巨大化プロテイン
『ぐびゃ、あびゃがらけだらだばびっ!!ば、馬鹿なぁぁぁぁぁぁっ!?』
「くくく!弱い!弱過ぎるですよ!!」
只今の僕は調子に乗りに乗っておりますです。
それもその筈、ゴリラの魔物へと変身したプロテイン。パワーアップして強くなっている筈のプロテインを僕が圧倒しているのです。それはもう、清々しいくらいに。
『おのれぇぇぇっ!!』
「ふん!ス◯ー過ぎて、欠伸が出るですよ?おりゃあ!!」
『がふぅぅっ!!』
力任せに攻撃してくるプロテインの拳を躱して、ガラ空きになった腹にパンチを入れます。しかし、まだまだ終わりませんです。
「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタッ!!」
『ぐああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
北◯の拳並みに拳を叩きこみます。あまりの攻撃の嵐に悲鳴をあげるプロテイン。
「トドメですよ!モッくんアッパー!!」
『ウゴォッ!?』
最後にプロテインの顎にアッパーを入れて突き上げるように拳を捻り込むように打ちました。まともに受けたプロテインは宙に浮かび大地に背を付けたのでした。僕はプロテインを背に声を掛けました・・・おお、何とカッコイイのでしょう。
「・・・さあ、これで分かったでしょう?プロテイン、お前は僕には勝てませんです。降参して女王蟻たちを解放するです。そうすれば、命までは取りません。全裸にひん剥いた後、お◯りの穴に棒を突っ込んで、ぐちゃぐちゃになった情けない顔を写真に残して王都にばら撒くくらいで許してあげます」
「それ、全然許してねぇぞ!?しかも、社会的に抹殺されるような物じゃねぇか!!」
僕の発言にリックさんが突っ込みを入れました。だから、言っているでしょう?『命』だけは助けてあげますと、誰に喧嘩を売ったのか、その戒めを身体と心に刻み込むのです。
『・・・フフフ・・・』
そんな時、不気味な笑い声が聞こえたのです。声のする方を見るとプロテインが立ち上がり、笑っているでは無いですか・・・実に不気味と言うか気持ち悪いです。
「・・・どうやら、やられ過ぎて『M』に目覚めたようですね。もはや、哀しい事ですが再起は不能でしょうね。いいでしょう、引導を渡してあげます。変態は死すべしです」
「命までは取らないんじゃ無かったのかよ!?」
リックさんの突っ込みを無視して僕はトドメを打つべく一歩を踏み出しました。しかし・・・。
『・・・フフフ、貴様ノ力ハソノ程度カ?』
何と、逆に笑われてしまったのです。先ほどまでボコボコにされていたのは、何処のどちらさんですか?全く、懲りない人ですね。
「・・・おい、モツ。何かさっきとは様子が違うぞ?なんつーか、魔物に近づいてるって言うか。人間を完全に辞めたって言うか・・・」
「何、見掛け倒しですよ。僕には頭がハッピーになって、自分が最強であると勘違いしているように見えますです」
「どっから出てくんだ、その自信は!?相手を舐め過ぎて逆転される小悪党か!?おい、何か変なフラグ立つから相手を舐め過ぎるなよ」
全く、心配性ですね。リックさんは、こんな死に体も同然なプロテインに何が出来ると言うのですか。まあ、いいです。遊びはこれくらいにしておきます。
さあ!天に召されるですよ!!プロテイン!!お前は強敵として僕の心の中で生き続けるのです!!
