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ある街  作者: 木苺
オーガのガオー
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3/39

1 オーガの生き方

俺はガオー、種族はオーガ。


見た目は ゴリラ顔によじれた角が生えた大男といった感じだ。

ただ 獣人のゴリラ族と違って、表皮が硬い。


趣味は読書。

争いごとは嫌いだ。


オーガだから 体力はある。力も強い。

だから 獣人族の一部を除くと、たいていのモン族と組打ちしても負けない。


しかしだ、たいていの種族に比べて力が強いということは

逆にいえば 軽くはたく、どころかちょいと撫でただけでも相手が吹っ飛ぶ。

他種族仕様の物に触れただけで壊れてしまう。


これは けっこう めんどうなんだ。


あっ そうそう モン族というのは、俗語で、小説の中でモンスター分類されて「危険な存在」扱いされがちな種族の総称だ。

 ほら ゲームによくでてくるだろ、オークとか ゴブリンとか コボルトといった敵役《かたきやく》が。


これって 種族差別だ!と言ってやりたいんだが、

元ネタが異世界ゲームで、それらが 転移孔(てんいこう)を通じてこっちの世界に流れてきたもんだから、どうしようもない。


で 現実の 俺たちオーガの悩みというのは、他種族の奴を傷つけたり、他種族の持ち物を壊したりしない社会生活をいかに営むか? ってことなんだ。


だってよー、森林もジャングルも開拓されちまって、

今では 「天然の洞窟」とか「大自然での生活」ができなくなっちまって、

否応なく俺たちオーガも 街中で他種族と共同生活をしていかなくてはなんないから。


なに?無理に共同生活しなくても、独立単一種族国家を作ればいいじゃないかって?


それこそ 無理があるんだよ。

だって 俺たち 力はあるけど 手先はさほど器用じゃねぇ。


別に 頭が悪いわけではないが、その 頭の働く方向性がな、いわゆる「創造性」とか言った方向とは チョーっとだけ違う方に向かっているんだ。


なので 今の都市化・工業生産と集約的食料生産社会においては、否応なく 他種族と共同生活をせざるを得ないんだよ。


というわけでオーガに多い職業は、①運送業 ②土木建築業 なわけ。


だって 俺たちなら ガソリンとか電気を使わなくても、人力で荷物を運んだり、物を持ち上げたりできるからな。


(この「人力」に含まれる「人」ってことばは、言葉を使って意思疎通(コミュニケート)できる存在って意味だと思って欲しい。)


転移孔の向こうの世界では、高速道路とか自動車専用道路とかがあるらしいけど

こっちの世界では、オーガ専用道があるんだせ。


なにしろ 俺たちは 時速60キロで重さ100キロくらい、一人で担(かつ)いで移動できるから。



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