オオカミ村の農業と牧場
オオカミ村は 人口密度が低い。
もともと、オオカミ男の種族、略してオオカミ族は、群れの絆と、人間らしいのびのびとした自由、そのどちらをも愛する種族であった。
それゆえ、新天地を得た時に、自分達の村を 他種族から隠す一方で、目いっぱい広い敷地を確保したのであった。
居住地をとりまく 広大な森。
それだけでなく、自分達が暮らす村もまた うーーーンと広い敷地面積を確保したのだ。
その一方で、地下道を通って最短距離で、町とのつながりも維持した。
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パッと見た感じ、オオカミ村は、畑と原野の中に家と家畜が点在しているように見える。
実はこれ、敷地を贅沢に使った、輪作地なのである。
敷地は細かく区割りされ、牛・ブタ・ヤギ・羊・鶏の餌場と畑作が 順繰りに移動していく。
一般的に輪作といえば、燕麦を植えたあとに、野菜や主食となる穀類を植えるとか
ナス科の植物の連作を避けるというのが有名だが。
ここオオカミ村では 畑に植える作物の輪作の間に、家畜の放し飼いがはさまっていた。
そして 家畜たちの落し物は、そのまま 自然発酵に任されて肥料となる。
畑作中の雑草に関しては・・鶏とヤギが せっせと除草に励むのだ。
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鶏とヤギに作物と雑草を見分ける力があるのか?といえば、
そこは オオカミ属の特殊能力、自分よりも弱い動物や種族を従わせることのできるテレパシー的能力により、家畜に作物の成長段階を理解させ、それには手を出さないようしつけているのであった!
そして 鶏とヤギに対しては 積極的に除草してほしい植物の生育段階についても詳しく教え込むのである。
たまに「そんな草おいしくない!」とヤギから苦情もくるが
「そういう場合は、草を咥えて抜いて 雑草置き場にもっていくように!」とまで教え込む周到さ(笑)
人間の農家さんらが知ったら、調教料を払うから、うちのヤギたちにも 教えに来て! と言うかもしれないw
「いやぁ オーガ村の農家だって 調教依頼するぞ!」とはオーガの弁。
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そういうわけで、耕作面に関しても、牛たちが自主的に田畑を耕し、車をひく。
もちろんオオカミ属のだれかが監督しているが。
ちなみに 牛・ヤギ・鶏にも、オオカミ属からの念話に素直に応じるタイプと
念話への対応能力の低いものがいる。
それゆえ、農作業や運搬作業に非協力的な者たちは、乳・肉・卵をの供給者として生きていくことになる。それらが 「ストレスフリーで育てたおいしい肉・乳・卵供給源である家畜」として位置づけられるのは、人間世界と同じである。
「どういいつくろったところで、家畜は家畜なのだから」とは 「ある街」に暮らす者達、そしてこの世界の共通認識であった。
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オオカミ村の中には 細かく小川や水路が流れ、ところどころに池や泉もある。
このように整備し維持してきたのだ。
そこには、魚や貝も住んでいる。もちろん食用種が多い。
魚介類は ある街に住む 非オオカミ属が主に食べている。
オオカミ属は やっぱり肉が好きなのである!
特筆すべきは、「あめふらし」と呼ばれる大型の蛙たちだ。
見た目は アマガエルの大きいバージョン。
このアメフラシは、注文に応じて、周囲に霧雨を降らせることができる。
アメフラシに、降雨に関する注文するのは、「ある街」一帯に引っ越してきてすみついた魔法使いたちである。
最近は オオカミ属の若者の中にも 魔法使いについて、魔法その他を学び始め、アメフラシに、降雨に関するオーダーを自分でできる者も育ってきた。
それゆえ、種をまいてから発芽までの水やりなど、万全の体制で臨むことができる。
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一方、オオカミ村を囲む森の中には、ウンディーネ一族が住む泉がある。
なんと この方々は 異世界から転移してこられたのだ。
曰く 人間達に追い回されたり、ストーカーされるのが嫌になって
集団大脱走を決めたそうだ。
そのことを知った時、ロビンは脱力してしまった。
神話の世界から、ウンディーネ達が消えたのは、なんと集団で異世界転移を遂げたからだったとは!
一方メイジは、この世の不思議を実感したのであった。
こちらの世界にとっては、異世界との衝突は「大荒廃」と呼ばれるほどの大打撃だったが、あっちこっちの世界から こちらの世界に転移してきた者たちにとっては、次元を超えた大脱走の成功だったのかもしれない・・。と
このウンディーネ達が 協力して、「ある街」に属する地域、それはオオカミ村を含めた隠れ里全体を指すのだが、そこに住む者達が必要とする雨を降らせてくれている。
アメフラシによる水蒸気散布は、どちらかといえば期間限定・範囲限定の「おしめり」のようなものなので、たとえて言うなら 苗1本1本、種一粒一粒にあわせた 細やかな水分調整に過ぎないので。
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それはともかく、ここ オオカミ村では、多種族が協力しあって、最低限の労力で
自給自足体制を実現していた。




