戦うキムチ
皆さんこんにちは。本作の作者、夜逃げ丸です。
当然ですが、一日一話を目標に投稿しておりましたが、今回から諸事情により二日に一度とさせていただきます。本作を楽しみにしていただいている読者様には申し訳ございません。打ち止めにはいたしませんので、引き続き応援して頂けたら嬉しい限りです。
「へっ!これを見てもそんなことが言えるかなだぜ!変身っ!!」
キムチは懐からスマホを取り出して操作しました。すると、あら不思議・・・。
「・・・へへへ!これが俺様の戦闘スタイルだい!!」
キムチは光に包まれ、光がおさまると腕に頑丈そうな手甲を付けて武闘家(中国風)の道着に身を包んだキムチがそこにいたのです。風に靡くハチマキが格闘少年をイメージさせます。
「な、なんだとぉぉぉぉっ!?何だ、その格好はぁぁぁっ!?」
それを見た修練場にいた冒険者たちは驚きを隠せないようですね。よろしい、僕が説明役となってあげましょう。
「ふっ、あれは僕たちの家に代々伝わるAFその2・・・【コスチューム・スマホ】です」
「な、何!?AFだとぉっ!?」
僕はしたり顔で、ギルドマスターの横に行き説明役となりました。AFと聞いたギルドマスターや変質(冒険)者たちは驚いたのです。
「僕たち兄弟には適正に応じて、父と母から変身能力のあるAFが与えられているのです。詳細は開かせませんが、今のキムチはあの姿になる事により、まさに達人級の【魔拳士】へとクラスチェンジを果たしたのです」
「な、何いぃぃぃぃぃぃっ!?って、どんな親だ!そんな危険な物を子供に与えるのは!?」
そう、僕の【ヒーロー・コスチューム】の類似品ですよ。
僕たちには邪神様より、一人一人(一匹ですか?)に邪神様仕様のスマホが与えられたのです。そのスマホには【ヒーロー・コスチューム】、【ファイター・コスチューム】、【ニンジャ・コスチューム】など様々なコスチュームが入っており、即座に着脱出来るのです。
これが事前に考えた人間状態の僕たちが、ロンギヌス以外に人前で出せる戦闘方法なのですよ。
ちなみに同じコスチュームは全員に配布されています。コスチュームには相性があり、コスチュームの力を完全に引き出すには『適正』がいるのです。例えば、僕は【ヒーロー・コスチューム】、スキヤキならば【ニンジャ・コスチューム】と言った具合にです。
そして、キムチにとって最大限活用出来るのが・・・。
「今の俺は無敵だい!!」
・・・そう、【ファイター・コスチューム】なのです。
「へっ!AFが何だ!!そんなのは見かけ倒しだ!!」
「お、おい待て!まだ、ゴングを鳴らしてねぇぞ!?」
大剣を構えた変質(冒険)者Aは、ギルドマスターの制止を無視してキムチに斬りかかりました。愚かですね、そんな力任せの攻撃など、例え剣で攻撃しようが・・・。
「ケェッ!拳で何が出来る!!剣で斬る方が先だぁぁぁっ!!」
ーーーー斬っ!!ーーーー
「へっ!やっぱり、こけ脅しじゃねぇか!!」
変質(冒険)者Aの放った頭から振り下ろすような斬撃はキムチを捉えたように見えました。しかし、あれは・・・。
「・・・それは残像だぜ」
斬られたのはキムチの残像でした。【ファイター・コスチューム】は、純粋な速さでは【ニンジャ・コスチューム】に劣りますが、近距離の瞬発力においては軍配が上がります。
「・・・そう、今のは剣を避ける動作が速すぎて残像を残したのですよ」
「たがら、何だよ!?そのしたり顔の説明は!?」
ギルドマスターに突っ込みがありましたが、気にしません。今の僕は弟の晴れ姿にハイテンションですからね。そして、舞台に立っているキムチも・・・。
「今度はこっちの番だ!!行くぞぉぉぉ!!」
今度はキムチの攻撃。キムチの身体から僅かに光が迸っています。
「おっ、おい、ありゃあ・・・」
「気付きましたか?流石はギルドマスターですね。そう、あれは『オーラ』です」
「ああ、才能に選ばれし者の気迫が魂と結びつき、身体を活性化させて身体能力を高める能力・・・それをあんなガキが・・・」
驚き過ぎて、口を開けてキムチを見るギルドマスター。
「おりゃあぁぁぁぁぁぁっ!!ピラカラパンチ!!」
「なあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
ーーーーパキッ!・・・ドガアァァァァッ!!ーーーー
繰り出されたキムチの必殺パンチ。それは大剣を叩き折り、更に衝撃波によって変質(冒険)者Aは壁にめり込んだのでした。
「・・・何て、威力だよ」
「どうですか?これでも、まだ冒険者として力不足ですか?」
「・・・・・・・・・・・・・」
僕はしたり顔でギルドマスターに聞いたのでした。その言葉にギルドマスターは顎に手を当てて考え込んだのでした。全く、何を悩む必要があるのですか?
「「く、くそがあぁぁぁぁぁぁっ!!」」
仲間をやられてキレた変質(冒険)者BとC。BとCは槍と斧を構えてキムチに突っ込んで行きました。仲間思いの点は褒めてあげますが・・・全く、まだ実力の違いが分からないのですか。
「兄貴たち!此奴らも俺がやって良いだろ?あいつ一人じゃ物足りないだぜ!!」
パキパキと拳を鳴らすキムチ。どうやら、まだやり足りないようですね。
「・・・まぁ、いいでしょう。遊んであげなさい、キムチ。露払いは任せたですよ」
「おっしゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
まぁ、最早結果は分かりきっていますし、見る必要は無いでしょう。そして、予想通りに圧勝するキムチだったのでした。さらに、まだ足りないのか拳を振り回しています。
「はぁ・・・その辺にしておけ。分かった、ギルドカードを発行してやる」
やったですね。残り二人をボコったところで、ギルドマスターからの許可が降りましたよ。これでカードが発行され、正式に冒険者になれるのですね。
そして、僕たちはギルドの受付に戻って来たのでした。さっき発行の途中でしたし・・・もう、発行出来てる筈です。さっさと受け取るのですよ。僕たちは受付のお姉さんに話しかけました。
「あれ?あなた達。もう力試しは終わったの?」
「はいです!ギルドマスターの許可が降りたですよ!!もう、カードが出来てますよね?くださいです!!」
「ええぇっ!?ま、まさか、許可が降りたの!?そ、そんなことが・・・」
ん?何か反応が変ですね?どうしたのでしょうか?・・・・・・ま、まさか。
「ごめんなさい!高確率で落ちると思って、あなた達の書類をゴミ箱に捨てちゃたわ!」
「「「「えええぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」
お姉さん・・・受かると思って無かったですか!?
結局、僕たちはまた書類を書き直してカードを発行して貰ったのでした。
そして、余談ですがお姉さんはギルドマスターに怒られたのでした。お姉さんは恨むような目で僕たちを見てたのです・・・僕たちは被害者ですよ!?




