植物モンスター
「うわ〜・・・。ウヨウヨいて、気持ち悪いです」
「・・・全くね」
学園長より、ゴールドクラスの救出指令を受けた僕とブランさん。
僕たちは裏山の奥に行く前に探索用のマジックアイテム【ミニもっくん】を数体先行させて、奥の様子を確認していましたです。
ちなみに【ミニもっくん】はメカメカなボディに僕を模した姿の小さな(野球ボール大)機械人形ですよ。体格を活かした侵入はお手の物、小さいので敵に見つかる可能性が低いのです。
彼らの見た映像は僕のスマホ型コンピュータに送られるのですよ(あの変身機能を持ったスマホの追加機能です)。うん、ハイテクってやつですね。
「でも、あの植物モンスター。姿から大体、3種類くらいに別れてるみたいね。あんなモンスター見た事ないけど・・・」
送られた映像に映る奥の様子。木々の生い茂る山の中に特徴的な型の植物が溢れています。すでに奥周辺はあの植物のパラダイスのようです。
確認すると、あの植物モンスターは3種類の姿がありました。
一番数が多く小さい身なり(僕くらいの大きさ)の種のような姿の【種型】。
その種から、成長中なのでしょうかニョキニョキと苗が生えており、人間と同じ位の大きさの【苗型】(以前、チェケラさんと遭遇したのがこのタイプです)。
そして、少数ですが木のような大きな姿で毒々しい謎の木の実が成っている【トレント型】がいました。
「さて、ゴールドクラスの皆さんは何処ですかね?養分になって無ければいいんですけど・・・」
「・・・やめて。一瞬、想像しちゃったじゃない」
あの植物モンスターの触手から、身体中の体液を吸われ干物になる姿・・・おぇっ、確かに想像すると気持ち悪いですね。
「よし!見つからないように奥に行くですよ!!」
【ミニもっくん】たちは見つからないように、金属の光沢を消して石に擬態して進んでいきます。そぉ〜と、そぉ〜と・・・。
「出来れば、こいつらの発生原因も確かめたい所だけど欲張り過ぎね。学園長から言われた通り、救出だけに専念しましょうか」
「了解です」
学園をでる時に学園長から、念を押されたのですよ。なるべく、戦闘を避けて救出に専念するようにと。作戦名『命を◯事に』で行くです。
さらに進んで行くと、洞窟のような場所がありました。その中から種型たちが出入りしています。怪しいですね、入って見ますか・・・。
慎重に歩を進める【ミニもっくん】。そろり、そろり、そろぉ〜り・・・。やがて、洞窟の天井が吹き抜けになっている場所に出ました。そして、そこには・・・。
ーーーーギギギギギ・・・ーーーー
外にいたモンスターたちよりも、更に禍々しい身なりに、小さな(僕よりも小さい)妖精のような魔物がいたです。しかも、なんかすごい禍々しいオーラを出しているですよ。
しかも、その場所には・・・。
「あっ!ラブさんです!!」
「こんな所にいたのっ!?」
ラブさんたちが蔦に縛られている姿が見えたのでした。しかも、下着姿で・・・。
『セクシー!!』
「・・・じゃないですよ!邪神様!!大変じゃないですか!?本当に干物一歩手前ですよっ!?」
ラブさんたちの周りには同じように捕まり、蔓から養分を吸収されている野生動物たちがいたのです。多分、肌から養分を吸いやすくする為に服を剥がれたのでしょう。酷いのになると、すでに干からびている状態でした。ぐ、ぐろいです。
「ら、ラブ・・・」
その姿を見たブランさんは立ち眩みがしたのでしょうか、がくりと倒れそうになりました。
『いや、おそらくはまだ大丈夫だろう。希望的な考えだが、あの養分摂取は時間がかかる可能性がある。すぐに助け出せば問題無いはずだ・・・多分』
そんな時、邪神様がアドバイスをくれましたです。そうですね。助けるならば今でしょう。
「ブランさん!しっかり、して下さいです!!今ならまだ間に合うと邪神様が言っているです!!さあ、行きましょう!!」
「っ!?そ、そうね。ありがとう、モツ。行きましょうか。でも、どうやって?時間はそんなにないし、移動していたら間に合わないかも知れないわ・・・」
「うぐっ!じゃ、邪神様〜〜!!」
邪神様なら、邪神様ならきっと何とかしてくれるはずです!さあ!最近役に立ってなかった事を挽回するチャンスですよ!!
