表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/44

その41

お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。

本当はあのまま「キス」したかった。

多分、メグちゃんも僕と同じ気持ちだったんじゃないかな。

けれども、そう簡単にはいかなかった。

僕達以外、誰もいなかった静かな住宅街が、遠くから急に騒がしくなってきた。

その音は早く近づいてきた。

「待て〜!こら〜!待て!待て!待て〜!」

声が聞こえる方を見ると、1人の男らしき人物が角を曲がって、こちら側に走って来る。

その後ろを、制服の警察官が2人追いかけている。

「待て〜!こら〜!待て〜!」

僕はメグちゃんに「ちょっと後ろに隠れてて!」と告げると、咄嗟に体が反応した。

走って逃げてくる人物に、横から腰めがけて体当たり。

ラグビーやレスリングの選手の様に、思いっきりタックル。

こんなことをしたのは、生まれて初めてだったけど、でも、今、やらねばならぬと思ったんだ。

ドン!ズサササササーッ!

上手く相手を倒したまま、僕は必死に相手にしがみつき「離すものか!」と、全身に力を込めた。

体がやけに痛い。

それでも、今、この手を離してしまったら、逃げてきたこいつがまた逃げてしまう。

警察官が追いかけているこいつ。

絶対に離すもんか!


どのぐらいの時間だったんだろう?

きっと、短い時間だったに違いないと、思うんだけど。

駆けつけた警察官が素早く、逃げてきた人物を更に押さえ込み、動けなくなったところで手錠をかけた。

そのタイミングで、駆けつけたもう1人の警察官が、逃げてきたやつを必死で掴まえている僕の背中を、軽くトントンと叩きながら優しく声をかけてくれた。

「ありがとう!もう大丈夫だから。犯人は無事に捕まえたよ。本当にありがとうね。君、怪我が…。」

そのまま、僕は到着した救急車に乗せられ、夜間救急の当番病院へ。

処置室で怪我の手当てをしてもらった後、頭を打ったかもしれないからと、念の為、脳のCTの検査などを済ませた。

ベッドで少しだけウトウトしてしまったらしい。

目を覚ました時、傍にメグちゃんとメグちゃんの両親、そして、僕の両親がいてびっくり!

「大丈夫?」

メグちゃんは涙顔。

「う、うん…大丈夫…てててて…。」

「怪我してるから、無理しないで…。」と、心配顔の母。

「錦、お前、すごいなあ!お父さん、びっくりしちゃったよ!だけど、ちょっと無茶したなあ。」と、笑いながら困った様な表情の父。

メグちゃんのお母さんが切そうな顔で「でも、ホント!住田君、すごかったのねえ。でも、もうあんな危ないことしないでね。お願いね。」と。

続けて、メグちゃんのお父さんが「住田君の活躍のおかげで、犯人も無事に逮捕できたって!良かったねえ!偉いなあ!住田君!」と言った。

「え?逮捕?」

聞くと、メグちゃんの家から程近いアパートの駐車場で、激しい口論をしていると警察に通報があったそうで。

通報を受けた警察官が到着すると、揉み合っているうちの1人が、いきなり刃渡り20センチほどのナイフを取り出し、暴れる様な形で相手を切りつけ、更に、駆けつけた警察官のうちの1人にも斬りかかったらしい。

その後、刃物を持ったまま、走って逃走。

その途中で、僕に横から激しいタックルを受けて、2人とも地面に叩きつけられた形で倒れ込み、そこへようやく追いついた警察官が、逃げた犯人に手錠をかけて逮捕となったって。

「えーっ!そ、そうだったの〜?あいたたたたた…。」

そう言えば、体中、ものすごく痛い。

見ると、あちこちが包帯だらけ。

タックルした際、犯人に肩を刺されたらしい。

だからかあ、痛い訳だ。

でも、僕はそれだけじゃないと気づいた。

花火大会の待ち合わせで、みんなと合流する寸前、横から飛び出てきたちびっ子を避けて、派手にすっ転んだことを。

あ…あの怪我も…。

この日は、このまま、病院で一夜を過ごした。

最後まで読んでくださり、本当に本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら、とってもとっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