いちゃもん
「嫌あぁぁぁぁっ!犯されるだわさぁぁぁっ!!」
「「「嫌あぁぁぁぁっ!お◯の穴を狙らわれてるぅぅぅっ!!」」」
冒険者ギルドに僕たちの悲鳴が木霊します。いちゃもんを付けられた僕たちはまず大声で叫んだのでした。
「ちょ、ちょっと待て!誤解を招く事を言うな!?」
「「そうだ!そうだ!!」」
僕たちの行動に男たちはテンパっています。まぁ、いきなり叫ばれたのですから当然でしょう。
声をかけて来たのはガッチリとした筋肉質の男たち三人組でした。それぞれ革の鎧と背中に剣、槍、斧を背負っています。顔は何ともパッとしない顔つきでまさに『THE小物』って感じでした。
「おや、僕たちにいちゃもんを付けてお金を巻き上げるか肉体を要求する変質(冒険)者さんでは無いのですか?僕たちは、変態には屈しないのですよ。だから、先手必勝で叫んだのです。それに、顔からして怪しかったので・・・」
「顔からして!?そして、誰が変質(冒険)者だ!!俺は貴様らにだな・・・」
「ど、どうしたんですかっ!?」
テンプレ破りでいきなり叫ばれた冒険者たちは全力で否定しています。そこに、受付のお姉さんがやって来たのです。
「「「「お姉さん!助けて〜〜!!」」」」
「「「ちょ、ちょっ!おい、待て!!」」」
「え、え、え、ええぇ!?」
こうして事態はカオスになります。僕たちは受付のお姉さんに泣きついたのでした。この行動が有効なのは既に実証済みです。ちなみに、お姉さんもテンパっています。
「このおじちゃんたちが私たちを犯そうと声をかけて来たのっ!!」
「おいらたち、尻を掘られるところだったんだい!!」
「・・・見よ!奴等の下卑た目を」
「紛れもなく変質冒険者の目です!!」
「なっ!?あなた達・・・そんな事を!?冒険者ギルド追放だけじゃ済みませんからね!!」
「「「だから、やってねぇよ!?」」」
冒険者たちは否定しますが、受付のお姉さんはゴミをみるような犯罪者は許さないと言う目で冒険者たちを睨みました。そんな時でした・・・。
「何の騒ぎだ!!」
いつの間にか出来ていた人垣が割れて、厳つい顔のおっさん・・・いや、おじいさんでしょうか?この流れだとテンプレ的に判断してギルドマスターでしょう。
ギルドマスター(仮定)は僕たちの前に来ると事情を受付嬢や周りから聞いたのでした。
「・・・はぁ〜。おめぇら、普段から素行が悪いからこんな誤解を招くんだぞ?前だって・・・」
「「「うぐぐぐ・・・す、すいやせん・・・」」」
「ギルドマスター。ありがとうございます」
「おう。おめぇもギルドの職員になったからにはもっとしっかりしろよ?俺たちが扱う奴等は基本的に問題児ばっかなんだからな・・・」
やはり、この人はギルドマスターだったようですね。流石はギルドマスター貫禄がありますよ。
そして、やっぱりこの変質(冒険)者たちは新人いびりの常習犯だったようですね。前にも同じような事をして新人さんを辞めさせたのだとか。今回は相手が悪かったですね。
「そうですよ!反省するのです!!」
「そうよ!犯されると思ったのだわさ!!」
「・・・犯罪者の目」
「変態の目だい!!」
「こぉら!ガキども!!反省するのは、てめぇらもだ!!こいつらに落ち度があるとは言え、ちょっとした事で大騒ぎしやがって!!」
「「「「うわ〜〜ん!怒られた〜〜!!」」」」
今度は僕たちが怒られたのでした。何故でしょうか?僕たちは被害者ですよ!?
「・・・まぁ、しかし。こいつらを庇う訳じゃねぇが、冒険者って言うのは危険な仕事だ。おめぇらみたいなガキどもが出来るかと言われたら俺も首を傾げちまうよ」
やはり、外見は重要と言う事ですね。僕たちじゃ冒険者など出来ないと思われているようです。
「でも、昔に5歳で冒険者になった人がいると聞いた事がありますよ?前例があるじゃ無いですか?」
「・・・よく、知ってんな?まぁ、あの話は特例中の特例だ。100年以上前で殺伐とした時代だったから、少しでも力になる奴が欲しかったんだよ。しかし、今の時代はそんな事は無い!昔は昔!今は今だ!!・・・一応、規則書には年齢制限は無い事になっているがな」
「だったらいいじゃ無いですか・・・」
「・・・ならば、兄上。我らの力を示せば良いのでは?」
「「「おお!スキヤキ!!ナイスアイデアです!!」」」
流石は僕たちの知恵袋。いいアイデアを出してくれました。僕たちは戦って冒険者になれると言う旨をギルドマスターに訴えたのです。
「はぁぁぁ〜〜〜〜。本当にやるのか?おい、お前ら!こいつらの相手をしてやれ!!」
「「「えぇ!?俺たちがですか!?」」」
「今まで、新人いびりをしてきた罰だ。だが、程々にしておけよ。ガキどもに現実を教えるのは構わんが、怪我させたらダメだからな」
「「「へい・・・」」」
僕たちの相手は、先ほどの変質(冒険)者たちのようですね。僕たちの相手には若干不足ですが・・・まあ、いいでしょう。
「・・・こっちだ。修練場に来い」
そんな訳で、僕たちは実力を示すために戦う事になりました。僕たちはギルドマスターと変質(冒険)者の後に付いて行ったのです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おお!広いですねぇ〜!!」
通されたのはギルドの横にある修練場です。そこでは、冒険者たちの訓練や試験、武器の試し斬りなどの為に解放しているのだとか。ちらほらと少数でしたが、他の冒険者の姿もありました。
「ほら、おめぇらはこっちだ。おい!すまんがそこを空けてくれ!!」
修練場の中央にはロープで区切られ、少し高い円形の空間がありました。僕たちはこの上で戦うようですね。
今は僕たちよりも少し歳上の少年冒険者たちが木の剣で戦っていましたがギルドマスターの声でリング(どちらかと言うと土俵ですが)から降りましたです。
「・・・さあ?誰から行く?」
ギルドマスターは僕たちと変質(冒険)者の両方に言ったのでした。
「俺が行くだぜ!!」
真っ先に手を挙げたのはキムチでした。まぁ、キムチでもいいでしょう。まるで出番がありませんでしたからね。ここらで力をみせるのですよ。
キムチはロープを乗り越えると軽く身体をほぐし始めました。相手もロープを乗り越えて中に入りましたです。
しかし、キムチは不満気な表情をしています。
「おい!おっさんたち!俺を舐めてるのかだぜ!!おっさんたちなんか纏めてかかってきても負けやしねぇぜ!!」
「「「な、何だと、こらあぁぁぁっ!!」」」
キムチは一人では無く全員でかかって来るように言ったのでした。