『余計なお世話だ!こっちも色々あんだよ!!ほらっ!バルムンクの変形パーツだ!!これで、真正面から行ってこい!!』
「だから、頭の中を読まないで下さいです!それはともかく・・・おお!新しい変形ですか!?今度は、どんな変形がっ!?」
『それは、見てのお楽しみだ!!後、お前の考えている事は表情に出るんだよ』
そ、そうだったんですかっ!?
でも、今はそんな事はどうでもいいです!僕はバルムンクを取り出して、変形パーツが来るのを待機します。やがて、空間が裂けていつか見たキューブ状のアイテムが送られて来ました。
「バルムンク!変形ですよっ!!」
変形の掛け声でパーツがバラけて、バルムンクに装着されました。
ーーーージャキーーーーン!!ーーーー
その姿は4つの大きな車輪が取り付けられ、頑丈そうなジープのような車型の姿へと変わりました。
「おお!カッコイイです!!しかも、二人乗りですか!?ほらっ、ブランさん!乗って下さいですっ!!出発するですよ!!」
「え、ええ・・・」
僕の隣にブランさんが乗車し、相変わらずのコントローラーを使ってバルムンク車型が走り出しました。おお、すごく早いですよ!!
「ちょっと、モツ!前に木がっ!!」
「・・・のうっ!?」
よそ見運転はいけませんです!いつの間にか木が目前にあったですよ。うう、さ、避けられないですぅ!!
『モツ!赤いボタンを押せ!!』
「え!?りょ、了解です!!ポチッとな・・・」
すると、ジープが光に包まれてバリヤが発生したのです。
ーーーーバキバキバキッ!!ーーーー
『車の馬力に加え、そのバリヤはあらゆる攻撃を遮断する。まさに攻防一体の技。まぁ、それしか出来んが・・・。だが、そのおかげであらゆるものを跳ね飛ばす事が可能に!!安全運転?力押しで切り抜けろっ!!異世界には道路交通法など存在しない!!』
「おお!超気持ちいいです!!スピードマックスですよ!!」
「こ、こいつら、やばい・・・これのどこが救出活動よ!明らかに破壊工作じゃない!!」
救出活動と言うには目立ちすぎ、壊し過ぎな行動ですね。あえて、言うならカチコミと言う奴ですね。まるで、スターを取って無敵状態のマ◯オですよ。
種型、苗型、トレント型。それらを跳ね飛ばし、その全てを粉砕して洞窟に一直線。
【ミニもっくん】のおかげで洞窟の幅は分かっています。ちょうど、バルムンクが通れるくらいには道幅があるですよ。まぁ、少しくらい狭くても、バリヤで削って無理矢理行けますけどね。
「うおりゃあああああっ!!」
「きゃああああっ!?」
ーーーーギャギャギャーーッ!!ーーーー
ーーーーギュピィィィ!?ーーーー
そして、やるなら先制攻撃もしてやるです!!ドリフトを加えて、あの妖精を跳ね飛ばします。
車体は狙いどおりに命中し、妖精は洞窟の壁にめり込んで行きました。完全勝利です・・・これで戦闘をする手間が無くなりました。
「ラブさん!そして、その他の皆さん!!ご無事ですかっ!!」
そして、僕は爽やかな笑顔をラブさんやゴールドクラスの方々に向けたのでした。




