第2章エピローグ
本日は22時にも投稿予定です。
「・・・平和だな。あの戦いが嘘みたいだ」
俺はテレビから流れているニュースを見て呟いた。
あの学校が黒い霧に包まれた事件から三日がたった。俺は戻ってきた平和と言う物を満喫しているのである。
あれから、世間は騒いだものだ。学校の敷地に大穴は空いているわ、裸の筋肉男が磔になっているわ、巨大ロボットが飛んでいるわで様々な憶測が流れたのだった。
ちなみに、俺は学校の大穴はスルーして、裸のジョーは記憶を失っているだろうから知らん振りだ。モツたちは俺の扱いに憤慨していたが、食い物を買ってやったら誤魔化せた。欲望に忠実な奴らだからな。
色々とあったが今回はこれで一見落着と言う事だろう。
しかし、まだ完全に全てが終わった訳では無い。エルちゃんに取り憑いていた異空間の意思は10年前の残り香だからだ。即ち、この街でまたでかい歪みが起きていると言う事は、第二の異空間の意思が生まれかけていると言う事に他ならないからな。あと、封印した異空間の意思は海に捨てた。これで一安心。多分、二度と地上に上がってくる事は無いだろう。
これからは面倒だが、俺も少しは調べてみるかね。正義とやらに目覚めた訳では無いが、今回の件で少しは興味が出てきた。それに・・・。
「お兄ちゃん!何をしてるの!!ご飯出来たよ!!」
突如、俺の部屋に入ってきた少女。そう、それはエルちゃんであった。
「はいはい、今いくよー」
「『はい』は一回!本当にだらし無いなー、お兄ちゃんは・・・」
あの後、エルちゃんはうちに転がりこんで来たのだった。エルちゃんはプンプンと怒っているがすぐに笑顔に変わる・・・いやぁ、癒されるなぁ。女の子がいると実に華やかだ。
それとエルちゃんは異空間の意思に操られていた10年間の記憶を忘れているようであったのだ。実年齢は20歳だが、記憶が無ければ10歳だ。放り出したら、またあの組織とやらに捕まるだろうし、うちで匿う事にしたのだ。
一応、モツから貰った道具で戸籍や指名手配の経歴を消してはいるが安心は出来無いからな。存在を隠蔽する【認識阻害バッチ改】を渡している。この『改』ならば、異能力者の目も誤魔化る筈だ。
まぁ、最終手段としては異世界に行けばいいのだ。あの世界ならば、まっさらな人として生きられるからな。
「・・・全く。じゃあ、お父さんとお母さんが待ってるから早く来てね!!」
エルちゃんはパタパタと部屋を出て行く。
ん?以前に俺の両親は死んだとか言って無かったかって?死んでる事にしていた方が、ドラマっぽいだろ?よって、外に出るときは死んだようにしているのだ。ハッハッハッ!騙されてやんの〜〜!!
両親には俺とエルちゃんは兄妹であると言う記憶を埋め込んだので大丈夫。俺は制服に着替えて学校に出かける。
ーーーーキーンコーンカーンコーンーーーー
学校の予鈴が鳴り響き、急いで教室に入る。そして、そこには・・・。
「遅いぞ!先生の愛の飛び蹴りを受けるがいい!!」
「受けるか!愛の飛び蹴りってなんだよ!!気持ちが悪い!!って、言うかなんでいんだよ!?記憶喪失になった筈じゃないのか!?」
「うむ、いくつか記憶に穴がある。だが、貴様ら生徒の事を忘れる訳ないだろうが!!」
「「「せ、先生ーーーー!!」」」
・・・相変わらずの昭和ドラマのノリだ。クラスメートたちはジョーに纏わりつく。記憶喪失となった猛禽のジョーは、学校で未だに教師となっていたようだ。
記憶に穴あるらしく、俺に対してはちょっとウザい程度の反応しかして来ない事から俺の記憶は消えたままであるようだ。でも、いつ戻るかも知れんから、また薬を使うか埋めるか方法を考えなければならんな。
(・・・どうか、この平和が長く続きますように)
俺は柄にも無く窓から空を見上げて思う。
そして、スマホを取り出してモツの様子を確認したのだった・・・最近、すっかり忘れてたからな。しばらくはまた傍観に徹するか・・・と俺はモツたちを見ていたのだった。
第2章〜混乱?の邪神様〜
完




