ラッパーゴブリン
「ヘェェェルプッ!ヘルプミーッ!!誰か助けて下さい〜〜〜〜っ!!」
ただいま、前回に引き続き人助けの真っ最中です。
ナビの指示で裏山を飛んでいると、どこからともなく悲鳴が聞こえてきたです・・・しかも、何か妙な喋り方です。
悲鳴とナビを頼りに現場に急行すると一匹の緑色の肌をして頭に小さな角のある人型の生物・・・俗に言う【ゴブリン】という魔物がいたです。
そして、そのゴブリンさんの後ろには謎の植物型の魔物が群となってゴブリンさんを追いかけ回していたですよ・・・これがモンスタートレインという奴なんですね。
まぁ、これも人(?)助けです。
あの植物モンスターを倒すとしますか。あの魔物におそらくは自我は無いでしょうし・・・動物型と違って、自我の無いなら躊躇なく倒せます。
「ヒーローM2参上です!!」
「オ、オウ〜ッ!?ユーは誰!?ヒーローっ!?マ・ジ・でっ!?」
本当に訳のわからない話し方をする人(?)ですね。大きな声で耳が痛いですよ・・・マ・ジ・で。いけません、ちょっと移ったです。
それはともかく、僕はババーンとカッコよく空中で登場ポーズを決めましたですよ。
本当はここで効果音が欲しいのですが・・・ううむ、邪神様はまだ寝てるみたいですね。この前のような、登場音が無いです。どうでもいい時には自己主張する癖に、必要な時に限ってとか・・・やれやれですよ。
「助けに来たですよ!!」
「オウッ!サンキュー!!オオ〜〜ウッ!?」
「あっ!しまったです!!」
・・・何ということでしょうか。ゴブリンさんが僕の登場に目を取られてる隙に植物モンスターたちに捕まってしまったです!?
「ヘェェェェルプ、ミ〜〜〜〜〜っ!!」
ゴブリンの触手攻めなんて誰も見たく無いですよ。誰得ですか?絵的にも汚いので、さっさと倒しますかね。さあ、行くですよ!!
「喰らうです!!M2パ〜〜ンチッ!!」
悪と闘うヒーロー・・・これこそ僕が求めていたモノです。さあ、最強伝説が今始まるですよっ!!唸れっ!僕の拳!!
「・・・って、あれれれれ?」
・・・しかし。僕のパンチは植物特有の柔らかなシナにより吸収されてしまいました。そして、絡み付く植物の蔦。
「ぐぐぐ〜〜!?は、離すです〜〜〜〜!!」
「ユーは馬鹿かっ!?植物相手に殴りかかってどうするノォォウ!!」
うう・・・今度は違う意味で耳が痛いです。ま、まだですよ。何かこの状況を打開する道具は・・・こ、これですぅぅぅっ!!
「【火炎放射器】〜〜〜〜!!」
植物の弱点は聞くまでも無く『火』です。これで灰にしてやるですよ!!
「ファイヤ〜〜〜〜!!」
ーーーーゴオオォォ・・・ーーーー
僕が引き金を押すと銃型の火炎放射器から、灼熱の炎が噴出されました。
ーーーーギィィィィィィィ!?ーーーー
そして、植物モンスターたちは悲鳴にも聞こえる音を立てて、次々に火に包まれましたです。完璧な勝利ですよ!!
「オイ、ユー!?モンスターどころか、ミーたちまで、火に包まれてナイカッ!?」
「・・・え?」
辺りを見渡せば、既に周りは火の海でした。どうやら、あたりの木にも火が燃え移ったようです。
「・・・どうやら魔物は倒したみたいですね。さらばです〜〜。とうっ!!」
「オォウッ!?自分だけ飛んで逃げる気デスか!?」
「・・・冗談ですよ」
そして、またアイテムボックスを漁り、火を消火出来る道具を出しました。
「【フレフレ坊主】〜〜!!これは燃やすと雨を降らすことの出来る人形です!とりゃあ〜〜っ!!」
僕は火の海に【フレフレ坊主】を投げ入れましたです。【フレフレ坊主】は灰になり、天に昇りました。そして・・・。
ーーーーザアアァァァ・・・ーーーー
立ち所に大雨が降りましたですよ。これで消火は完了です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「オウ!何か余計トラブルにナッタ気もするケド・・・助けてくれた事ニーハ、感謝スルーよ」
「ところで、凄く気になってましたけど・・・なんなんですか?その喋り方?」
「ヤッパリ、気になりますか?ン?ン?・・・」
・・・聞かなきゃ良かったです。何か、もの凄くウザいですよ。
「ヘイ、ユー!
助けてくれて、アリガットウ!!
ミーの名前はチェケラッ!!
だけど、危うく火だるま、メチャあぶねっ!!
だけど、一応は礼言っとく、アリガットウ!!」
「な、何なんですか?その歌は?」
そのゴブリン・・・チェケラッさんは妙なテンポで、歌でお礼を言い始めました・・・だから、耳が痛いですって。
「コレは、ミーの故郷に伝わる『ラァプ』と言われるソングです。小粋なテンポで自らの気持ちを表現する・・・そう、ソウルを込めながら歌うのデス!!ミーはこのソングの素晴らしさを世界に広める為に生まれた集落を出て旅に出たのデス!!」
「へ〜、そうなんですか?それは凄いです!どれ位旅をして来たのですか?」
「オォ〜ウ!2日前に集落を出ま〜〜シタ!!」
「・・・えらい最近ですね」
「イエスッ!この山の隣の隣の山に集落がアルヨ!!」
なるほど、僕なら空を飛んで簡単に行ける距離ですね・・・行くつもりはありませんが。そんな、歌が日常会話な集落なんて、ノーサンキューですよ。
「そうですか。では気を付けて旅をするですよ。では・・・」
「オウッ!待つデ〜スッ!助けてクレタお礼に『ラァプ』を教えて差し上げマ〜ス!!ミーの目的も果たせて一石二鳥、ヨォッ!!」
「間に合ってるです!さっさと集落に帰れです、ヨォッ!!あっ、移ったです!?」
僕はあまり関わりに会いたくないタイプだと思いましたです。よって、飛んで逃げようとしました。しかし、チェケラッさんは走って追いかけて来ました。
だけど、何でしょうかこの歌は・・・なんか妙な中毒性でも持っているみたいですよ。
「ハッハ〜〜!!ユーは素質あるネ!!絶対に着いてくよ、オォケェ〜〜ッ!?」
「全然、OKじゃないですよ!?全速力っ!!」
「ハハハ!ミーからは逃げられませんよ!!」
速っ!?な、何なんですか、このゴブリン!?むっちゃ早いですよ!?このままじゃ、寮にまで付いて来そうですよ。そして、僕は何とか全速力で飛んで振り切ったのでした。




