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ゲヒュール3  作者: スペクトラム


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18/20

私だけは味方だから

「お兄さん、頑張り過ぎだよー」

ベギーデは男に腕枕をしながら、あやすような口調で語りかける。

「ほら、動けないでしょ?」

そう言って、男の頭を自分の胸元に押し付ける。

そして、少しだけ力を込めて抱きしめた。

「私がギューってしてるから、仕方ない仕方ない」

ベギーデは男の頭を指先でトントンと叩く。

「今日はもう寝ようよ」

ベギーデが抱きしめる力を緩めると、それに応えるように男の身体から力が抜けていく。

先程までとは違う、心地よい感触。

「安心して良いんだよ」

「私だけはお兄さんの味方だから」

男の瞼がゆっくりと閉じられた。

---

男が目を覚ます。

「あ! 起きたー!」

目を覚ました男を見て、ベギーデは満面の笑みを浮かべた。

男は拘束されたままだったが、ベギーデの笑顔を見て、イタズラでもされたのかと思ったのか、微笑み返す。

「ん? これから楽しいことするの!」

ベギーデの言い方に、男も思わず少し笑みをこぼす。

「パクッ」

ベギーデは男の右足の親指にかじりついた。

そして、そのまま食い千切る。

うっとりとした表情を浮かべたベギーデは、舌を出した。

口の中に残っていた肉片が、ぽたりと落ちる。

ベギーデは男の足に残った傷口を、優しく指でなぞった。

男が泣き叫ぶ。

ベギーデはそんな男の口元に指を近づけた。

一度指を離すと、今度は自分の口の中へと指を入れる。

そして、再び男の口の中へ。

ベギーデが指を引き抜く。

その指には、前歯が一本くっついていた。

夜は始まったばかりだ。

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