ボーナスルーム
ーーーーゴゴゴゴゴ・・・ーーーー
そんな音を立てて壁が動いていくです。やがて、壁は完全に開ききり・・・。
ーーーーててて、て〜〜!!ーーーー
・・・何故か爽快感ある音楽が流れたです。意味あるんですか、これ?
「いっ、今のは何!?」
「一体何が起こっているのっ!?」
そして、この訳の分からない事態に生徒たちはパニックに陥っているです。
『ゼ○ダ風謎解き音・・・今のタイミングで合ってただろ?』
「合ってましたけど!あの謎の音はお前の仕業かです!!」
この邪神様はどこまでアホですか!?そして、あの音はいつもの邪神様の声とは違い、皆に聞こえたようです。
『うむ。この音は新機能でな。お前の周囲に録音した音楽を流せるんだ。これはお前以外にも聞こえるみたいだな。これからは場面に合う音楽を流してやろう』
「余計なお世話ですよ!!」
『では、手始めに懐かしの歌謡曲メドレーでも・・・』
「マジでウザいから止めてですっ!!」
それはさて置き、やがてプロテイス教官の一喝により僕たちは落ち着きを取り戻したのです。
「・・・皆、落ち着いたか?このような事態は俺も初めてだ。だが、今は状況の把握に努めるべきだ。えっと、モツくんと言ったかな?」
「何ですか?」
「・・・一体、何をしたんだ?」
プロテイス教官の質問にその場にいた全員の視線が集まりました・・・は、恥ずかしいですぅぅぅ!!
「ぼ、僕は何もしていませんです!ただ、穴の中にあったスイッチを押してしまっただけです!!」
「充分にしていると思うが?まぁ原因はハッキリしたか。では、次の問題はあの開いた道は何なのか・・・だ」
当然、その答えを知っている者はいない。そして、沈黙が支配したのだった。ですが、一人の生徒が口を開きました。
「危険です!一度戻って、調査隊を編成するべきでは!?」
「うむ。その通りだな。よし、では・・・」
その生徒にプロテイス教官も賛同したようです。しかし・・・。
「・・・だけど、今まで未発見のルート何だよな。もしかしたらお宝があるかも」
「ああ、それにここで引き返すのは冒険者の名折れだ。今が、ランクを上げるチャンスかも知れないしな」
・・・と欲にかられる馬鹿は何処にでもいるものです。
「待て!お前ら!!行くなと言うのが聞こえないのかっ!!」
彼らはプロテイス教官の制止も聞かずに壁に開いた通路に入っていきましたです。
「へっ!これから、冒険者になるんだ!!この程度の事で怯えていられるかっ!!」
「そうだ!未知を目指してこその冒険者だ!!」
君たちはまだ仮免許みたいなものなのに、身の程を知らないのでしょうか?それじゃあ、やがて命を落とす事になるですよ?
「それに、こいつがいれば安全だぜ!!」
「はいです!リックさん!目指せ!お宝ですよ〜〜っ!!」
「きっ、貴様ら〜〜っ!!」
リックさんも宝探しに行くみたいですね。そして、もちろん僕もお宝を探しに行くですよ!!身の程知らず?そんなのこの【バルムンク】があれば大丈夫です!!
・・・という訳で僕と数人の生徒たちは、開いた道の奥へと侵入したです。しかし、そこに待っていたのは・・・。
「何だ、行き止まりじゃねぇか!!」
進んだ先は行き止まりでした。いえ、正確には玉座の間と言うか・・・広い部屋に妙な台座が設置されている部屋があるだけでした。
「お宝なんかねぇじゃねぇか!!」
「拍子抜けだぜ!くそっ!!」
「責任者出て来いです〜〜!!」
当然、僕らはそれに怒り浸透です。とりあえず、その部屋で騒ぎました・・・すると。
「「「っ!?」」」
台座が輝き、そこから溢れた光は人の形を成していったのです。
「だっ、誰だ!!」
やがて、一人の老年の男が現れたです。しかも、その身体は透けておりまるで幽霊のようでした。
ーーーーひゅう〜、どろどろ〜〜・・・ーーーー
そして、オドロオドロな音楽が流れて・・・って、これ邪神様の仕業ですよねっ!!
『・・・ばれたか』
バレますよ、そりゃあ・・・って今は邪神様に構っている場合じゃないです!!では、改めて・・・。
「何者でひゅか!?」
・・・ううう、噛んでしまったです。そして、幽霊男は口を開きましたです。
『ようこそ、第1層のボーナスルームへ・・・』
「「「ボーナスルーム!?」」」
その幽霊男の言葉に僕たちはお互いに見合わせました。再び、幽霊男の言葉が続いたです。
『まずは自己紹介をしよう。道を開きし者よ。私の名はベータ・S・レッドランド。この国、レッドランド王国初代国王の弟にして、冒険者学園の初代学園長である!!』
「「「しょ、初代学園長っ!?」」」
ーーーーデデーン!!ーーーー
・・・と驚きの音楽が鳴り響きました。って邪神様、もういいですよっ!?
『恐らくは、私が学園を建ててから気が遠くなるほどの月日が経ったであろう。私はこの学園を作り、更にはこの試作ダンジョンを創った・・・』
そして、幽霊男・・・初代学園長は僕たちを無視してペラペラと喋り出しました。どうやら、この学園長は立体映像のビデオみたいなもので一方的にただ話すだけみたいですね。
『この部屋の事を誰も気が付かないかと心配したが、無事、見つけてくれたようで結構、結構!!』
すいません。僕たちが見つけるまで誰も気が付きませんでした。でも、どうでもいい話ばっかりです。どうしてこうも、偉い人の話って長くて退屈なんでしょうか?
『それはさて置き・・・私は有望な若者の為に『遺産』を残す事にしたのだ』
「「「い、遺産だって!?」」」
話に飽き飽きしていた僕たちは『遺産』の一言で再び、学園長の話に聞き耳を立てました。
『ただし、私の残した遺産はこのダンジョン・・・全10層のボーナスルームを全て見つけだし、尚且つ私の出す階層ごとのミッションをクリアした者に与えられる。遺産の内容は秘密であるが、とても良い物であると言っておこう」
「「「とても、良い物・・・」」」
その『良い物』の話を聞いて、ゴクリと僕たちの喉が鳴りました。しかし、そんな時でした。
「やっと見つけたぞ!貴様らっ!!」
「「「げっ!プロテイス教官!?」」」
「『げっ!』とは何だ、『げっ!』っとは!!ややっ、こ、これは初代学園長が何故っ!?」
プロテイス教官が僕たちを追ってやって来たようです。ちなみに他の生徒たちですが、プロテイス教官のダンジョン脱出のアイテムを与えて、外で待機中だとか。
ついでに、プロテイス教官は初代学園長の顔を知っていたようで。そして、これまでの経緯をプロテイス教官に教えましたです。
「ぼ、ボーナスルームだと?そんなところが・・・他の層には無かったぞ」
『ちなみにボーナスルームは第1層から順に開放されなければ、開かないので注意するように』
「・・・・・・」
・・・とわざわざ疑問を答えてくれるように、説明してくれたです。本当にビデオですかねこれ?
『・・・では、第1層のミッションを与える!!』
そして、発表される第1層のミッション。
これにより、ボーナスルームの存在は学園に衝撃を与え、学園中の生徒がボーナスルーム探しと、ミッションクリアに心血を注ぐようになるのであった。




