盗賊が現れた
「お早うございますです」
「「「お早うございま〜す!!」」」
「やあ、君たち。お早う、今日はよろしく頼むよ」
「はいです!!」
夜が明けて、僕たちはゼニゲバさんとの待ち合わせ場所である宿屋の食堂にやって来ました。ゼニゲバさんも同じ宿屋に泊まっていたみたいですね。まぁ、村人以外が泊まる場所はここしかありませんけど。
僕たちは軽く朝ごはんを食べて村を出ました。ゼニゲバさんから買った馬車に乗り込みました(村では馬は売れず、街で売る事にしたそうです)。
ーーーーガラガラガラガラ・・・ーーーー
ーーーードスドスドスドス・・・ーーーー
朝の森に馬車が走る音とロンギヌスが走る音がのどかに響き渡ります。ロンギヌスのドスドスと走る音が若干鬱陶しいですが・・・まぁ護衛役でもあるので多めに見ましょう。
「それにしても、そのゴーレムは凄いね」
「もちろんですよ。何せ、我が家に代々伝わるAFなのですから」
「馬と同じ速さに怪力、更に疲れ知らずか。馬車を引くには・・・って、馬車を引く以外でも色々な使い道があるね。全く、AFとは凄いもんだよ」
馬車に並走するように走るロンギヌス。馬車に付いてくるロンギヌスにゼニゲバさんは驚いていました。
「ところで街まではどれ位で着くのですかね?」
「そうだね。この速さだと、夕方くらいには着くかな。お昼前には森を抜けて、そこから先は草原だよ。そこを抜ければ『グスカの街』だ」
「へえ?結構、遠いのですね〜」
「これでも、近隣の村じゃ近い方だけどね」
などと世間話をして情報を引き出します。せっかくですから、グルメなどの情報も聞き出しますか。この国での美味しい料理の事を教えて貰うのです。
「あと、この国で美味しい料理はありますかね?元商人ならば知ってるのでは?」
「ん?グルメかい?そうだな〜・・・」
こんな感じでグルメな情報を引き出しました。さらにはその街の情報も話してくれました。
「確かに、あの街のごはんは美味しいんだけどね。そこを納めている貴族が最低なんだよ。高い税金に平民をゴミのように扱うし・・・出来れば行きたくないな」
「あ〜、いますね。そんな貴族が・・・」
・・・などなどの情報を入手しました。しかし、暇ですね。確かにのどかなんですけど、刺激がないのも飽きて来ました。
僕も馬車の中で寝ますかね?チャンコたちは馬車の中で布団を敷いて寝ているようですし・・・。そう思っていた時でした。
「ひゃっはーーっ!!貴様ら、身包み全て置いて行け!!ひゃっはーーーーーーっ!!」
「「「「「ひゃっはーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」」」」
森の茂みから次々と盗賊たちが出て来ました。どうやら、既に囲まれているみたいですね。
「ひいいいいいいいいっ!!また、盗賊が出たぁぁぁぁっ!!」
盗賊たちを見たゼニゲバさんはすごく怯えています。だから、小太りのおっさんが怯えていても気持ちの悪いだけですって、需要は皆無ですよ。
いや、それよりもこの盗賊たちは馬鹿ですか?このロンギヌスが見えていないのでしょうか?
「へえ?盗賊って朝が早いのですね?僕、昼まで寝て起きたら恐喝して物資を奪うイメージしか無かったですよ」
「ひゃっはっはっ!うちの盗賊団は自然への感謝を日課にしているのさ!!天気の良い日は日光を浴びて、雨の日は行水して楽しみ、その日の収穫を祈るのさぁ!!」
「おお、それはそれは・・・。人から物資を奪ってやりたい放題、気の向くままに日光浴を楽しむと・・・ある意味、健康で羨ましい生き方ですね〜」
「ひゃっはははっ!!そうだろ、そうだろ?むっちゃっ楽しいぜぇ!!」
ゲラゲラと笑う盗賊団。全く、本当に好き勝手に生きているみたいですね。まるで害虫です、憎たらしい奴等ですよ。お前らの自由の為に生じた、他人への被害をまるで気にしていないのですから・・・これは同情はいらないですね。
「でも、それも今日までですけどね」
「・・・あんだと?」
「お前らには、こいつが見えないのですか?本当にお馬鹿ですね」
僕は余裕の表情でロンギヌスを指差します。それに対しての盗賊団の反応は・・・。
「馬鹿はお前らだ!さあ、来い!!」
「「え?」」
盗賊団の親分(推定)はパンパンと手を叩きました。すると奥から三体のゴーレムが現れたのでした。何で、いっかいの盗賊風情がゴーレムなんか使役出来るのですか!?
「ひゃっはーーーーっ!こいつらは出資者様から貰ったもんだ!!俺たちは収益の一部を出資者様に貢ぐ事で、こんな素敵な部下を貰ったのさ!!しかも、昨日の夕方にな!喜べ、貴様らは実験台だ!!こいつを手に入れた俺たち盗賊団は最強ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
・・・何か盗賊団の内情をペラペラと喋ってますよ?有り難い事この上ないですが・・・まさか、もう勝った気でいるのですかね?
「ふん!そんな中古ゴーレムなんか、ロンギヌスの敵では無いですよ!!数が上なら何とかなると思いましたか?性能はロンギヌスが段違いですよ!!やれ!ロンギヌス!!」
『・・・ラジャー』
そう、ロンギヌスは邪神様から貰った超高性能のオーバーテクノロジーゴーレムです。こんな、鉄くずの寄せ集めで作ったようなゴーレムに負ける訳ないです。ちなみにロンギヌスには話かければ返して来ますよ。単純な応答と機能の説明くらいしか、出来ませんけどね。
『フィンガーバレット・・・発射!!』
ロンギヌスが攻撃体制に入ったようですね。ロンギヌスが手を前に突き立てると指がカチッと外れて、その後には穴と言うか銃口が空いていました。そして・・・。
ーーーーズガガガガガガガガガガガガッ!!ーーーー
・・・放たれる弾丸。その連射は盗賊団のゴーレムをあっと言う間にスクラップに変えました。カッコイイですよ!ロンギヌス!!
「「「「「ばっ、馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」
そんな光景に盗賊団は驚きの叫びを上げました。さぁ、次はお前らだ・・・ですよ。
「さぁ!死にたくなかったら大人しく投降するですよ!!」
「くっ。し、仕方ねぇ・・・」
「そうですか、あくまで投降しないのですね?・・・やるですロンギヌス!!電撃発射!!」
「え?ちょ、ちょっと待て!俺たちは降参・・・」
ーーーービバババババババババババッ!!ーーーー
「「「「「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」」」」」
ロンギヌスの目から電撃が放出されました。電撃を浴びた盗賊団は真っ黒焦げになり、頭はパンチとなっているのです。
「お前らは、そうやって降参した人たちを一度でも許した事があるのか?・・・です。ただ、言ってみただけですよ。身を持って味わうのですよ」
「「「「「アガガガガ・・・」」」」」
これにて、盗賊団はあっさりと返り討ちにあったのです。
しかし、盗賊団は先ほど聞き捨てならない事を言ってました。『出資者』ですか?どうやら、街でも一波乱ありそうですね。
そんな予感がビリビリとしましたですよ・・・電撃なだけにです。




