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ゲヒュール3  作者: スペクトラム


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15/20

マーキング

犬飼透は病院のベッドで目を覚ました。

「あ、起きました?」

傍らにいた霧崎楓が声をかける。

「あー……生かされたか……」

犬飼は天井を見つめながら、気怠そうに呟いた。

「良いゲヒュールだったんじゃないですか?」

「ここは病院だし、丁度いいから頭を診てもらえよ」

「酷……」

楓が呆れたように呟く。

「やられた……」

犬飼は腕で目元を覆い、そのままベッドに横になった。

「何がですか?」

楓が不思議そうに尋ねる。

「ほぼ……いや、確実にマーキングを付けられてる」

「ん? 聞いたことはありますけど、それが?」

「お前が思ってるようなものとは違う。ゲヒュールは時々、人間にマーキングを付けるんだ。家族を殺して、生き残った人間にな」

犬飼は腕を目元に乗せたまま説明する。

「付けられたら駄目なんですか?」

「かなり遠い距離でも感知できるようになるし……。これ、本部に帰れないぞ? 流石に本部の場所が割れるのはまずい」

「どうします?」

「辞表出すかぁ……出しといて」

「はぁ……」

楓は呆れたようにため息をついた。

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