異空間の意思
「喰らえ!ビームセ◯バー!!」
ーーーーブォン・・・ビシュウゥゥゥッ!!ーーーー
巨人機【エクスカリバー】の剣が光を纏う。いわゆる、ビーム◯イバーって奴だ。あのガン◯ムやスター◯ォーズでお馴染みな奴だよ。
ーーーーGAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!ーーーー
光の剣が巨大モンスターの腕を切り離す。モンスターは悲鳴をあげたのだった。しかし、まだまだだ。まだエクスカリバーの力はこんなモノでは無い。
「マジックバルカン発射!!」
ーーーーズドドドドドド!!ーーーー
エクスカリバーの肩からバルカン砲が火を噴く。
このバルカン砲は魔法の銃弾であり、異世界で手に入れた魔石を使用しているのだ。それにより、魔法属性を切り替える事が出来るのだ。
もっとも、一種の魔石が大量を占めているので、出来れば消費したい。魔石を集めるのも今後の課題である。
今、使っている銃弾は【大地の弾丸】。その弾丸は硬度を自由に変える事が出来、貫通性もある。あのビック・アントとやらから出た魔石を使用して作ったものだ。モツのおかげで大量にあるからな。
ちなみに魔石の類は万能窯で加工は出来ても生み出す事は出来なかった。魔法属性のあるアイテムの類は俺の力でも作れないようだ。
以前、魔剣なんちゃらを造ったがあれは、確かに火や水などを起こす事が出来るがアンデットなどに効果がイマイチだった。おそらくは俺のアイテムの火と、異世界魔法の火は何かが違うようだ。それらもおいおい調べて行こう。
ーーーーGUAAAAAAAAAAAAAAAAッ!?ーーーー
バルカンを嫌がる巨大モンスター。悲鳴が此処まで響いてきた。
「何で・・・何で負けてるの!?私の最強の魔物が!!」
エルちゃんは信じられないと言った顔で、エクスカリバーと魔物の戦いを見ていた。おそらくは、全黒い霧で造った魔物が負けているのが信じられないのだろう。
「見たかエルちゃん。これが絆、そして信じる力だ。モツたち、ナベシキーズが一つとなり俺に力を貸してくれたのさ」
「「「「どこがですか〜〜〜〜!?」」」」
・・・ちょっとうるさいな。今大事な対話の最中なんだぞ。よし、音声をOFFにして・・・これで雑音は出ないな。
「絆の・・・力?そんな、モノで・・・私が破れるの・・・」
「人は孤独には勝てない。毛利の三本の矢では無いが、協力と言うのは力を生み出すのさ・・・なんたらかんたら」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
聞いているのかいないのか?呆然としているエルちゃんの横で偉そうに、したり顔で絆(?)のなんたるかを語る俺。
もちろん、適当に言っているだけだよ?俺、コミュ症だから友達少ないしな。女の子を悟らせるシーンとか、カッコイイなと思ってやってるだけだから。
「さあ!エクスカリバー!!トドメだ!!」
「っ!?」
そんな事を話している間に、ボコボコにされる巨大モンスター。ロケットパンチで吹き飛び、レーザーにより、身体に穴が開く。もう飽きてきたし、トドメ刺すなら今だ。
「えーと・・・AB◯A→→・・・」
俺はコントローラにコマンド入力をする。古臭いだの、何処かで聞いたようなコマンドだとは思ってはいけない・・・ネタですよ。
コマンド入力が完了するとエクスカリバーは身体を大の字にする。鋼の身体に光が集まり初め、胴体の前で球体状のエネルギー弾を作り出したのだ。
「終わりだ!T・F・S(取り敢えず・吹き飛んで・死ねの意)!!」
圧縮されたエクスカリバーのエネルギーが放たれた。それは宇宙戦艦の主砲のように、破壊の光線となる。その一撃は、真っ直ぐに巨大モンスターにぶち当たった。
ーーーーOoooooooooooooooooooooooooooooooッ!!ーーーー
エネルギーは破裂し、巨大モンスターを中心に光の塔が立つ。光が止むと、そこには巨大モンスターの跡形も無くクーレターだけが残っていた。
