしいもの飾ってないか?などなど、気になって気になって。
「あ、あの、ベッドにでも、あの、腰かけて。」
そうメグちゃんに促すと、「あ、じゃあ、ニッキも…横に来て?怪我してるんだもの…あたしがそっちの椅子に座った方が…。」
「あ、いや、だって、メグちゃん、お客さんだから…。」
「そうかもしれないけど…でも、ニッキ、怪我が…。」
モチャモチャ少し揉めた結果、2人でベッドに座ることにした。
「あ…なんか…ち…近いね…ははは…。」
「…うん…そだね…あ、ニッキ…怪我…まだ痛いんでしょ?大丈夫?」
そう言いながら、メグちゃんが僕の包帯だらけの肩に顔を近づけた。
そして、そのまま、そっと肩に口づけをくれた。
あっ…
そのタイミングで、僕も肩の方を向き、そのまま静かに目を閉じて、彼女の顔に近づいていった。
彼女も僕と同じタイミングで、そっと静かに目を閉じると、僕達は静かにキスをした。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら、とってもとっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。




