ダンジョン探索マシン
「ダンジョンの中は複雑な迷路になっている事がある。迷わない様に気を付けるように」
そう、僕たちはついにダンジョンへと足を踏み入れたのです。石畳に石の壁に囲まれた通路・・・オーソドックスなタイプのダンジョンですね。
そして、プロテイス教官は先頭に立ち、ダンジョンの解説をしていますです。
「そんな時はこれです。【オートマッピング機能】!これによって、今まで通ってきた道が丸わかりです!!おまけに予測機能が付いてますので、入る度に順路が変わるダンジョンであっても安心です!!」
操縦席に取り付けてある画面には、通ってきた道がデータに残されています。しかも、時折にソナー機能を使う事で歩いていない道も近くならマッピングされるです。
「ダンジョンは崩れやすい道もある。そういった場合は慌てずに引き返すか、そうでなければ慎重に進む必要がある」
「ならば、【強度アップライト】と【パワーアーム】です!!【強度アップライト】で周りの強度を上げて、【パワーアーム】で瓦礫を弾き飛ばせば進めますですよ!!」
【バルムンク】には特殊ライトが付いていて様々な用途に使えるです。切り替えれば普通のライトにもなりますので暗闇でも安心です。
そして、【強度アップライト】は物質の強度を上げる事が出来るので、壊れ難くなります。そこを【パワーアーム】で弾き飛ばせば、ちまちました作業は必要ありません。
「くっ!?前方に魔物の群れだ!!このような通路では大勢では戦えん!前衛は前へ、後衛はその援護だ!チームワークが勝利の鍵となるぞ!!」
「必要ないです!ミサイル発射!!ポチッとな・・・」
ーーーーウィィィ・・・バシュ!・・・ズドオォォォォォォン!!ーーーー
コントローラーのとあるスイッチを押せば、【バルムンク】の胸が開き、そこからミサイルが発射されて魔物の群れ・・・スライムの群れを焼き払いましたです。
「・・・次に宝箱の罠の解除だ。罠以外にも【ミミック】と呼ばれる魔物である場合もある。開ける際には注意を・・・」
「【スキャンライト】!!これで、生物であるかは疎か、仕掛けられた罠の種類や解除方法まで丸わかりです!!」
特殊ライトその2【スキャンライト】です。これで、罠には掛からない。物質を透過する謎ライトによって、宝箱の中身を事前に確認出来ます。しかも、仕掛けられた罠の種類が分かれば高い技術が無くても解除可能になるですよ!!
「・・・おい!貴様、ダンジョンを舐めとるのか!?そのゴーレムを使って楽をしおって!!」
ついに堪忍袋の緒が切れたのか、怒りをあらわにするプロテイス教官でした。
ちなみに、この世界には機械は無いようです。ブランさんに聞いた感じだと、ラノベ設定によくある中世レベル文明みたいですからね。よって、皆さんは【バルムンク】を乗り込み式のゴーレムと考えているみたいです。
「【スキャンライト】!!」
「ぬぉぉぉぉっ!?」
「「「キャアァァァァァッ!!」」
ちなみに気になってましたけど、このライトを、生物に当てるとどうなるのでしょうか?僕は好奇心を抑えられずにプロテイス教官にライトを、浴びせてみました。このライトが人体に有害かは知りませんけどね。
その結果、服が透けて全裸の状態に・・・ごつい筋肉の原始人が現れるました。だけど、失敗しました。こんなおっさんの裸なんて誰も見たくないですよね?ちなみに、最後の悲鳴は探索に参加している女子のものですよ。
「やめなさいっ!!」
「え?ぎゃああっ!!頭がぁぁぁぁ!?」
ブランさんは従魔の指輪を、僕に向けました。指輪は輝くと頭が痛くなりました。孫悟空の緊箍児ですか!?
「ううう・・・ごめんなさいです」
「分かればいいのよ。あなたの力は個別に潜った時に使うから、今は大人しく話を聞いて上げなさい。プロテイス教官の顔を立ててあげるのよ」
「・・・お前も何気に酷いな」
今まで空気であったリックさんが呆れていますです。そうですね、大人には面子があるんでしたね・・・言う事を聞くですよ。
『・・・すっかり、首に縄を付けられてんな』
邪神様の声が聞こえましたけど、今は無視するですよ。ただし、これだけは言わせてもらうです・・・僕は僕だけのものですよ!!
・・・とそれからは、後ろで話を聞く事に徹しましたです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ご飯、ご飯です〜〜♪」
それから、何時間か探索して1層の最奥へとたどり着きました。
2層へと続く階段の前は【セーフティエリア】となっており、魔物が現れないそうです。今日はここでキャンプして、明日の朝に来た道を戻るそうですね。
「ほら、ブランさんもリックさんも手伝って下さいです。この釜の中に食材を入れるですよ!!」
「おうっ!!」
「ええ。わかったわ」
そう言って、僕はアイテムボックスから【万能の錬金釜】と言うアイテムを取り出しました。このアイテムは材料を入れれば、作製過程を無視してアイテムや料理が出来る優れものです。
これさえあれば、ダンジョンの中でもすぐに美味しい料理が食べられるですよ。
そんな訳で邪神様から貰った異世界の食材を、これまた邪神様から貰った料理レシピを参考に入れていくです。そして、あっと言う間に・・・。
「・・・完成です〜〜!!」
出来たのは熱々のクリームシチューです。ああ、この匂い。空腹なお腹には堪らないですね〜〜。
ちなみに、この世界の料理は豚の餌かと思うくらい不味かったです。邪神様に何とか出来ないか頼んでみたら、美味しい料理の道具やレシピを貰ったのです。たまには役に立つものですね。邪神様は今も僕を見ているんでしょうか?
「美味しいです〜〜!!」
「ああ、無茶苦茶美味いな」
「こんなの美味しいの。家でも出ないですよ」
試しに、昨日の晩に料理を食べさせてあげたらアイアン寮の皆さんは夢中になりましたです。さあ、もっと僕を崇め奉るですよ。
「・・・ん?何だ?」
「どうしたですか?」
リックさんの視線の方を向けば、プロテイス教官やその他の生徒が僕らを見ていたです。このシチューが食べたいのでしょうか?
まぁ、彼らが食べているのは乾燥したカチカチのパンに干し肉と水ですからね。普通の冒険者の野外食事はこんなのが当たり前みたいです。
『せっかくだ、やったらどうだ?これは恩を売るチャンスだろ?』
邪神様からも許可が出たです。じゃあ、あげましょうかね。
「皆さんも如何ですか?美味しいですよ〜〜」
・・・と声をかけて見たです。
すると、来るわ来るわ。次々にプロテイス教官や生徒たちが来ました。皆さんは美味い、美味いと言って食べています。これはおかわりも必要ですかね。おかわりの準備をしようとしたそんな時でした。
「あっ!?待つです!!」
つい、手が滑って、追加の食材が万能釜に入れる前に転がってしまいました。そして、壁の端っこに空いてあった穴に落ちていきました。
僕はその穴に手を突っ込みます。僕は感触を頼りに食材を探したです。すると、何か硬い物に触れましたです。
ーーーーガコンーーーー
・・・と。そんな音が【セーフティエリア】に響きました。




