私だけは味方だから
「お兄さん、頑張り過ぎだよー」
ベギーデは男に腕枕をしながら、あやすような口調で語りかける。
「ほら、動けないでしょ?」
そう言って、男の頭を自分の胸元に押し付ける。
そして、少しだけ力を込めて抱きしめた。
「私がギューってしてるから、仕方ない仕方ない」
ベギーデは男の頭を指先でトントンと叩く。
「今日はもう寝ようよ」
ベギーデが抱きしめる力を緩めると、それに応えるように男の身体から力が抜けていく。
先程までとは違う、心地よい感触。
「安心して良いんだよ」
「私だけはお兄さんの味方だから」
男の瞼がゆっくりと閉じられた。
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男が目を覚ます。
「あ! 起きたー!」
目を覚ました男を見て、ベギーデは満面の笑みを浮かべた。
男は拘束されたままだったが、ベギーデの笑顔を見て、イタズラでもされたのかと思ったのか、微笑み返す。
「ん? これから楽しいことするの!」
ベギーデの言い方に、男も思わず少し笑みをこぼす。
「パクッ」
ベギーデは男の右足の親指にかじりついた。
そして、そのまま食い千切る。
うっとりとした表情を浮かべたベギーデは、舌を出した。
口の中に残っていた肉片が、ぽたりと落ちる。
ベギーデは男の足に残った傷口を、優しく指でなぞった。
男が泣き叫ぶ。
ベギーデはそんな男の口元に指を近づけた。
一度指を離すと、今度は自分の口の中へと指を入れる。
そして、再び男の口の中へ。
ベギーデが指を引き抜く。
その指には、前歯が一本くっついていた。
夜は始まったばかりだ。




