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ある街  作者: 木苺
ある町の昔話
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8/39

運営

「ある町」を運営しているのは、町長と 町長が任命した評議員と運営委員である。



評議員と運営委員は、推薦または自薦の候補者から、

運営委員の数が不足した場合は住民の中からくじ引きで選ばれた者の中から

町長が任命する。


 なぜ、選挙制ではなく任命制で、候補者がそろわない時はくじ引きもありなのかというと、


それは評議員や運営委員の仕事が、特殊な専門職であったり、誰もがやりたがらないような行政上の事務手続きであったりするからだ。

 

◇


「ある町」はもともと、よそでは生きづらいので、誰にはばかることなく気楽に暮らしたい!と考えた何人かの者たちが定住したことによってできた町である。


その者たちは 「よそ者」嫌いで、転入希望者を 自分たちが厳しく審査して、気に入らなければ、その者の記憶を消して、どこか遠くの町外《まちはず》れにほっぽり出していた。


それでも ある程度暮らしの快適さを維持するためには、よその地区とも付き合わねばならないし、よそから物を仕入れたり、その支払いをするために、よそと取引をして金も稼がねばならない。


よそ者からむやみに興味を持たれたり、詮索されないように、

「普通の町」らしく 体裁を整えておく必要がある。


それやこれやで その時々の必要に応じて、外部から人をスカウトして来て住民としたり、あるいは たまたま 転入希望者が現れたときには、それを審査して、場合によったら仲間に加えたりしてきた。


◇


ちなみに、この町の住民はおっそろしく長生きの者が多い。


なにしろ、現存する資料によれば、この町ができてすでに1500年以上たっているし、

そのとき すでに この町の住民であったらしいバンパイアは、

その時点で 1000歳だったとも2000歳だったとも言うのだから。


そのバンヴァンパイアは 今も健在であり、町長を務めている。

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