その33
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
3人に走って近づくと、横から小さな男の子が飛び出してきた。
「あ、ぶなっ!」
そう思った途端、ドターンと激しく地面に転がってしまった。
「だ、大丈夫?大丈夫?」
僕は男の子が無事か、心配になった。
驚いて泣いちゃったけれど、小さな男の子はどこも怪我をしていない様子。
慌てて駆け寄って来たお母さんに、ぎゅっと抱きしめられると、更に泣いて胸に顔を埋めていた。
「大丈夫ですか?ごめんなさいね、うちのチビが…」
「いえ、いえ、あの、大丈夫ですから…ははは…あ、あの、チビちゃんこそ、怪我とかなかったですか?」
ヨロヨロと立ち上がった僕に、涙が残る顔のまま、母親に抱っこされたちびちゃんが「バイバ〜イ!」と小さな手を振ってくれた。
「ニッキ!大丈夫?」
「痛そう…」
「ニッキ、ここ、血が出てる?ちょっと、ちょっと、こっち来て…。」
坂口メグちゃんに手を引かれ、公園の水飲み場まで連れて行かれると、すぐさま土で汚れてしまった膝下に水をかけてもらった。
「いっ…たたたた…あっ…っつう…。」
両膝と両肘は、結構大きく擦りむいてしまった。
綺麗に洗って、持ってきたティッシュで拭くと、坂口メグちゃんは巾着袋から大きな絆創膏を出して、全部の傷に丁寧に貼ってくれた。
「あっ…ありがとう…なんか、ごめんね…俺、ドジなとこ見せちゃったよ…恥ずかしいなあ…。」
無理して照れ笑いをすると、坂口メグちゃんが真剣な顔で「ううん、全然、ドジなんかじゃない…ニッキは、ドジなんかじゃ…ないもん…」と言った。
僕の怪我の手当をしたベンチで、僕ら4人は花火を見ることにした。
ド〜ン!ドド〜ン!ヒュルヒュルヒュルヒュル!ババーン!ドーン!パチパチパチパチ!ドーン!ドドーン!ヒュルヒュルヒュルヒュル!パーン!チリチリチリチリ!
花火が始まると、僕らは上を見上げてうっとりと、夜空に煌めく大きな花火を眺めた。
花火の途中から、「お腹空いたね」なんて誰かが言った。
なので、「じゃあ、出店を見て回ろう!」となった。
僕が思っていたよりも、随分沢山の店があった。
お馴染みの綿あめにりんご飴、チョコバナナにイカ焼き、たこ焼き、ヨーヨー釣りに金魚すくい、射的にスマートボール、それにお面屋さんなどなど。
今年初めてお目にかかった「10円パン」のお店。
「へえ、こんなのもあるんだあ〜。」
ゆっくりと進んで行くと、知ってる美味しい匂いが漂って来た。
「あれ?ヒロキ!」
見ると、「焼き鳥雪国」の出店。
ヒロキのお父さんとお兄さんは、頭にタオルを巻きながら、せっせと焼き鳥を焼いている。
そこに接客しているヒロキ。
「お〜!みんな〜!」
「あれえ?ヒロキ、お前、店番?」
「そう!」と元気いっぱいで、楽しそう。
「じゃあ…」とテルと僕とで、タレの焼き鳥をそれぞれ2本づつ買うと、「おまけ!」と言って、更に4本もくれた。
「なんか、悪いなあ…」
「なんも!なんも!それより、買ってくれてサンキュー!また、みんな、よろしく〜!じゃあな!」
事前に誘うも「ごめん、行けない。」と言っていたヒロキ。
そっかあ、おじさん達の手伝いしてたんだあ。
感心!感心!
偉いなあ!ヒロキ!って思った。
「トロピカルジュース屋さん」で、マンゴーやパイン、ココナッツにドラゴンフルーツのジュースを買うと、僕らは公園から少し離れた花火が見える河川敷の階段に腰掛けた。
ここで、持って来たウエットティッシュが大活躍したもんだよ。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




