その29
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
夏期講習の帰り道、僕は自分が感じたことを、そのままテルにぶつけてみた。
「あ〜…なるほどねえ…確かに…ニッキが気になってモヤモヤしちゃう感じ、わからなくもないけど…でも、そうだなあ…ん〜…なんだろ…なんかさ、ヤマシタはさ、優しすぎちゃうから、女子のヤマシタさんがもう一度って、頑張っちゃうんだろうねえ…だからさ、ヤマシタが優しければ優しいほど、思わせぶりになってしまうと言うか…ヤマシタさんが勘違いしちゃうんじゃないかなあ?どうだろう?」
そっか…本当にそうかもしれない。
男ヤマシタが優しすぎるあまり、女子のヤマシタさんが1人で若干、暴走気味っぽくなっちゃってるってことか。
優しすぎるって、とってもいいことなのに、ある、特定の人にとっては、逆に迷惑ってのか、惑わせられるってのか、気持ちを振り回されるってのか…なんだね。
僕は坂口メグちゃんのことを思い出していた。
彼女も優しい。
僕だけにじゃなく、みんなに分け隔てなく優しいから。
だから…だから、僕は、1人で勝手にイライラしちゃってんだ。
別に傷つけられた訳でもないのに…1人、勝手に傷ついて…
「優しすぎるのは、罪な場合もあり」
やっぱりテルに相談してみて、良かったと思う。
ダブルヤマシタのことなんか、本当は僕には何にも関係なくて、全然どうでもいい話なのに…どこか、坂口さんと自分の関係に置き換えて見ていた様な気もした。
優しすぎて好かれちゃってるのが、男ヤマシタと坂口メグちゃん。
ちょっとばかし嫉妬が強めで、片思いなのが女子のヤマシタさんと僕。
全然似てないって思ってたけど、じっくり深く考えてみると、「構図」が似てるのかもって感じた。
だから、僕は女子のヤマシタさん側だから、1人で何となくモヤモヤしたり、イライラしちゃってるんだね。
それはいいとして、じゃあ、この先どうするよ?
このままちゃんと「好きだ!」って言いもしないで、曖昧なままでいるのは、坂口メグちゃんにとても失礼なんじゃないだろうか?
このぬるま湯みたいな状態でいるのって、逆に坂口メグちゃんをイライラさせてるのかもしれない。
だとしたら…だとしたら…どうするよ?
何もしないでいて、いいんだろうか?
はっきりしない僕は、知らぬ間に彼女を傷つけているのかもしれない。
そう思うと、胸が苦しくなった。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続き読んで頂けたら、とってもとっても嬉しいです。