『フフフ・・・コノ愚カ者ガアアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!』
「「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」
何と踏み込みの瞬間にプロテインは大声を張り上げました。そして、ゴリラ状態の筋肉がさらに膨張し、身体が更に数倍の大きさへと巨大化していったのです。
『コ、レガ、最、キョウト、ナッタ俺ノ筋肉、ダ・・・・・・・・・』
プロテインにはもはや理性など残されていないのでしょう。声も切れぎれにしか聞こえません。完全に暴走し、目につく物を破壊するだけの化け物に成り果てたのでした。なんと、哀れな姿でしょうか、これが力に・・・筋肉に固執し過ぎた者の末路というわけですか。
「見掛け倒しです!喰らえ!!フルパワーの魔法波です!!」
僕の手に魔力が集まり、あらゆるものを壊す破壊の力へと変換されます。その一撃はまるで一筋の流星のように巨大化プロテインに放たれたのです。
『グオォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
「な、なんですとぉぉぉぉっ!?」
しかし、その一撃はあっさりと弾かれたのでした。何と硬い剛毛ですか!?さっきまでの比ではありませんです!!
『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!』
「「ひえええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」
理性の無い巨大化プロテインは僕たちなどまるで眼中にないようで暴れまわります。僕たちは逃げ惑いながら走りました。
「・・・な、何とか助かったですぅぅ〜!!」
眼中にないのが幸いです。あっさりと逃げる事が出来ました。あんなのに踏み潰されたら一貫の終わりですよ。
「『助かったですぅぅ〜』・・・じゃないわよ!!」
「おや?ブランさんたち、無事だったのですか!?」
「まぁね。あいつが変身したら、蟻たちが退いていったわ」
いつの間にか背後にブランさん、ルイさん、双子さんがいました。
なるほど、変身をすると蟻を操れなくなるのでしょう。よって、蟻たちは破壊そのものと化したプロテインから本能的に逃げ出したんでしょうね。
「それよりも、何なのよアレは!?なんでプロテインがあんなになるのよ!?」
「・・・きっと、そう言う運命だったのですよ」
「そんな運命あってたまるか!!適当に片付けるな!!」
「そんな事よりも今はあいつをどうにかしなくては・・・」
「「「「誤魔化すな!!」」」」
うーむ、何か良い手は無いでしょうか。僕はアイテムボックスを見て考えました。今回、邪神様の助けが殆ど無かったですからね。貰ったものは女王蟻を特定する為のレーダーに・・・あ、あれがありましたです!!
「皆さん!奴を倒す事の出来るアイテムがあったです!!」
僕はアイテムボックスから『水道の蛇口』見たいなものを取り出しました。
「・・・何それ?」
「【無限蛇口】と言うらしいです。これを捻ると蛇口から水が出るです。しかも、無限にですよ。これを捻ってあいつの口に投げ入れるのです!!」
「それって・・・うぷっ!?やめて、想像しちゃたじゃない!!」
まあ、やがてお腹がパンパンに膨れて、やがては・・・うぷっ!?見たくない光景です。グロは嫌いですよ!!
ちなみにこれは最終手段として蟻の巣を水没させる為に邪神様から貰った物ですよ。何が役に立つか分かりませんね。
これにはタイマー機能が付いていて爆弾のようにタイマーをセットして、数秒後に水を噴出する事も出来るです。また、無限の量と言いましたがタイマー式を採用し設定した時間だけ水が出続けるです。これが邪神様仕様と言う奴ですよ。
「仕方ないじゃないですか、他にアイデアがないですし。いつかの巨大化薬もありますが、あいつ凶暴そうですし、こっちの方がお手軽に倒せそうですし」
「「「「こいつ、安直な方を選びやがった!?」」」」
これで作戦は決まりです。僕はマントで空を飛び背後からプロテインに近づいていきました。後はこっちを振り向いた時に口の中に投げ入れるですよ。
「とりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ついに、その時は来ました。暴れまわっていたので呼吸は荒く口は開きっぱなしになっていました。僕は蛇口を捻るとプロテインの口に放り込んだのでした。
「・・・これで任務は完了です」
後はプロテインのお腹が膨れるまで待つばかりですね。あんまり、見たくない光景ですけど・・・そんなこんなで大勝利に終わりました。
プロテイン、力では勝てない物がこの世には存在するのですよ。あの世で骨身にしみるのです!!はっはっはっ!!




