事情説明
「ルイさん。何ですか、いきなり?」
リンダさんに仕返しをした次の日の事です。チェケラッさんと遊んでいたら、いきなりルイさんに呼ばれたのですよ。
呼ばれた先は僕の部屋です。ルイさんは入るなり鍵を閉めたのでした。
「・・・言わなければ分からないの?この子達の事よ」
ルイさんの隣には邪神様を襲った二人の少女がいました。
あ・・・忘れていました。どうやら、過去の僕がやって来て二人を置いていったようですね。さて、どうやって説明をしましょうか?でも、その前に・・・。
「あの二人とも、どうして僕をそんな目で睨んでいるんですか?もっと、にこやかにした方が良いですよ。せっかく、可愛い顔をしているんですし・・・」
二人の僕を見る目はとても怖かったです。フレンドリーにスマイルを要求して見たのですが、さらにガンをつけられました。
「どの口が言うのよ!私達をあんな目に合わせて置いて!!」
「そうです!それに何なんですか、あの落書きは!!落とすのに苦労したんですよ!!」
「それだけじゃないわ!久しぶりのお姉様との対面なのに、あの落書きの所為で私達だと気付いてもらえなかったんだからね!!感動の再会が台無しよ!!」
ピーピーギャーギャーと騒ぐ二人です。そうですね。ここは円滑に話を進める為に邪神様に落書きの罪を被ってもらいましょう。
「待ってくださいよ。あの落書きをしたのは邪神様です。僕は止めたんですよ、可愛い女の子の顔に落書きをするなと・・・でも、邪神様が自分に逆らう者は女であろうと許さないと」
「・・・確かに言いそうね」
「あ、あいつか〜」
「絶対に許しません・・・」
そして本人の知らぬ間に上がる邪神様への敵対心。流石はルイさんです。邪神様と面識がある方は納得をしてくれますね。邪神様、これが日頃の行いと言う奴ですよ。
「それで?貴方達どうやってこの世界に来たの?まだ、詳しい事を聞いて無いの」
「はい、お姉様!教えてあげたいところなんですけど・・・」
「実は私達も知らないんです。この魔物とあの男との戦いに負けたかと思ったら、いつの間にかこの世界・・・ひいてはこの部屋にいたんです」
そこで皆の視線が僕に集まりました。その視線に耐えきれず、僕は目を逸らしました。
「「「さあ、話なさい!!」」」
ううう、こ、怖いです。ここは正直に話をしてあげますか。
「・・・実は僕、また邪神様の世界に行って来たのですよ」
「やっぱりか。あのケーキを見た時から分かってたけどね。でも、どうしてこの二人がこの世界にいるのよ?」
「はい、この二人は邪神様を追い回していたようなのです。そして、返り討ちにしてこの世界にポイッと捨てたと言う訳ですよ」
「「私達をゴミみたいに言うな!!」」
二人は憤慨しています。まぁ、ゴミ扱いされたのだから当然でしょう。
「あいつを追い回してた?どうやってあいつを見つけたのよ」
「「はい、お姉様。実は・・・」」
二人はネットにアップされていた動画や邪神様との出会いなどを説明しました。
「動画ですって!?あいつ・・・そんな事をしてたの!?」
「・・・と言うことは、僕の活躍が世界中に流れているのですか!?サインの練習をしなきゃです!!」
「あんたは黙っていなさい!!」
ルイさんに怒られました。うう、動画ですか。僕の活躍を皆が見ていると言う訳ですね。これは、下手な戦いは見せられません。
「ちなみに既にお姉様のファンクラブが出来てます!」
「もちろん、私達が作りました。会長は私で、副会長はシロネです!!」
「おお〜!ネットアイドルと言う奴ですか〜。ところで、僕のファンクラブは無いんですか?」
「だから、黙ってなさいって!ね、ネットアイドル?私が・・・ダンジョンでの事が流れてたと言うの・・・」
ルイさんは顔を赤くしています。ハッハッハッ、いつになく可愛いですよ?これがギャップ萌えですかね。
「あいつ!今度会ったら、シメテヤル・・・」
ルイさんの目が殺伐としています。邪神様・・・殺されないように全力で逃げて下さいですよ。
「でも、私達・・・これから、どうなるの?」
「あ、そっか私達、異世界にいるんだっけ。帰れるのかな?」
「・・・クロネ、シロネ」
二人は不安げにルイさんを見ました。しかし・・・。
「・・・でも、この世界にはお姉様がいる!!」
「うん!そうだよ!!お姉様がいればどんな世界だって生きて行けるわ!!」
「貴方たち・・・強くなったのね。私が動機なのはなんか納得が行かないけど」
・・・二人はあっさりと持ち直しました。ポジティブですね。ルイさんは二人を温かい目で見ていました。
「あの〜・・・ルイさん。クロネさん?シロネさん?」
そして、そんな皆さんに僕は爆弾を落としたのでした。
「その・・・実は帰れるです。今回、邪神様の世界に転移ポイントを設置しましたので、もう帰ろうと思えば帰れますです」
「「「・・・・・・・・・は?」」」
その言葉を聞いた三人は石のように固くなったのでした。
今のシチュレーションは少し恥ずかしかったのでしょうね。おいしいシーンであったとだけ言っておきますですよ。




