地上と地底 ⑧
飛び交った鳥たちがそれぞれ太陽を目掛けて飛んでいる・・・。と思いきや、やがて急旋回してエネルギー弾へと集まっている。それをちらりと見たリンは形相を変えて叫んだ。
「だめ、すぐに離れて」
しかし鳥達はその場を離れようとせず、むしろさらに結束を固めていた。
「お願い。そこにいたら皆とお別れすることになる・・・かも」
やがて轟音と共に、林松の姿をしたものが満を持して放ってきた。すでに逃げることは出来ない。迫りくるそれを見て、リンの体は硬直していたものの沸き起る感情をついに吐き出した。
「いや、いや、いやだあああ。鳥さんをこのまま巻き込んだら・・・。私、許さないからあ」
幸い、驚いた鳥達は直前で上空へと舞い無事だった。しかし数秒後、得意気な様子でそれが眼の前に現れ立ちふさがった。
「おふざけはここまでだぞ」
この時、回復に必要な時間を経過したイシがこう言った。
「いや、おふざけはおたくの方ですよ」
沸き起こってくるエネルギーを感じながらイシは、相手の動向を見て静かにそう呟いた。そしてハルと香純に問いかけたが、返答がないためリンへ尋ねた。
「二人、かなりまずいよ」
「うん。で、次にあれ食らったらもう終わり・・・だね」
「・・・そうかも」
「ねえ、イシくん。回復したの」
「いや、それがさあ・・・」
それぞれの思いを伝えきれていない中、すでに相手の攻撃弾がついに飛んできている。このままでは二人はおろか全てを巻き込んでしまう。
その時、林松のようなものが笑いながら二人の目の前に現れてこう言った。
「おいおい、お前ら。俺に勝とうなんて十年以上早いんだ。これで終わりだ」
そして胸元へ目掛けてボールくらいの大きさのエネルギー弾を押し込んできた。
「やばい」
「うわっ・・・ああああ」
再び轟音が鳴った後、しばらく静寂が続いた。その余韻を楽しんだ林松のようなそれが甲高く笑った。
「ははっ、うわっはっはあ。やっぱり大したことない奴らだったわ」
しかしこの時に一人の男の子が現れ、上空は虹色で包まれていた。
「お前、絶対許さないから。よくも俺の友達をやってくれたな」
と言い、強烈な七色の光を一手に集めて鋭い剣へ瞬時に変化させた。
「お、おい・・・、待てよ。そ、それは懐古より伝わる術。ということは・・・。お、おいっ、早まる・・・な・・・」
その声は虚しく、林松の姿をしたものは光を受けて瞬時のうちに消え去った。
そして地面に降り立った虹色の主はそれから二、三度ほど周囲見回した後、これまで聞いたことがない術を唱え始めた。
「donkerugerunetuwaru・・・」
すると先程の攻撃で消滅したはずの二人が目の前に現れた。
「あれっ」
「うわっ」
リンとイシは驚いて現れた。
「危なかったですね」
その虹色をまとった人がそう言うので、リンはすかさず答えた。
「あれっ、私はもう終わったと思ってたんだけど」
虹色の人がこう答えた。
「まだまだ、これからですよ」
「で、あなたが生き返らせてくれたのですか」
それには少し言葉選んでいたのか、虹色の人は少し間を置いた後にこう答えた。
「ええと、生き返らせたというか・・・。あなたはまだそこにいたので、私は戻るかどうか問いかけただけなのです」
「えっ、どういうことですか」
「そちらの彼はよく知っていると思いますが、肉体と精神が丈夫なら誰しも問題ない」
「ということは、私達は肉体だけに損傷を受けたということですか」
リンがそう声を大に尋ねたところ、その人は落ち着いてこう答えた。
「そうです。さらに言えば、あなたたちが復活したということは・・・つまり、そういうことです」




