騙されたです
「「「ありがとうございしたニャア!!」」」
「また来るですよ〜〜!!」
それから、しばらくして僕とブランさんは猫喫茶を後にしました。
あの借金取りたちは僕の出した金貨を手一杯に持って去って行きました。ブランさんのアドバイスにより、ちゃんと借用書も受け取ったのでこれでもう安心です。
・・・それと、報告がもう一つあるのです。
「お友達が増えたですよ〜〜!」
そう、あの喫茶店の猫店長さん・・・マリーさんと言うのですが、「まずはお友達から始めましょう」と言われたのです。
まぁ、始めはそんなものでいいでしょう。お互いを知り合い仲を深めて、やがては恋人関係になるのですよ。それと、お店のフリーパスチケットも貰いました。これでいつでもお店に行けますね。
何故か、ブランさんの僕を見る目が温かいのですが、いつでも喫茶店に行ける僕が羨ましいのでしょうか?
「ふんふんふ〜〜ん♪」
「・・・ご機嫌ね〜。そう言えば、気になってたんだけど、何処から手に入れたの?あのお金・・・」
「勿論、錬金窯で作せ・・・いえ、邪神様からお小遣いとして貰いましたのですよ」
「・・・とんでも無く犯罪臭がするわね。一応、言って置くけど錬金術で金を作るのは禁止されているのよ?この事は私たち以外には絶対に言わない事・・・解った?」
「了解です!バレなければいいんですよね!!」
「ちっとも解ってないじゃない!もう、作るなって言ってんのよ!!」
ブランさんは、頭を抱えている仕草をしました。そして、リンダさんとの待ち合わせ場所へとたどり着いたのでした。
「おや?あれは誰ですかね?」
「さあ?」
リンダさんは数人の男たちと親しげに話をしていました。僕たちに気づくと話すのをやめて、男たちは去り僕たちに手招きをしました。
「あの人たちは誰ですか?」
「ああ、私の冒険者仲間よ。たまたま会ったから話していたのよ。もう、ご飯は終わった?じゃあ、行きましょうか」
そう言えば、ご飯を食べに行ったのですよね。メインがマリーさんになっていたので忘れてたですよ。マリーさんの手作り料理・・・じゅるり、今度ご馳走して貰うです。
それから、大通りにある魔法道具取り扱い店と魔法書店に行きました。
「ん〜、中々いい本が無いわね。もう少し上のレベルのが欲しいのだけど・・・」
ブランさんはペラペラと本をめくって、感想を漏らしました。どうやら、お気に召さないようですね。
ブランさんの支援魔法の腕は最近さらに上がっているそうです。ブランさんは支援魔法に適性があったようですね。それに努力家ですから、すでに初級の支援魔法は完璧なようです。
「じゃあ、私の知ってる店に行ってみる?私は魔法は専門外だけど、魔法使いの仲間からは評判のいいお店なの」
「え?そうなんですか?ぜひ、お願いします!!」
「・・・こっちよ」
リンダさんについて行くと、裏道を通り進んでいきます。すると小さな魔法道具店がありました。何と言うか・・・ボロいです。
「ボロいですね」
「こら!失礼でしょ!!」
「あはは、気にしないでいいわよ。私も初めて来た時に思ったことだし。お婆さん〜!いる〜〜!?」
リンダさんが奥に声をかけると、この店の店主でしょうか?お婆さんが出て来ました。リンダさんは軽く挨拶をすると、僕たちをお婆さんに紹介したのでした。
「君はこの子の従魔かい?成る程、質の高い支援魔法が必要になる訳だね。そうだね。お嬢さんにオススメな魔法書があるよ」
「失礼ですよ!?僕を見て勝手に納得するなです!誰が弱そうですかっ!?」
「ほっほっほっ!」
この婆、また僕をチラ見すると再び笑い出したのです。バルムンクでも取り出してやりますか!?
「モツ、少し黙ってなさい。それよりも、いい本?オススメですか?」
「ええ、そうよ。ほら、これよ。少し古いけど、とても良い支援魔法が書かれているわ。何でも、著者はエルフのようよ。魔術理論が奥深くて為になるわよ」
「へえ?わっ、すごい!こんなに詳しく解説されてる!!」
ブランさんは本を受け取ると目を輝かせて夢中になって読み始めました。
「・・・ふむふむ」
それから、ブランさんは一心不乱に本を読み続けています。もう30分ですよ・・・流石に僕も飽きて来たです。
「モツちゃん、少しいい?・・・って何をしているのよ」
「あまりに暇だったので、太極拳をしてましたです。すぅぅはぁぁ〜・・・ところで、何ですか?リンダさん」
暇だったので太極拳をしていました。ふ〜は〜・・・何でも身体にいいそうですよ。暇潰しになるだけでなく、健康にも良い。まさに一石二鳥ですよ。
まぁ、それはともかくリンダさんが話しかけて来たのですよ。何の用なのでしょうか?
「はい。オヤツよ。この店のお婆さんがくれたのせっかくだから頂きましょうか?」
「オヤツですか?じゃあ、遠慮なく頂くですよ・・・もぐもぐ」
リンダさんはオヤツを持って来てくれたようですね。オヤツと言っても干し肉のような食べ物でしたが、それはいいです。不満があっても口に出さないのがマナーですから。
う〜ん、何と言うか硬くて塩っぱくてあまり美味しく無いです。それに何だか薬品臭いですよ。これは、保存料・・・の、味・・・でしょう・・・か・・・?
「・・・ちょろ。こんなにあっさり引っかかるなんて。人を集めた意味なかったわね」
リンダさんのそんな呟きが聞こえました。そうか、これは・・・睡眠・・・や、く・・・zzz。
・・・そして、僕の意識は闇へと落ちたのでした。




