三色の毛玉
〜〜異世界 モツ視点〜〜
「あ〜・・・疲れたですね〜」
「本当ね」
「全くだな」
「くわあぁぁ・・・」
「早く、兄さんに会いたいな・・・」
「そんな、お姉さま!私たちが居るのに!?」
「そうだよ!今日も一緒に寝ましょうよ!お姉さま!!」
・・・時間は少し前に遡りますです。ちなみに双子さんの発言は気にしないで下さいですよ。
僕たちは一泊二日であった筈の学年遠足をもう一泊して戻って来たのです。え?何故、もう一日増えたのかですって?そんなのあの騒動の後始末ですよ。
ビックアントの素材が大量過ぎるほど出てしまったので、僕たちも素材解体に付き合わされたのです。素材解体は時間との勝負です。あっと言う間に鮮度失われますからね。
そんなこんなで、学生総がかりでひと段落して学園に戻って来たのでした。
「ただいまです〜!!」
僕はアイアン寮のドアを開けて中に入ります。すると・・・。
「お帰りだわさ」
「・・・お疲れ」
「やっと帰って来たか!!」
玄関フロアに僕に似た毛玉たちが居たのですよ。あれ?おかしいですね〜、疲れ過ぎて幻覚でも見ているのでしょうか?
「モ、モツが沢山!?どう言う事なのっ!?」
「グワァァァァァァッ!?」
「え?皆さんも同じ幻覚が見えるのですか?不思議な事もあるんですね〜?」
どうやら、皆さんにも幻覚が見えているようです。まぁ、皆さんもお疲れですからね。今日は早めに寝るのがいいでしょう。
「お兄ちゃん、私たちは幻覚じゃ無いだわさ」
「・・・実体なり」
「そうだぜ!馬鹿な兄貴だな」
何と会話まで可能とは!?何と言う高度な幻覚なのでしょうか!?・・・って、ま、マジで幻覚では無いのですか!?
「あ、あなた達は一体?」
ブランさんは恐る恐る毛玉たちに話しかけたのでした。そしたら・・・。
「私はチャンコだわさ!!」
ピンク色の毛玉は名乗りました。この子の人格は女の子なのでしょうか。パッチリお目々に活発な性格のようです。頭にはリボンをつけてます。
「・・・我が名はスキヤキ」
何か厨二な話し方をする緑の毛玉。眼鏡を掛けており、無意味に眼鏡を光らせてます。何処と無く理系みたいですよ。
「俺様はキムチだい!!」
最後に頭に赤い鉢巻をした黄色の毛玉。はて?キムチなのに黄色ですか?何処と無くシックリ来ませんが・・・触れない方が良いですね。何となく熱血漢な性格のようです。
「「「三匹揃って・・・『三鍋三兄弟』!!」」」
ーーーーババーーーン!!ーーーー
そんな三匹は各々でポーズを取り名乗ると、そんな効果音が玄関に響きました・・・って、ちょっと!?さっき僕の事を兄と呼んでおいて除け者にするのですか!?
『くくく、これで顔合わせは済んだようだな』
「そ、その声は邪神様!?こ、これは一体どう言うことですか!?」
驚いていると邪神様の声が聞こえました。ああ、そう言えば、効果音とか邪神様の仕業でしたね。久しぶりの機能だったので忘れてましたよ。まぁ、それはともかく。僕は邪神様に問いただしたのですよ。
『うむ、こいつらはお前のコピー・・・いや、兄弟だ』
「ちょっと!コピーって何ですか!?僕に一体、何をしたのですか!?」
『お前自体には何もしていない。ただ、こっちに残っていたお前のデータを複製、改造してそっちに送っただけだ。ちょっとした実験だったが、そのデータたちはお前のように生を受けた。全く・・・不思議としか言え無いな。完全に新しいデータで送ると、そちらに送れず弾かれるのにな。やはり、モツベースで無ければ駄目なようだ』
なんか、邪神様は変な事を言っています。データを複製?改造?ヤバイワードが出て来ました。
「それはある意味で禁忌な実験なのでは!?それと僕のアイアンティーの崩壊ですよ!?僕の個性を返して欲しいです!!」
『ハッハッハッ!!』
「笑って誤魔化すなです!!」
おのれ・・・殴りたいですよ!!この暗黒邪神が!!
「お兄ちゃん・・・私たちを否定するのだわさ?わ〜〜〜〜ん!!」
「・・・悪鬼羅刹」
「酷すぎるぜ!!兄貴!!」
どうやら、三匹も会話を聞いていたようですね。ブーイングの嵐です。さらにはブランさんたちからも・・・。
「モツ。酷いこと言わないの」
「・・・お前、空気読めよ」
「最低ね」
「「サイテー!!」」
ううう、皆で僕を虐めるのですか!?むしろ、被害者は僕ですのに!!
『まぁ、遊びはそれくらいにしてだ・・・』
「僕のアイアンティーはその程度の扱いなのですか!?」
『実は今、俺は困っているのだ・・・』
「僕の方も困ってますよ!?」
それから、邪神様から色々な話を聞きました。エルリア?と言う少女の事や、異空間とやらの事を。どうやら、彼ら三兄弟はその対策の為に生み出したのとか。
「邪神様?別にわざわざ生み出さなくても、ルイさんたちに協力を頼めば良いのでは?」
そうですよ。ルイさんに双子さん、それにヒグラ先生は異能力者(?)ですよ。彼らに頼めば良いのではと言ました。すると邪神様は・・・。
『俺は基本的に人間と言うものを信頼していないのだ。特に付き合いの浅い奴らを信じろと言われて出来るわけ無いだろ?だったら、俺は俺の生み出したモノを信じるだけだ』
何と言う差別的発言。世界の九割以上は敵ですか!?邪神様、絶対友達が少ないでしょう?まずは歩み寄る事から始めましょうですよ。それとも、過去に何かがあったのですか?いや、多分引き篭もり故の人間不信でしょう。
『何か、その顔腹立つな。お仕置きされたいか?』
「いえいえ!僕は絶対友達が少ないでしょうとか考えて無いですよ!!本当ですよ!!」
『語るに落ちてるな。まぁ、いい。そんな訳でだ。早ければ明日にもエルちゃんと戦う事になる。準備をしておけ、いつでも戦えるようにな。アイテムは大量に送っておくぞ。それとあいつらにある程度の訓練をさせておけよ、お兄ちゃん』
む〜・・・お兄ちゃんですか。そう言われるとやぶさかでは無いですが・・・分かりましたよ!やればいいのでしょ、やれば!!やってやるですよ!!
そして、その日は寝て明日に備えました。次の日は軽く戦闘訓練を行い。そして、ついに時は来たのですよ。
「さあ!行くですよ!!兄弟たちよ!!」
「はいだわさ!!」
「・・・任務を遂行する」
「腕がなるぜ!!」
いつか、邪神様がピンチになった時の為に渡していたアイテムを邪神様が使用したようです。僕の部屋に異世界への魔法陣が出来ました。これで後は飛び込むだけです。
全く、魔物使いが荒い邪神様ですね!また、高いお土産を頼むですよ!!そんな訳で、僕たちは邪神様を救出する為に異世界へと飛んだのでした。




