堕落?
〜〜〜〜異世界サイド〜〜〜〜
「くくく。遅い、遅いですよ!!」
「モツ、てめぇ!さっきはよくもやりやがったなっ!!」
「作戦と言って下さいです」
ここは元馬小屋の僕のマイルームです。
新しく作り直したマイルームは、リッチな家具や備品に囲まれており、現代並みの生活が出来るようになっていますです。ブランさん曰く、貴族以上の生活をしているとの事ですよ。
現在、僕とリックさんでゲームで対戦中です。やっているのは『マ○オカート』。あの大人から子供まで楽しめるレーシングゲームです。
「さあ、最終レースですよっ!!」
「ぐっ!まだ負けた訳じゃない!!逆転のチャンスは残っているぞ!!来い!羽○羅!!」
「くくくっ!所詮は運頼みですねっ!!このまま、ゴールするです!!」
僕は1位で、リックさんは3位の順位で最終レースに移行したです。さっきは奇跡など無いと言いましたが、気を抜けば、追い抜かれるでしょう。僕の後ろには、NPCとリックさんが僕を追い越そうと迫っているです。
そして、後もう少しといった所でした。後ろから飛ばされた空を飛ぶ青い塊・・・。
「ゲエッ!?」
先頭を目掛けて飛んでいく羽○羅。まさか、このタイミングでですか?どうやら、更に後ろにいるNPCが飛ばしたようです。
「そ、そんなぁ〜〜・・・」
羽○羅をまともに受け、跳ね上がる僕。そして、その隙をついてリックさんやNPCが次々とゴールしていったのです。
「ぐうぅ〜〜・・・」
僕も急いでゴールしましたが、間に合わずに5位で終わったです。なんと言う屈辱ですか・・・。
「まだですっ!もう一回、行くですよ!!」
「ふん!何回でもかかって来いっ!!相手になってやるっ!!」
そして、再び始まるデッドヒート。スタート音と共に僕たちのプレイするカートが走り出したです。ちょうど、その時でした。
「ちょっと、モツ。あの『シャンプー』って洗髪料をまた頂戴!!」
「・・・私もよ」
扉を開けてブランさんとライナさんがマイルームに入って来たです。
二人は僕の部屋に完備されているシャンプーが目的みたいですね。二人は僕のサラサラヘアーが気になったのか、秘密を聞いて来ました。そして、部屋にあるシャンプーを少しだけ、分けてあげたです。
その結果、僕のシャンプーの効能に驚き、度々せびる様になったです。お部屋のシャンプーは部屋に1日置いておけば、満杯になるですよ。つまり、いくら使おうが減らないです。でも、その日に僕が使う分は残して欲しいですが。
ちなみに、この世界では入浴は貴族クラスしかしません。その際に使う洗髪料は、僕からしたら安物で粗悪品な石鹸だけみたいですからね。現代の洗髪料とは差があり過ぎましたです。
・・・でも、今はそれどころではありませんです。今は勝負の真っ最中です。
「入浴室から、勝手に持ってけです!今は勝負の真っ最中ですよっ!!」
「ははっ!コーナーががら空きだぜ!!」
「くっ!負けないですよっ!加速っ!!」
「なっ、何いぃぃっ!?」
今度こそは・・・と加速してゴールに急ぎます。結果、今度は僕の勝ちになりました。この辺で少し休憩でもしますかね。
「あ、アテルさん。ジュースとお菓子を取って下さいです」
「いいよ。どれにする?」
「ポテチとオレンジジュースがいいですね」
「あっ、俺も俺も」
「はい、どうぞ。それにしてもこの飲み物は美味しいね。果汁がタップリですごく甘いね」
「まったくだな」
パリパリ、ゴクゴクとお菓子とジュースを飲んで高級ソファーに寝そべる僕たち。
アテルさんはこの部屋に出されるお菓子にハマり、毎日のようにお菓子を食べに来るです。【スカウト】の癖に太りますですよ?
「平和ですね〜・・・」
「平和だな〜・・・」
「平和だよね〜・・・」
もはや、僕の部屋は堕落した人間たちの集まる巣穴と化したです。
「君たち、昼間から寝てないで動いたらどうだい?」
「おや?ヒグラ先生ですか?おはようです」
「はい、おはよう。って、もう昼だよ?ははは」
いつの間にか、ヒグラ先生が入って来てたです。相変わらず存在感の無い人ですね〜。
「君たち弛んでるね〜?ダンジョンには行かないのかい?学園じゃあ、ダンジョンブームが来ていると言うのに?」
あのボーナスルームの発見から数日。
あれ以来、学園はダンジョン攻略ブームが巻き起こったです。よって、学園ダンジョンにはボーナスルームの発見や初代学園長からのミッションを達成を目的に学生たちが群れを成しているです。
「「「だって、混んでますし〜〜・・・」」」
僕たちの思いは一つとなりました。あんな混み混みのダンジョンになんてわざわざ潜りたく無いですよ。
「・・・嘆かわしい。まったく、最近の若者といったら・・・いや、この寮だからか。どちらにしても嘆かわしい・・・」
・・・嘆かわしいを二回言ったです。まあ、いいです。気にしないで寝るですよ。しかし、扉が開き再びブランさんがやって来ました。
「モツ〜・・・あなた、本当に自堕落な魔物ね。まぁ、いいわ。ついて来なさい、図書館に行くわよ」
「図書館ですか?」
「あなた、この前に図書館に行きたいって言ってたじゃない・・・魔物らしくないけど。丁度、調べたい事があるから一緒に行くわよ」
・・・そう言えば、そんな事を言いましたですね。邪神様から、この世界を調べる為に行くよう言われていて、ブランさんに頼んだです。すっかり、忘れてました。
「じゃあ、行きましょうか」
「はい、です〜〜」
・・・仕方がない、邪神様の指令のために行くですか。
「あっ、待ちたまえ。モツ君」
「何ですか?」
「今日の夕飯は、また『カレー』とやらにしてくれた前」
しっかりとヒグラ先生の胃袋を掴んだ僕でした。
それはさて置き、僕は重い腰を上げてブランさんと学園専用の図書館に向かったです。




