哀れな初代学園長
「皆さん!ボーナスルームを発見しましたです!!」
ここは第六層のアンデットステージのお城の中です。
ゾンビ、スケルトンたちのお墓(焼け野原)を抜けた僕たちは、お城にたどり着き、ミニもっくんを使ってお城を探索したのです。
そして、お城の最上階にて過去の探索時には閉まっていた分厚い扉が開け放たれている事が分かったのです。おそらくは、下層から順に解放して行くと言う条件を満たしたからでは無いでしょうか?
それに第六層のお城ですが、次の層への階段は地下にあるとの事です。わざわざ、城に登って探索するもの好きはあまり居なかったのでしょうね。罠が結構残ってましたから。ミニもっくんを使っての解除が大変でしたよ。
そんな訳で僕たちはボーナスルームに向かう為、お城を登り始めたのでした。
「・・・やっと、来たわね」
立ち塞がるアンデットや罠(停止済み)の罠を潜り抜けて、やっとボーナスルームの前にたどり着くとボーナスルームの前にはラブさんとガリバーさんたちが居ました。
「おや?ラブさんたち。よくボーナスルームの場所が分かりましたね?」
「馬鹿ね。このお城の上層はあまり探索されて無いのは皆んな知ってることよ。だから、あるとしたら、まずは上層から探すでしょ。そう考えて最上階に来たら、扉が開け放たれていたって訳」
おお!何と言う自明の理。まぁ、僕たちはミニもっくんのおかげで推測とかで行動しないで一直線でここまで来たのですが。それよりも、ラブさんたちを見ていて、少し気になる事が・・・。
「ところで、どうしてそんなボロボロなんですか?」
「「「「「貴様が、それを言うか!!」」」」」
何でも、外の墓場を探索していたら頭上から黒い物体が落ちて来たとか?それにヤバさを感じたラブさんたちは至急お城に逃げ込んだらしいのです。しかし、ギリギリで爆発の余波により服がボロボロになったみたいです。
「あんたでしょ?あんたよね!?あんな物を放るような大馬鹿は!?」
「そ、そんな濡れ衣です!僕たちは何もしていないですよ!!」
「「「「『たち』って、付けるな!!」」」」
「認めたわね。・・・それに、あからさまに目を逸らしている時点で犯人ですって言っているようなものよ。あんた、まるで成長してい無いわね」
そんな感じで一悶着あり、僕たちは揃ってボーナスルームへと入りました。すると・・・。
「きゃあーーーーっ!?」
「うおっ!?」
「な、なんだ!?」
ーーーーガタガタ!バタン!!スタタタッ!!ーーーー
いきなり、部屋に置いてあった棺桶が開いてそこからスケルトンが現れたのでした。いきなりの不意打ちに僕たちは対応が遅れましたが、スケルトンたちは僕たちに見向きもせず、走り去って閉まったのでした。
「な、なんなんですか、あれは・・・」
『うむ、良かろう。答え用では無いか』
「また出たですね!ハゲ親父!!」
答えなど返って来ないと思っていた疑問でしたが、予想外と言うか予想されていたと言うか・・・またしても、僕たちの思考を読んだような語り文句で初代学園長が出現しました。
『ようこそ。第六層のボーナスルームへ。ここまで来れるとは君たちは中々に優秀だな・・・』
語られるいつもの長話。もう、定番ですが面倒臭いことは変わりありません。しかも、いつもよりも長い気がします。さっさとミッションを教えろですよ。
『さて、今回のミッションだが・・・君たちは先ほど飛び出して行った者たちを見たかね。そう、あのスケルトンたちが今回のミッションに関係しているのだよ』
その一言で全員の顔が引き締まります。学園長はそれを見たかのように不敵に笑いました。
『そう・・・第六層のミッション。それはあのスケルトンたちを倒して、スケルトンの中に隠されている特製の魔石を持ってくる事だ!!』
な、なんと!それでは・・・。
『しかし、特別に居場所は教えて上げよう。今頃は外の墓場にいるゾンビやスケルトンたちの中に身を隠していることだろう。『木を隠すなら森の中』。数多のスケルトンたちの中から魔石持ちを見極めるのがこのミッションの課題なのだ』
な、なんですってーー!?・・・って、あれ?外の墓場?確か、外の墓場は今、バルムンクのナパームによってスッキリ状態ですよ。と言う事はこのミッションはかなり楽勝なのでは?外の墓場に残っているスケルトンを倒すだけなのですから・・・。
『そう、この長い話は時間稼ぎだったのだよ。くくく、君たちの悔しむ顔が目に浮かぶようだ。直接見る事が出来ない事が実に残念だよ。はっはっはっ!!』
外の状態を知らない学園長は愉快そうに笑います。挑発のつもりなのでしょうが、外の状態を知っている僕たちには全然悔しくも何ともありません、それどころか・・・。
「何と言うか・・・」
「哀れね・・・」
「初代学園長・・・おいたわしや・・・」
皆さんも哀愁漂う目で学園長を見ています。学園長は今も笑い続けています。
そして、『何?見分けられない?もっとヒントが欲しいのかね』・・・と、また話をし始めました。
哀れ、実に哀れです。普段はうざったいだけの長話ですが、今回だけは最後まで聞いて上げましょう。それは、ともかく・・・?
「・・・つまり、全ては僕のおかげと言うわけですね」
「「「「「違うだろーーーがっ!!」」」」」
その場にいた全員から、突っ込みを受けました。そして、学園長の長話は更に続くのでした。これにて、第六層はクリアです。




