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ある街  作者: 木苺
オオカミ獣人の一家
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25/39

隣人たち :オオカミ男たちの居住区の図あり

ドラゴン便の発着場で迎えてくれた3人のオオカミ男たちは、アラン・ラッド・パットと名乗った。

 アランは 筋骨隆々、青い瞳に金髪の アクション俳優のような男だ。


 ラッドは、引き締まった体付きで日焼けしている。 細マッチョというのかな?


 パットは、背はやや低めでがっしりとした体つき、重量あげ選手のような安定感があり、動作が滑らかだ。 きっと柔軟な体と筋力をあわせもっているのだろう。


3人とも 完全な人間形態をしていた。


◇


「ここからの案内は 彼らにまかせるから 我々はこれで失礼する」

そういって、町長とメイジとレイスは 姿を消した。驚いた!


「あの人たちは魔法が使えるからね」アラン


「僕たちは 魔法は使えないけど」ラッドが笑いながら言った。


◇


3人の後について、ドラゴン発着場を後にした。


なんと ドラゴン発着場は地下にあったのだ!


地上に出ると、そこは 森に囲まれた草原だった!


草原を囲むように、家が点在していた。


「ここが 僕たちの居住区さ。

 僕たちの土地は 森の中まで広がっている。


 だけど息子さんに分別が付くまでは、草原の外には出ないように、つまり森には入らないように気を付けてほしい。


 迷子になっても困るし、森の中には野生の動物や崖や沼など 子供にとって危険な存在が多いから」アラン。


「僕たちの居住区は、町の中心部からも離れていて、

 外部の人の目に触れないようになっているから、

 息子さんは 気兼ねなく走り回ることができるよ、この草原限定で」 ラッド


「俺たちは いつも 外部の人間が居住区に近づかないように気を付けているし、

 これからは、息子さんが草原の中にいる限りは 気にかけるようにする」

パッドが落ち着いた声で言った。


「はい。よろしくお願いします」

「ご配慮ありがとうございます」私と妻は 頭を下げた。


「そうそう、君たち二人も 慣れるまでは 自分達だけで森に入らないように。

 森に入る前には 必ずパッドに連絡して、最初のうちは彼にしっかりとガイドしてもらいながら 森に入るように」アラン


「パッドの付き添い無しで森に入るのは、たとえ大人でも危険だよ。

 彼から 『一人で森に入っても大丈夫』って 認定されるまでは、

 森に入る時は 必ずパッドと一緒に行くこと。


「正確に言えば、『この範囲なら 自分達で行動しても大丈夫』と合格判定が出た所しか 行ってはダメだ、森に関しては。


 この森は 恵《めぐみ》の森であると同時に、よそ者を近づけない守りの森でもあるから、トラップも多いんだ」アラン


この説明には、驚いた!


挿絵(By みてみん)

  ⇧【オオカミ男達の居住区のイメージ】


◇


そうこうするうちに、新居についた。


がっしりとした壁でできた 大ぶりの家だった。


「向こうの家は パッドの家」アランが森の方を指さして言った。


「こっちは」と 家に向かって右側の方向を指さしてラッドが言う、「僕の家」


そして 左側を指さしてアランが言った「私の家」


家と家の間は 結構広い。


「息子さんのために 君たちの家の庭の周りに 垣根を建てよう。

 そうすれば 息子さんも 普段 自分が自由に走り回っていい場所がわかるだろう。」アラン。


「僕たちは 畑や牧場など共有地が多くて そこで共同作業をしているんだ。

 だから 君たちの庭の周りに垣根を建てるのも 僕たちで今からやるから、

 君たちは 僕の奥さんに 家の中を案内してもらって」ラッド


「家具は 君たちとの打ち合わせた場所に置いたが、箱ものは 廊下に並べておいたから、それらを片づけたり、家の中の片づけがいろいろあるだろう、

 そっちを先に済ませたまえ」パッド


「ありがとうございます。

 お言葉に甘えさせていただきます」

僕たちは 再び頭を下げた。


僕たちが玄関先で話している間に、隣の家からご婦人がやってきた。

「彼女がシェリー。 僕の奥さん」ラッド


「初めまして」僕たちは互いに挨拶をかわした。


「そこの納屋に ここで暮らしていくうえで必要な道具を入れておいた。」

ラッドが家のそばに立つ小屋を指さした。


「それじゃあ 後《あと》を頼んだよ」

ラッドは妻に声をかけ アラン・パッドと一緒に納屋に向かった。


「納屋の中の道具は あなたたち一家がここで暮らしていくうえで必要になるだろう最小限のもの。いわば この村からあなたたちへの歓迎の品だと思ってもらっていいわ。

 道具の使い方とか手入れの仕方で分からないことがあれば 遠慮なく聞いてね。


あなたたちが都会っ子だってことは メイジから聞いているので

いろいろ戸惑うこともあると思うけど、遠慮せず 最初からどんどん聞いて。

その方が 私たちもありがたいわ。

あとになってから尋ねられるよりも」シェリー


「あー はい」ミオ。


「あの ほんとにいただいていいのですか?」


「もちろん。村の共同作業でも使うものだから」シェリー。


「それはともかく この続きは、お宅の家の中でどうかしら?

 ちなみに これが お宅の家の鍵

 荷物を運びこんだ後、いったん鍵をかけて 私が預かっていたの。

 予備の鍵も含めて 鍵は二組あるわ。

 この家の鍵は この二組だけだから、なくさないでね」


シェリーは 私たち二人に鍵の束をひとつづつ手渡してくれた。


「「ありがとうございます」」


「一番大きいのが そこの玄関のドア。

 細長いのが 裏口。

 納屋には鍵がないので、もしつけたいのなら、自前で用意してね。


 鍵がない間は、この村の者が 納屋の物を借りたり、逆に何かを置いて行ったりするかも。そういうのが平気な人も 嫌な人もいるから、そのあたりはご自由に。」


「そうなんですか?」ミオ


「そうなのよ。そういうアレコレも 興味があるなら いろいろ話してあげる」シェリー


女性陣が話している間に、私は さっそく 玄関の鍵を開けた。


「ようこそ我が家に。 どうぞお入りください」

少しかっこをつけて 女性たちを誘った。



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