学年遠足
「ふんふんふ〜〜ん。楽ちんですよ〜〜」
「グワァァ」
僕は今、ファーの背中に乗って山の中を歩いています。後ろからはブランさんやアイアン寮のみんながついて来ています。
「ほぉ〜ら、皆さん!休憩所までもう少しですよ!!」
「ちっ、お前はファーに乗っているからいいよな。それにしても遠足なんて面倒な限りだぜ」
リックさんは不満を言いながら、ブツブツと歩いています。
そう、今日は学園の行事で『遠足』に来たのですよ。朝から馬車に乗って王都に行き、そこからまた馬車と歩きで近場の村に移動しているのです。
ですが、『遠足』とは名ばかりです。なんでも、村で一泊二日目の【ビックアント】退治を行うとか。【ビックアント】はでかい蟻のモンスターで、放って置くと大繁殖して、周囲の生態系を荒らすそうです。まあ、一体一体は弱いそうです。ゴブリン以上、オーク未満といったところだとか。
それにしても、蟻ですか・・・あの日の事を思い出します。せっかく、作った僕の理想の部屋・・・お菓子の部屋に進入し、僕に纏わり付いていたあの日の事を。あの日から、蟻は大嫌いになりましたです。デカイ蟻?そんな気色の悪いものは出会って瞬間にデストロイですよ。
それはそれとして、学園と村が提携して定期的に行なっている行事らしいのですよ。生徒たちは村を中心に散らばり蟻共を狩るのです。
お昼に村について、今は蟻退治に山の中に入りましたです。
「グワ!グワァァ!!」
そんな時、ファーが鳴きました。うむ、どうやら蟻共を見つけたようですね。
「敵襲、敵襲ですよ!!」
僕は蟻の発見を伝えます。皆さんは即座に武器を取り出しました。戦闘準備を円滑に行うのは冒険者の基本中の基本ですよ。
「よし!先制攻撃です!!ファー、行きますよ!!」
「グワァァァァァァァァァァァッ!!」
「ち、ちょっと待ちなさい!モツ、ファー!?」
僕たちはブランさんの制止も聞かずに飛び出して行きました。今回はファーに乗っているので、バルムンクは無しです。もっとも、ドラゴンのファーだけでも、蟻共が数匹程度なら瞬殺ですけど。
でも、流石はドラゴンです。身体能力が伊達ではありません。レッドドラゴンなので飛ぶのが主体の筈ですのに、圧倒的な脚力でドスドスと地鳴りを起こして猛スピードですで駆けます。
「「「グキャ、グギャ、グギャギャギャ!?」」」
そして、森の奥に蟻の群れを発見。ファーはジャンプして頭上から蟻共を襲います。蟻共よ、大人しくファーの経験値になるのです。
それと彼らはエサではありませんよ。あんな蟻なんかよりも美味しいご飯を上げてますし、蟻の味を覚えたら嫌ですからね、お腹を壊しちゃいますよ。
「グワァァァァァッ!!」
「「「ギャワァァァァァァァッ!?」」」
所詮は蟻です。産まれたてとはいえ、ドラゴンの敵ではありません。鋭い爪で斬り裂き、尻尾で殴打・・・ほんの数秒で蟻共を倒してしまいました。将来が楽しみですね、圧勝ですよ。
そんな感じで夕方くらいまで蟻退治を続けました。ファーは強くて賢くて頼りになる子ですね。
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「いや〜、勝利の美酒は美味しいですね。ファー?」
「がおん!!」
無事に村へと帰還した僕たちは晩御飯を食べていました。
村には生徒たち全員は入れないとかで、ゴールドのクラスしか宿で寝ていないのです。僕たちは村の外でテントを張り、焚き木を囲んでいるのですよ。
そして、焚き木の前に積み上げられたビックアントたち。その量を見た村の皆さんは唖然としていました。その顔と言ったら・・・ぷくくく。
ちなみにアント素材は半分は村に卸す事になっているですよ。ちょっと、残念ですが学園との取り決めだから仕方ないです。
そして、晩御飯は当然に僕のバルムンク屋台バージョンの出番でした。これで、僕の信者を大量ゲットするですよ。
「こ、この味はあぁぁぁぁ!?」
「豚骨最高ぉぉぉぉぉぉっ!!」
「神が舞い降りたあぁぁぁっ!!」
バルムンクのラーメンを食べた方々はこの様に、叫び声を上げて大絶賛しています。その中には匂いに誘われて来た村人もいますです。そんな大人数でも大丈夫。何せ、屋台バージョンならラーメン限定ですが無限に作れますからね。よって大盤振る舞いをしてやりました。
・・・くくく、これで病みつきになる人が出てくる事間違い無しです。
ファーも屋台で作ったお肉たっぷり餃子を美味しく食べてましたしね。そっちは作るのにラーメンより時間がかかるので僕たち身内だけで食べてましたですよ。
さて、お腹も膨れた事ですし。僕も寝ましょうかね。明日も憎き蟻共を狩り尽くすですよ。
そして、僕はファーの隣で眠りにつきました。しかし、深夜。事件は起きたのでした。




