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ある街  作者: 木苺
  (1) 遥かなる昔
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荒廃地帯のど真ん中にある町

一言で「街をとりまく荒廃地帯」と言っても、荒廃地区の外縁部から中心にある町の端まで たとえ平坦《へいたん》であっても人間の足では10日かそれ以上はかかりそうなほど広い。水はない。 


実際には、深い深い亀裂が幾筋も走る荒廃地帯。

二足歩行の生き物には歩きにくかろう。


すり鉢状の広いくぼ地やら、クレーターのような穴がいくつも空いている。


この幅広い荒廃地帯に囲まれて ちっとやそっとでは、人が近づけないような場所に、その町はあった。


◇


しかも 町そのものも広かった。


たとえ舗装された道であっても 横切るのに3日はかかりそうな幅のある瓦礫地帯が外縁部。その舗装道路にも 亀裂が走っていた。外の荒廃地帯ほど大きなものではないけれど。


そして 高層ビルが立ち並ぶ町の中心部。

そのビル街も よく見ると ビルに亀裂が入っていたり、入口が壊れていたりで

うかつに中に入ることもできなさそうだった。


それでも 町の中心あたりに緑地帯があり、地下に潜《もぐ》る階段もあった。


その階段を わしは、レイスと連れ立って、降りて行った。

階段を降りると 地下通路があり、やがて その通路は、別の地下大通りにつながり、その通りの両側には店舗のようなものが連なっていた。


なんと、この町は 地下にも町が広がっていたのだ!


それも 地下1階! 地下2階と幾層にも!


このような町があるとは、夢にも思わなかった。


これぞ異世界!!


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