その光景を見た全ての者は口をアングリと開けていたのだった・・・俺も含めて。まさか、こんなに威力があるとは思わなんだ。もし、異空間が開けてクーレターが残っていたらどいしよう。いや、異空間が消えれば、元どうりになっていると信じよう。
見れば、学校を包んでいた黒い霧はエクスカリバーの光によって散ったようだ。異空間とやらが薄くなっていた。
「おのれぇぇぇ・・・おのれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!何なのだ、これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「え、エルちゃん?・・・むっちゃっ怖いんですけどっ!?」
俺はエルちゃんが怨嗟の声を出しているのを聞いた。それは子供の声などでは無く、禍々しさに満ちていた。聞くだけで震えがくるほどの怒りの声だ。エルちゃんの身体は黒い霧に包まれ、その目は魔物たちのように赤く光っている。まるで操られていた生徒たちのようだ。
その声に俺は今までのエルちゃんでは無いと感じていた・・・いや、勘なんだが。と言うか口調が全然違うんだけどな。
「・・・お前が異空間の意思か?」
・・・などと聞いて見る。外れていたら恥ずかしいな。
「よくも・・・よくも我が悲願を潰してくれたな!!ただでは済まさんぞ!!」
・・・聞けよ俺の話。そして、『我が』とか言っちゃってるし。エルちゃん(?)は俺の質問を無視して怒りの言葉を吐き、黒い霧のオーラを纏って、俺を睨みつけている。
「どう済まさんのは知らんが・・・お前の存在は俺にとって邪魔だ!事情は後で聞いてやる!!喰らえ!【封印の玉『改』】!!ポケ◯ン!ゲットだぜ!!」
俺はアイテムボックスから、ある物を取り出した。そして、それをエルちゃんに投げつけたのだった。
「ぬ、ぬおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?な、なんだこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
そう、これはイビル・フェアリーを封印したあの玉だ。しかも、改良品である。ラノベ読者を舐めるなよ。公園で正体を現した時点で本体が黒い霧、もしくはそれを操る核的な物かと言う予想はついていた。
ならば、破壊するか封印するかの二択。どっちでもいいように備えて置くのは当然だ。対黒い霧用の封印系アイテムを造ったのである。
そして、同じネタかよ・・・と思ってはいけない。俺はモツとは違う。生かして捉えてジワジワと苦しんで貰うのだ。決して楽には殺さんからな。調べ尽くした後に、生きたまま海の底にでも沈めてやるから覚悟しやがれ。
「グワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ・・・・・・」
異空間の意思(?)とやらは、黒い霧の大半を消し飛ばされて弱っていた。弱ったモノを玉で捕獲するのは基本中の基本。残っていた黒い霧は完全に吸い込まれた。
ーーーードサリ・・・ーーーー
黒い霧が消えるとエルちゃんは力無く倒れた。俺は近寄って息を確かめる。うん、生きているな。
「・・・さてと帰るか」
俺はエルちゃんをおんぶして家に帰ることにした。それと同時に異空間が完全に消えた。異空間が消えた事でエクスカリバーが完全に観衆に晒されたが、もう後のことは後で考えることにする。エクスカリバーは山にでも消えた事にしておけばいいか。
「はあ・・・前途多難だな。流石の俺も困惑中だぜ」
俺は磔にされたままの猛禽のジョーに記憶を消す薬を飲ませるとそのまま放置する。多分、ここ数日どころか何ヶ月分の記憶が消えた筈だ。
そして、コントローラの音声をONにして、モツたちに山に消えるよう伝えたのだった。実はモツたちに操縦を委ねる事も可能であった。今回は、俺がカタをつけたかったと言う事で納得してもらうさ。




