イビル・フェアリー
『せっかくだ。ボス戦らしいBGMをかけてやる。派手に行けよ』
「ナ、何ダ!?コノ変ナ音ワッ!?」
邪神様の計らいで僕の周りにボス戦的なカッコイイBGMが流れ始めました。
「皆!あいつの相手は僕がするです!!皆さんはチャンスがあるならば、ブランさんを救出して下さいです!!」
「おう!任せとけ!!」
「分かったわ!!」
僕はリックさんたちにブランさんをお願いするとイビル・フェアリーの元へ向かいました。
あいつを倒さずには、間違いなくブランさんを助けられないでしょう。植物巨人はあいつがいる限り復活をする・・・それがお約束と言う奴ですからね。
そして、一方イビル・フェアリーはいきなり流れ出したBGMに驚いているようです。これはチャンスですね。
「隙ありいぃぃっ!!」
「ナッ!?コノ卑怯者メッ!!」
「油断する方が悪いんですよ〜〜!!」
接近してバルムンクパンチを当てようとしましたが、掠っただけで終わりました。ちっ、惜しかったですよ。
「オノレ、調子ニ乗リヤガッテ!!ナラバ、俺ノ真ノ姿ヲ見セテヤル!!オオオォォォォッ!!」
イビル・フェアリーは禍々しい魔力に包まれて行きました。
真の姿?まさか、変身するのですか?しかし、そんな変身を待ってやる程僕はお人好しじゃ無いですよ。あ、僕は魔物でしたか。なら大丈夫ですね。
「ミサイル発射です!!」
「ナッ!チョット待ッ・・・」
ーーーーチュドォォォォォン!!ーーーー
ミサイルが全弾命中したようですね。これも、真剣勝負。悪く思うなですよ。
「思ウニ、決マッテイルダロウッ!!」
「お前まで、僕の思考を読むなですっ!?」
・・・何と、ミサイルを全弾受けて生きていました。ノーダメージでは無いようですが、ジワジワと傷が塞がっていきます。洞窟では車形態の突撃にも耐えましたし、まさか不死身ですか!?
「ソノ顔、何ヲ考エテイルカ判ルゾ。ソノ通リ、俺ハ不死身ナノダ」
「嘘ですね。僕が考えていたのは、今日の夕飯の献立です。や〜〜い、大嘘付き〜〜〜!!」
「知レット、嘘ヲ付クナーー!!」
・・・バレましたか。怒ったイビル・フェアリーは魔法を放ちます。こんな攻撃避けるのは訳ないですが、不死身ですか。厄介極まりないですね。
『緊張感の無い戦いだな〜・・・』
「邪神様!何かあいつを倒す手は無いですか?あいつ、不死身ですって!?」
『聞いてたよ。でも、もしかしたら限界があるかもしれんぞ?』
「え〜、じゃあ、回復しなくなるまで攻撃するんですか?面倒ですよ」
『だったら無理に倒す必要は無いんじゃ無いか?そう、即ち倒さずに勝つだ』
邪神様、『倒さずに勝つ』ってどう言う事ですか。愚かな僕にはわからないです。是非、教えて下さいです。
「・・・と言うと?」
『つまり、封印しろって事だよ。洞窟とかに閉じ込めるとかして。まぁ、封印のアイテムとかなら出してやるけどさ』
「魔◯波ですか!!流石は邪神様です!!」
『だが、今は送れないな。あいつから放たれる攻撃魔法の嵐じゃ、奴に隙が出来ないとアイテムが送れん』
「なるほど。隙が出来ればいいんですね?ならば・・・おい!イビル・フェアリー!!」
僕はイビル・フェアリーに向かって話しかけました。
「何ダ!命乞イカッ!!」
「実はさっきからトイレに行きたいんですが・・・ちょっと待ってくれませんか?」
「『アホカ貴様ハーー!!』」
邪神様とイビル・フェアリーの声が重なりました。
「グッ!仕方ナイ、サッサト行ッテ来イッ!!」
『しかも、呑みやがった。アホか、こいつらは・・・』
「ありがとうです〜!!」
そして、僕は岩場に移動しました。
「さあ、邪神様!!封印アイテムを下さいです!!」
『・・・何か、馬鹿馬鹿しくなって来たんだが。フェアリーって馬鹿なのか?ほれ・・・』
そして、送られてくる封印アイテム。それは丸いボール状のアイテムでした。それが予備を含めて2つ送られて来ましたです。
これ、モンスター◯ールですか?まあ、封印出来るなら何でもいいです。それを持ってすぐに戦場に戻りました。しかし・・・。
「『・・・・・・・・・』」
「トイレハ、モウイイノカ?デハ、殺シアイヲ再開シヨウカ」
そこに居たのはイビル・フェアリーではありませんでした。何と言うか、黒いゴムみたいな塊に沢山の眼と触手が生えた気持ちの悪い生き物がいたのですよ。
「へ、変身したですか!卑怯者っ!!もっと様式美を考えるです!!」
「貴様ダケニハ、言ワレタク無イワッ!!」
キショい!?でも、何か外見からも凄く強そうですよ!?しかし、僕には邪神様から貰った封印アイテムがあります!!これを使えば相手の強さなど関係ありません!!
