その15
お話の続きです。どうぞ宜しくお願い致します。
男達でデッカいテントを設営すると、早速、みんなの荷物を入れさせてもらった。
僕達だけじゃなく、女子達もベルウッドの「お手柄」を喜んだ。
「ありがとう!鈴木くん!」
「ホント、助かっちゃう!サンキュ〜!鈴木くん!」
女子達からの感謝の気持ちを受けたベルウッドは、「まあ、これぐらいは当然っしょ!」なんて、調子こいてたっけ。
「みんな、泳ご〜ぜ〜!」
ヒロキの掛け声で、すぐさま男達は上だけ脱いで駆け出そうとするも、僕はテルから「ニッキ、バッグに海パン入ってたけど?」と聞かれた。
「えっ?」
そうだ!
さっき、駅でスマホを探すのに、バッグの中身をちょっとの間、持っててもらったっけ。
あの時、あの時、テルには帰りのパンツやタオルなどの布類を持っててもらった。
僕はハッとして、今、自分が履いている半ズボンを見た。
…これは…春の終わり頃、テルと一緒に、生まれて初めて自分で洋服を買いに行った時の、あのカーキ色のカーゴパンツ。
「あれ?あ!」
僕は昨晩のことを思い出した。
確かにそう!テルの言った通り!
一番最初にバッグに入れた!入れた!
海水パンツの下に履くインナーパンツなる、黒のピチッとしたやつも入れたわ!入れちゃってた!
僕の脳内でこの間、みんなで水着を買いに行った際のテルの言葉が思い出される。
「そんなの、行きは海パンだけで行けばいいじゃん!」
海パンだけで行けばいいじゃん!いいじゃん!いいじゃん!いいじゃん…
「あっ!」
そして、さらにテルが言い放ったセリフが、何度も何度も脳内で繰り返される。
「履いてったパンツ、バッグに入れとくのヤじゃない?」
入れとくのヤじゃない?ヤじゃない?ヤじゃない?ヤじゃない?
ヤダ〜〜〜〜〜!
ヤダわ〜〜〜!それは〜〜〜!
例えバッグの中に直で入れないとしても、ちゃんとビニール袋か何かに入れるとしても…それは、なんかヤダな〜〜〜!
タオルやティッシュ、帰り用の綺麗なパンツなんかは別に構わないけど…小さい保冷袋に入ったおにぎりとか、さっき駅のコンビニで買ったスポーツドリンクのペットボトルとか、ちょっとの時間でも履いてしまった「パンツ」と一緒に、バッグに収まってんのは、流石にちょっとやだよ!
「あ〜〜〜〜…」
ヤダな〜…一度履いたパンツが一緒って…
そう思いつつも、僕はみんなで設営したばかりのテントを使わせてもらうことに。
脱いだパンツは小さいビニール袋に入れると、バッグの奥の奥の底に、持ってきた顔拭きタオルの1枚で包んでしまったのだった。
最後まで読んでいただき、本当に本当にありがとうございました。お話はまだまだ続きますので、引き続き読んでいただけたら、とっても嬉しいです。どうぞ宜しくお願い致します。




