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ある街  作者: 木苺
第二章 ガオーの新生活
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ガオーとレイン

半休をとった翌朝、いつものように出勤途中 村の中央にあるエレベーターの前でレインと顔をあわせたら、

「本棚の件は うまくいきそうかい?」と

尋ねられた。


「おかげさまで。

 その件の報告もかねて、今夜か明日にでも、俺のうちか君の家かで 話せないかな?

 この間の続きも含めて この村のこともいろいろ聞かせてほしいし。」ガオー


「うーん、あしたか明後日の午後に君の家に 僕たちが家族で訪問するというのはどうだい?


ミオの気晴らしとダニーの好奇心を満足させるのもかねて。」レオン


「来てもらうのは構わないけど、食事とかどうすればいい?

 食事の量とか 子供用のメニューとかが わからないんだ。」


一瞬驚いた顔をしたレオン。

「そういえば、学生時代、この世界では 二足歩行で言語を話す所属の食事は基本的に共通性が高いが

食べる量は種族によって異なるってならったっけ。


うーん どれくらい食べるか?

異種族の人に説明することを考えたことがなかったから 急に言われても・・。


そもそも 君は料理は得意?」


「学校で調理実習で習った程度。

 働くようになってからは 食堂でほとんど食ってたし。


 一応 シチューは作れる。

 肉も焼ける。野菜炒めも作れる。

 炊飯もできる。


 さすがに ここに来てから毎日自分で料理していたら加減を覚えるよ。」


「ダニーはね もう3歳だから、あっさりとした味付けで 口に入る程度の大きさに切ってあれば何でも食べるよ。

 食事の量に関しては・・

 今日 仕事帰りに君の家に行って 食器やなべの大きさを見せてもらって 具体的な説明をするよ。


 場合によったら 僕の家から食器を運び込むという手もあるし。


 本当なら 僕の家に招待したいところなんだけど

 君 背が高いし、体重もありそうだし」レイン


「確かに 俺が座っても大丈夫な椅子かどうかを確かめるために座って、壊れましたじゃ困るよな。」

ガオーは 大口を開けて笑いながら言った。


「ごめん」レイン


「オーガの学校では、異種族との社交術も習うんだぜ。


 自分よりも 小さな体格の種族から招待されたときには、大口あけて笑いながら 椅子のたとえを出せって。


 その時 歯を見せるとさらに効果的って」


「なんだよ それ?」レイン


「つまり 互いの体格差を認識して尚 友好的に付き合ってくれる相手なら ジョークとして受けてくれるだろうし、そうじゃないなら はっきりと相手側から感情を見せてくれるのを観察して、自分の方も付き合い方の参考にしろってこと。」ガオー


「僕は 学校でそういうこと習わなかったなぁ。

 なんとなく オオカミ獣人にもいろいろなタイプがあって、人間と付き合うときにはこういうことに気をつけましょうね、見たいことくらいしか習っていない気がする。」レイン


「オーガは 運送の仕事であちこち巡るやつも多いから 基本的に どの種族とも 友好的に接するには、という授業はあったよ。

 この世界では 体の大きさは ドラゴン属についで大きいのが オーガだからって。」ガオー


「そっかー

 考えてみたら、君一人暮らしだから、

 君んちに訪問する場合は うちの家族の分の食器を一式もっていった方が無難だねぇ。


 君はパンを食べるかい?」レオン


「食べるよ。自分で焼くのは面倒だから、炊飯してるけど」


「じゃあ 明日は パンも持っていく土産(みやげ)用に。」


「じゃあ 明日は、荷物持ちの為に迎えに行こうか?

 子連れで 食器まで運んでくるのは大変だろう?」


「ありがとう。じゃあ お言葉に甘えてそうさせてもらおうかな。

 君が迎えに来てくれるなら、2往復しなくてもよさそうだ」


「そんなに食器を多く持ってくるのか?」

あきれたように尋ねるガオー。


「そうじゃなくて ダニーのお昼寝グッズがかさばるんだよ。毛布とか 敷物とか。」レイン


「なるほどねー。」ガオー


「悪いな 一家で押しかけて。

 うちの子は、親離れがまだできてなくて、

 ミオは 毎日 子供がべったりとくっついているので、休みの日に 俺だけ出かけるのを嫌がるんだ。仕事も 定時で帰ってこいっていうしさ。


 だから 当面 我が家は 個人の付き合いよりも

一家ぐるみの付き合い優先ってことになるんだ。」


「あー オオカミ獣人は 家族の結びつきが強いというのも習ったから 理解できるよ。」ガオー


「オーガの学校って ほんといろいろ教えているんだねー。」レイン


「『知は 力なり』って 校舎の入り口に書いてあるんだぜ。

 『大男(おおおとこ) 総身(そうみ)に知恵は回りかね』ってバカにされたくなければ

 しっかり勉強しろって、校長先生が 何かといえば式の時に訓話するしさ」ガオー


「そうなんだ」レイン


「うん」


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