その35
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
他の指でも良かったんだろうけど、僕はなんだか左手の薬指が一番しっくり来たので、そこにビーズの指輪をはめてあげたんだ。
ピッタリ!
ジャストサイズ!
「はあああ、良かったあ…もしかしたら、サイズが合わないかと心配だったんだよね。」
「そうなの?」
コクン。
「…あ、ねえ、ねえ、瓶の中のこの…巻き物?出してみていい?」
へっ!今?
僕は激しく動揺しつつも、努めて冷静を装って「あげた物だから…。」と答えた。
坂口メグちゃんは、急に汗をダラダラかき始めた僕を、不思議そうに見つめながらも、瓶の中からあの紙を取り出した。
そして、シールが破けないよう慎重に慎重に剥がし、丸まった紙を伸ばしながら広げた。
「あ…」
急に坂口メグちゃんが止まってしまった。
ぎゅっと目を閉じていたので、今、どういう感じか、全くわからない。
もしかしたら、坂口さん、怒っちゃった?
それとも、なんか興醒めしちゃった?
どうしよう?どうしよう?
紙に「好き」って書いちゃったよ。
そんでもって、今、メグちゃん、開けて読んじゃったんだね。
そうなんだね。
まだ、目は開けられない。
膝の上に置いた両手に力が入る。
すると、手の甲にひんやりとした感触が。
けれども、まだ、目は開けられないでいる。
そうしていると、ひんやりとした感触が、僕の手の甲の上で動いている。
なんだ?なんなんだ?
僕は自分の手の甲に全神経を集中させた。
ス・キ
嘘!えっ?本当に?
バッといきなり目を開けると、僕の手の甲にメグちゃんが手で字を書いている。
「ス…キ…」
それを声に出した。
「あっ!あっ…あっ…さっ…坂口っ…メグ…。」
「え?呼び捨て?」
「いやいや、ご、ごめんなさい…違うの!違うの!坂口メグちゃん…いや、あの…メグちゃん!君が好きだ!」
心の奥に秘めていた言葉が、やっと、この瞬間、僕の口から飛び出した。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