「喰らえです!モンスター◯ールっ!!」
僕は真イビル・フェアリーにアイテムを投げつけました。しかし・・・。
「フン。愚カナリ・・・」
ーーーーブォンーーーー
・・・と音を立てて消えてしまいました。当然、ボールは森に落下してしまいました。まさかの転移魔法ですか!?これじゃあ、当たらないですよ!?
「この!当たれです!!」
僕はミサイルを周囲全体に発射しましたが、何と言う事でしょうか、敵はヒュンヒュン消えて全てを回避したのです。
「今度ハ、コチラノ番ダナ・・・」
真イビル・フェアリーの沢山の眼に嫌な光が集まって行きます。これは、レーザーですか!?回避するです!!
「っ!?全力回避するです!!」
「・・・遅イ」
回避しようと上昇したバルムンク。しかし、敵は転移をして僕の前に先回りしたのでした。
『防御だ!早くしろ!!』
「は、はいです!!」
バルムンクの防御バリヤを展開するのと、同時に真イビル・フェアリーからレーザーが放たれました。
「ぐうううっ!?」
ーーーージジジジ・・・ーーーー
何とかレーザーをしのぎきりました。しかし、奴は、またレーザー攻撃を放とうとしています。
「れ、連続ですと!?」
「死ヌガイイ。愚カ者ヨ・・・」
・・・そして、再びレーザーが放たれようとした瞬間でした。
ーーーーピシャアアアァァァァッ!!ーーーー
「グッアアァアアァァァッ!?何・・・ダト・・・」
撃たれのは真イビル・フェアリーの方でした。放たれたのは雷の槍。これ・・・見覚えがあるですよ。この魔法は、確か・・・。
「ふん」
「ラブさん!?」
ラブさんが応援に来てくれていたです。森の影からラブさんが雷の槍で真イビル・フェアリーを撃ち抜いたのでした。しかし、なぜ奴は転移をしなかったのでしょうか?
『簡単な事だ。流石の真イビル・フェアリーも攻撃の瞬間は転移が出来ないと言う弱点があったんだろうな。ラブはそこを突いたんだろう』
おお!そう言う事ですか!!ナイスアシストですよ!!しかも・・・。
『雷に撃たれて麻痺している今がチャンスだ。やれ!モツ!!状態異常にモンスター◯ールはお約束だぜ!睡眠状態ならば、なお良かったんだがな!!』
「はいですっ!喰らえぇぇぇぇぇぇっ!!」
僕は全力でボールを放ちました。僕が投げた封印ボールは見事命中しました。するとボールは光を放ちます。
「ナ、ナ、何ダ、コレハァァァァッ!?身体ガ、吸イコマレ・・・アアアァァァァァァァァッ!!」
その光に巻き込まれるかのように、真イビル・フェアリーは断末魔と共にボールに吸い込まれて行きました。そして、ボールは緩やかな速度で大地に落ちて行きます。
そして、残されたのは沈黙とバルムンクに乗った僕だけです。
「僕たちの・・・勝利です!!」
ーーーーパンパカパーン!!ーーーー
そして、僕の勝利宣言とファンファーレが裏山に響き渡ったのでした。




