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俺がふざけて作った育成モンスターが異世界に落ちた  作者: 夜逃げ丸
第3章〜毛玉たちの旅立ち〜
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〜〜異世界 パープン共和国 とある商人視点〜〜


ーーーーガラガラガラガラーーーー


馬車が全速力で走る音が響いている。


「ひゃっはーーーーっ!!待て待てぇ!!ひゃははははははははっ!!」

「ひいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」


私は今ピンチを迎えていた。


私の名はゼニゲバ・・・行商人である。商品は分野を問わず武器や薬、日用雑貨までと様々な物を取り扱っており、いつかは大商人になると言う夢を持っている。


私は行商人として、拠点としている街と近隣の村を往復して買い付けや販売を行うのだ。しかし、今回は運が悪かったと言わざるを得ない。


街で雇った冒険者の護衛パーティがドタキャンされたのだ。なんでも食中毒に当たったらしいとか・・・こっちからしたらいい迷惑である。もっと、衛生に気を付けて食事しろと言いたい。あの冒険者たちには冒険者ギルドで、違約金をたっぷりと請求してやるぞ。


話は戻るが、ドタキャンされたのが行商に行く前日だったのが問題だった。商品の中には足の速い(期限が短い)のもあるのだ。


私は一人で行商に行く危うさを知っているつもりでいた。しかし、今まで何度も通った道中で盗賊などに会った事も無かった。だから、『大丈夫。今回だけだ』・・・と一人で出発してしまったのだ。今思えば、浅慮な決断だとしか思えない。


・・・そして、そのツケが回って来たのだった。


「だ、誰かぁぁぁ!た、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「ひゃっはーーっ!一人なんてとんだカモだぜぇ!!襲ってくれって言っているもんだぁぁぁ!!」

「ぷぷぷ〜〜!お馬鹿な商人ちゃん、俺らのご飯になって頂戴よ〜〜・・・ゲラゲラゲラ!!」

「い、嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


そう、街を出て森に入り街から離れた時だった。盗賊に襲われたのだった。いきなり矢で追い立てられ、私は夢中で馬車を走らせた。


「おい!そっちに行ったぞ!!ひゃっはーーっ!!」

「おう!準備オッケーだ!!ひゃっはーーーーーっ!!」

「「「ひゃっはーーーーっ!!ひゃっはーーーーっ!!ひゃっはーーーーーーーっ!!」」」


ええい!『ひゃっはーーーっ!!』とうるさい奴等だ!!何がそんなに嬉しいのだ!!このモヒカン盗賊共が、人の不幸を嘲笑いやがって!!


・・・とそれどころでは無い。どうやら、私は盗賊たちの手の平にいたようだ。森の出口を見れば、そこには武装した盗賊どもが待ち構えていた・・・私は追い立てられたのだ。


「ど、どうか、命だけはお助けぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


私は馬車を止めて地面に跪いた。こんな人の努力を笑って掠めとるような人間の屑どもに頭を下げるなど業腹であったが、私はプライドよりも命を取ったのだ。何とぞ・・・何とぞ命だけはとプライドをかなぐり捨てて土下座をする。しかし・・・。


「ゲラゲラゲラ!ばぁぁかっ!!お前はここで苦しんで死ぬんだよぉぉぉぉ!!身体中を痛めつけられてなぁぁぁ!!精々頑張って俺たちを笑わせてくれよぉぉぉぉ!ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!!」

「そ、そんなぁぁぁぁぁぁっ!?」

「よぉし!まずは身包みを剥いでぇぇぇぇっ・・・と!!」

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


私はあっと言う間に身包みを剥がされた。そう、全裸にされたのだ。こ、これから一体何をされるのだろうか・・・悪い夢なら覚めてくれと、これほど願った事は無い。


ーーーーゴゴゴゴゴ・・・ーーーー


・・・そんな時だった。突然に空からそんな音が聞こえてきたのだ。私は思わず空を見上げた。するとそこには・・・。


「な、な、な・・・何だ、ありゃあぁぁぁぁぁっ!!」


そんな事は私が聞きたい。盗賊の一人が雄叫びを上げた。


『それ』はまるで筒のような形状だった。長細いツルッとした胴体に下側にはヒレ(?)のような物が付いている。さらには筒の下から火を噴き出しているのだ。こんな物、生まれてこのかた見た事がない。


「「「「「ひゃっっっ、はぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっっ!!」」」」」


それを見て盗賊たちは次々に逃げ出した。


そして、この場には私一人取り残されたのだ。私?私は腰が抜けて動けないのだ。だ、誰か!助けてくれぇぇぇぇぇっ!?


