ワームのワム
ハロ~ 僕はワム!
種族はワーム
もとは 吉野山に住むミミズだったんだけど、
何のはずみか 異世界に飛ばされたんだよ。
吉野山は 千年以上もの長きにわたって、桜の山として地元の人から大切に手入れされていた山だから、土壌も肥えているのさ。
しかも 殺生を嫌う信心深い人達が住む山だから、僕らミミズも もくもく食べて のんびり肥え太って、チョーっと色が濃くなったりして 独自進化とは言わないけど、よそから来た人をびっくりさせるくらいには 個性的に育ったったんだよ。
◇
で なぜかは知らねど この世界に飛ばされてきて、やったらめったらでかくなっていた!
ドラキュラ君に言わせると 異国の怪獣映画に出てくるワームそっくりに でかくなっていた。
体が大きくなると 食料を多く必要とするから 生きていくのが大変なんだよ。
いつも腹を空かす羽目に><
それで、メイジに頼んで 体を少し小さくしてもらった。
それでも 人間より身長はあるよ。
うーんとそうだね、日本の大きなこいのぼり程度の大きさはある。
◇
下水道と水洗トイレが当たり前の世界から こっちの世界に飛ばされてきたドラキュラや オオカミ男達にとっては、
し尿処理は 悩ましい問題だった。
最初のうち メイジの魔法でナントかできないかと、
町長のドラキュラ男、ロビンとか言ったっけ?、
彼がメイジに泣きついていたけれど
「そんな 毎日毎日 永遠に そんな単調な作業をやってられるか!
人口が増えれば 自給とごみ処理等々 面倒ごとが増える一方ではないか!」とメイジは一蹴!
その結果 どうなったかって?
メイジは 僕に魔法を教え込んだ。
曰く 「土壌を豊かに リサイクル魔法!」を。
その結果 僕は この町の住人たちが 出す 生ごみやし尿を魔法でちょちょいと集めて、僕がおいしく食べられるように加工して(これも魔法)、 それを消化して、土を豊かにする糞に変える仕事を請け負うことになった。
おかげで 僕の空腹・飢餓問題は解決
住民たちからの「出もの」処理も無事解決
となったわけ。
◇
普段は オオカミ男の森の近くの地下に住んでいる。
なんで 吉野山から僕だけが飛ばされてきて、桜の木が付いてこなかったのか!と不満だけど 仕方がない。
この町の中心部は 元ビル街&地下街
町長の住居がある
その区画の地下へは 僕が近づくことは許されない。
僕が通れるほどの空間が地下にできたら
地上の建造物が壊れるからって理由で。
その周辺は荒地
深い亀裂が縦横に走っている
大きなクレーターもある
すり鉢状のくぼ地もある。
そのくぼ地の底は小ぶりの湖だ。
ワームにとっては、砂やさらさらorほくほくとした土と腐葉土が堆積した中が居心地よく移動もできるし体を休めることもできる。
(ミミズ時代の生活はもう忘れたので 何とも言えないけど)
メイジが 僕の居場所を整えてくれた。
すり鉢の下半分を僕にとって居心地の良い土壌に変えて
僕が 湖のほとりで のんびりと 土に埋まって生活できるようにしてくれた。
面積的にも十分で、湖の周りを1周するだけで 2・3日はかかる大きさだから、その周辺の僕の縄張りも・・ぐる~と全体を偵察して廻ろうとしたら1か月はかかる。 僕の体だと。
なので 運動不足になる心配はない。
そして メイジからもらった「土壌を豊かに!リサイクル魔法」を使って、毎日 各家のし尿タンクや生ごみから 順番に食料を調達する。
食べて 消化して 出す。
そうやって 湖の周りの土が肥えていく。
その栄養 たっぷりの土を だれかが 時々 どっかに持っていく。
多分 植物を栽培するのに使っているんだろうな。
◇
そうそう ある時 メイジが 湖のほとりに、アーモンドの木を植えてくれた。
桜によく似た色の花が咲く木。
桜よりも大ぶりの花だけど、雰囲気が桜に似ている。
日よけにもなるし、年に一度の花見もオツなもの♬
湖の周囲の崖は結構深い。
だから よそから アーモンドの木が見えることはない。
ここは 僕たちだけの秘密の場所。




