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月と海のリザレクション〜海神ポセイドンの幼女転生〜  作者: 幸田遥
第2章 大西洋航海編

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空母襲来


 研究船パーズは、南太平洋を南アメリカの南端に向けてまっすぐに進んでいた。



 南半球では冬が始まる季節だ。

 と言っても、この辺りは季節も関係なく、かなり寒い。




 研究船パーズの操舵室。


 沖田一二三(ひふみ)船長は、船長用の椅子に座り、外を眺めていた。


「なんとなくだが、嫌な予感がする。この船は、これまでいいことがなかったからなぁ」

 沖田船長は、小さなため息交じりに声を出す。


 静かな海に、いい思い出はなかった。



「そうですね、この船は今までに色々なものに襲われていますからね」

 操舵手の山本が答える。



「海賊船に2回、軍艦に1回、そして、潜水艦にまで襲われていますからね。よくもまぁ、片方のエンジンの損傷だけで済んでいますよ。本当に奇跡ですよ」

 佐伯航海士が言う。



「そうだな。やっぱりこの船には、幸運の女神が乗っているのだろう」

 沖田船長は、笑う。


 沖田船長は、パーズを攻撃した潜水艦が稲妻に当たって沈んだ時に、双眼鏡の端にチラリと見えた金髪の少女のことが忘れられない。


 そして、ある金髪の少女のことも気になっていた。

 乗客に謝罪をしていた時に出会った一人の少女である。





「船長! レーダーに異常です。戦闘機が3機、この船に接近しています。

 佐伯航海士が言う。



「戦闘機だと? それだけか?」


 沖田船長が大きな声をあげた。



「大型の空母もいます。本船の進行方向2時の方角です。まっすぐにこっちに向かってきますね。目標は、十中八九、我々でしょうね」

 航海士の佐伯が、さらに大声を上げる。



 沖田船長は慌てて、椅子から立ち上がり、双眼鏡でパーズの前方2時の方角を見る。



「確かに……、空母だ。戦闘機は全部で何機だ?」


「今のところ3機が接近中です。ですが、おそらくそれ以上いますね」



「よし、主砲用意!」

 沖田船長は、低い声で言う。


「沖田船長! こんな時に冗談を言っている場合ですか、本船は主砲なんて持っていません!」

 航海士の佐伯が言い返す。



「はは、なんてな……。でも、大丈夫だ、佐伯。本船には女神が乗っているのだ。とりあえず、乗客に周知だ」

 沖田船長は、冷静な声で、佐伯航海士に言う。



「はい!」

 佐伯航海士が、非常サイレン用の赤いボタンを押した。



 ウウゥゥゥゥー!!!



 サイレンの音が、パーズ船内に響きわたる。


「非常事態です。国籍不明の戦闘機と空母が本船に接近しています。各自部屋に戻り、部屋に待機してください。念のため、衝撃に備えていてください」


 佐伯航海士はアナウンス用のマイクに向かって話した。




 博士たちは居住部屋で、昼ごはんを食べていた。



「おいぃ、シンシア。今度は戦闘機と空母だって」

 博士は、右手で頭をボリボリと掻いた。


「戦闘機かぁ。空を飛んでいるやつは、ちょっとしんどいかもしれないねぇ」

 シンシアは食べかけのパンを皿に置いた。



「よし! じゃあ、トライデントが必要か?」


「うん! あった方がいいね」


「わかった、すぐに取ってくる」


 博士は、急いで椅子から立ち上がり、教授室に置いてある神具トライデントを取りに行った。



「アムル、お前の力も必要かもな」

 シンシアは、アムルの方に目をやる。

 アムルは、レイアに抱っこされて、野菜スープを飲んでいた。



(あぁ、かもしれんな)

 アムルは、脳波で、シンシアに同意する。

 口では、野菜スープを味わっていた。


 戦闘機を相手にするなら、雷を使える最高神ゼウスの力の方が役に立つであろう。

 まだ力が完全ではないアムルでも、稲妻を落とすことは可能なのだ。



「この子も?」

 レイアは不安な顔で、アムルの顔を覗き込む。


「……。」


 シンシアは、無言で大きく頷いた。


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i488219
秋の桜子さまよりいただきました。
好評連載中です!

i493381
砂臥 環さまからいただきました。
リンク先は、『『月』を照らす光〜月と海のリザレクション〜』です。
テーマソングです。
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