ーーーーズシィィィィィィィン!!ウィィィィン!!ーーーー


それはやがて思い音を立てて着地したのだった。さらには筒の一部がゆっくりと開いていく。こ、これは、まさか、乗り物なのかっ!?そして、中から毛むくじゃらの生物が・・・。


「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!く、来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


私は腰が抜けているにも、全裸であるにも関わらず、馬車に上半身の力だけで飛び乗る。これが火事場の馬鹿力と言う奴なのだろうか?


そして、私は急いで鞭を振るい馬を走らせる。そして、気付けば私も『ひゃっはーーっ』が移っていた。


幸運な事に、その生物は私を追っては来なかった。私は振り返る事もなく馬車を走らせる。幸い、盗賊たちに服と財布袋は取られたが馬と荷物は無事だ。


しかし、私の心は折れてしまった。もはや、商人としてはやって行けない。私は夢破れて、命からがらにその場から立ち去るのだった。あれは何だったのか?今となっては知る由も無い・・・。



〜〜〜〜〜(モツ視点)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



・・・何なんですかね、あの人は?到着すると小太りのおっさんがいて、僕を見るなりに奇声を上げて馬に乗って走って行きましたよ。


それに、全裸って、頭の可笑しな人なのでしょうか?それともこの国の風習ですか?まぁ、後者で無いことを祈りますか。僕は先程の頭の可笑しな人の事を考え無いようにしてロケットを出ました。


『宇宙人とでも思われたんじゃないか?宇宙人と言う概念があるかは知らんが。まぁ、それはそれとして・・・どうやら、無事に着いたようだな』

「邪神様!?死ぬかと思ったですよ!コンチクショウがっ!!」


頭の中から聞こえる邪神様の声。僕は当然に抗議をしましたが、邪神様はどこに吹く風です。今度、本体に会ったら覚えているのですよ!!


『おい、到着したぞ!お前らも行って来い!!』


邪神様がそんな事を言うと。僕の近くの空間に魔法陣が浮かび上がりました。


「やっと着いたのだわさ?」

「・・・他国なり」

「森の中じゃねぇか。あんま、変わんねぇなだぜ」


そして、魔法陣を通って次々に現れる毛玉たち・・・いや、ナベシキーズでした。今回は、初回と言う事で全員で来たようですね。


「お前ら!よくも、兄である僕を打ち上げてくれたでしかね!!」

「私はお兄ちゃんの事を信じてただわさよ?きっと、無事だって」

「・・・我もなり」

「俺も俺も。当たり前だろ?俺らの兄貴なんだからな!!」

「都合のいい時だけ『頼れるお兄ちゃん』にするなです〜〜!!」

「「「わ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」」


僕は逃げ回るナベシキーズを追います。しかし、三匹もいる上に素早いですね。


『おい、じゃれ合いはそれくらいにしとけ。それよりも、これからの話をするぞ』

「「「は〜〜〜〜い」」」

「ううう、まだ話は終わって無いですよ・・・」


邪神様は僕を無視して話を始めました。それはこの国の名前などや、この近くある街や村の情報でした。


この国の名は【パープン共和国】と言うみたいですね。僕たちのいた【レッドランド王国】から東に位置しており、亜人たちが多く住んでる商業国みたいです。ここから、森を出て少し行った所に村が、北に行き森を奥に進んで草原を抜けた所に、大きめの街があるみたいですね。


『では、君たちにはこれから設定を考えて貰います』

「「「「設定?」」」」


話を聞いていると邪神様から『設定』と言う言葉が出て来ました・・・何ですか、それは?


『お前らの魔物の姿で、普通に街や村に入れる訳ないだろ?認識阻害バッチで人間の子供にバケるんだよ。そして、その際には子供だけで旅をしているのに怪しまれ無い綿密な設定が必要なんだよ』


おお!なるほどです!!それなら、人して扱われますね。今までは魔物扱いでしたから、人として扱われるのは新鮮ですね。なるべく、いい設定を考えるとしましょう。


『では、まず・・・』

「「「「ふむふむ・・・」」」」


僕たちは設定を考えて行きます。他のナベシキーズの設定に疑問を持つ事もありましたが、そこはやんわりと否定して上げて完成していきました。


・・・いやぁ、人に会うのが楽しみですね!!


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