変身
「リックさん、卑怯過ぎますよ。と言うか、居たのですね?」
リックさんの連続卑怯攻撃により、大地に倒れ伏したプロテイン。プロテインの頭からは殴打による出血で大地を汚しています。
そして、何故か突然に現れたリックさんに僕は問いかけました。
「ふっ、卑怯?こいつは俺たち生徒を抹殺しようとしたんだろ?人生は生きるための戦いだ。生きようと足掻くことに卑怯も汚いもないのさ。ああ、それと実は大量の蟻たちが出てきた少し前くらいからいたんだ。だから、話は聞いていたよ。全くとんでもない奴だな」
「その割には『積年の怨み』とか言ってましたけど?」
「こいつには、学園で剣の修練とか言って色々と扱かれたからな。しかも、ただの使いっ走りで・・・俺以外にも怨んでいる奴は沢山いたな」
そんな人を教師として採用した学園って・・・人で不足なんですかね?
まぁ、それはともかく。これで邪魔者は消えました。後は捕らえられているであろう複数の女王蟻を見つけ出して、蟻たちを止めるようにいえばいいでしょう。それで今回の事件は解決です。しかし・・・。
「ぐぅぅぅ、き、貴様らぁぁぁぁぁぁっ・・・」
「「あ、生きてた」」
プロテインを忘れていました。どうやら、少し気絶していただけみたいですね。気絶しているうちに縛っておくべきでした。
と言うか頭を割られて立ち上がりましたよ。頭蓋骨の強度って、確か壺くらいの硬さですよ。地面に思い切り叩きつければ割れる硬さです。意外と筋肉質のリックさんに殴られて立つとはどんだけタフなんですか?
「こ、殺してやる。殺してやるぞぉぉぉっ!!」
「え?初めから殺す気だったのでは?」
「楽には殺さん!残虐に!!身体の四肢を切り取って、苦しめて苦しめて苦しめてから命乞いさせて殺してやる!!見ろ!これがあの方から頂いた力だ!!」
プロテインは懐から小瓶を取り出すと飲み干しました。
「我が身が変身する姿。とくと見るがいい、そして絶望しろ・・・ふんっ!!」
「「なっ!?」」
ーーーービリビリィィィーーーー
プロテインが身体に力を込めると身体が膨張し、プロテインの着ていた鎧や服がビリビリと破けました。凄く気持ち悪いです。
「へっ!なんだ?鎧を脱ぎ捨てて身軽になる事が変身ってか?はん!とんだ見掛け倒しだな!!」
リックさんがフ◯ーザを前にしたベ◯ータみたいな事を言っています。しかし、奴の言う変身はこれからでした。
「かあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
プロテインが叫びます。そして、身体はどんどん大きくなっていき、先ほどの数倍の体躯へと変わったのでした。身体には硬そうな体毛が生え、その姿はまるで・・・。
「「・・・ゴリラ?」」
そう、まさに筋肉ゴリラでした。ですが、鋭い牙と爪を持っていて痛そうでとても凶暴そうです。
『素晴らしい!力が漲るぞ!!フハハハハハハッ!!さて、どうやって殺してやるかな?』
ゴリラの魔物と化したプロテインが血走った目で僕たちを見ます。しかし、それで怯える僕ではありません。
「ふん!その程度の変身で勝った気になっているとはちゃんちゃら可笑しいですね!!」
『何?』
僕はアイテムボックスからある物を取り出しました。
「変身出来るのが、お前だけとは思うなよです!!」
僕は取り出した物・・・スマホを起動しました。そして、僕の身体にあの装備一式が装着されます。ちなみにバルムンクはしまいました。
「じゃじゃーん!『ヒーローM2』見参ですよ!!」
そう、邪神様にお願いして貰った変身セットです。怪獣を相手にするならこの姿が一番でしょう。ちなみにヒーロー稼業は三日くらいで飽きたので久々の変身ですよ。
「さらに!!」
さらにアイテムボックスよりアイテムを取り出します。それは、いつかの学園ダンジョン第4層で学園長を圧倒したあのビタミンドリンク・・・【超人薬Z】です。
「ゴクゴク・・・ぷっはぁぁ〜〜。キタキタキターーですよぉぉぉぉっ!!」
超人薬Zを飲み干すと僕の身体からオーラが噴き出しました。久しぶりですねこの感覚は。今の僕だったら、誰が相手でも負けないです。
「・・・両方ともドーピングって。何の対決だよ」
リックさんが何か言ってますけど、薬でも何でも勝てばいいのですよ。
「さあ!行きますですよ!!はああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
『ふん!返り討ちにしてくれるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
そして、始まるゴリラと化したプロテインとの激闘。次回に続くです。




