初ダンジョン
「・・・よぉ〜し、予定時刻だ。ダンジョン初挑戦の生徒たちは集まっているな?」
大剣と鎧を身につけたゴリラのようなマッチョな男が声を張り上げているです。この場には僕とブランさんの他に十数人ほどの生徒がいたです。
「俺は今回のダンジョン探索授業を担当するプロテイスだ。今回の探索で基礎を教えるから、しっかりと覚えておけよ」
さて、何度も言っていますが、これから僕のダンジョン初挑戦が始まるです。学園の裏山の奥にある遺跡・・・どうやらここが学園専用のダンジョンらしいです。
デーンと建った石造りの建物に草の蔓が巻かれ時の経過を見るものに感じさせます・・・崩れたりしないですよね?
ついでに言うと、学園で生徒の育成や鍛練の為に利用されているダンジョンです。よって既に国により攻略済みです。だから、もうこのダンジョンの情報は基本的に調べれば分かるようになっているです。
このダンジョンは特別造りをしているです。中で魔物や罠で死んでも入口に戻されるだけで死にはしないのです。おまけに回復の魔法が自動発動して全快になるので何度でも挑戦が可能なのだとか。さらにさらに、階層ごとに入口に戻れる転送魔法陣まで完備されていますです。まさに、ご都合主義ですね〜。
ただし、痛みは感じますし、ダンジョンで得た物品や装備は失ってしまいますので、なるべくなら死なないで戻りたいところです。
・・・などの説明が今、担当の筋肉教官こと、プロテイス教官からされている所です。
「よって、痛い目に遭いたくなければ甘く見ない事だ。次に探索予定であるが、事前に言ってある通り探索は1層目まで。また、明日の朝までダンジョンで1日を過ごす事になる。武器以外に、食糧などの準備はいいか?なければ、現地調達になるぞ・・・と言っても薬草くらいしかないがな。本物ダンジョンでは、魔物を狩って食べる事もままある。そのあたりはおいおい説明していくつもりだ。今日はお試しと言う事でダンジョンの中で過ごす事を念頭に置いている。以上だ、何か質問はあるか?」
長々とした説明の後に筋肉教官は生徒たちを見回して質問を受けつけているです。
ちなみにこのダンジョンは全10層で1年生で4層まで、2年生で7層、3年生で10層までと攻略していくカリキュラムらしいですよ。
「あの、予定には魔物との戦闘や罠の解除などもする予定ですよね?パーティの組み合わせはどうするんですか?」
何故か質問した生徒はブランさんをチラ見しているです。はっ、まさか・・・狙っているのですか!?
「うむ。それは今から決めてもらう。大体、4〜5人と言ったところだな。組み合わせは自由だが、前衛と後衛をバランスよく組み合わせる方が良いな。・・・では、始めろ」
そして、生徒の皆さんは各々でパーティを組み始めたです。しかし・・・。
「教官。私と組んでくれる生徒がいません」
「何?・・・ああ、アイアン寮の生徒か。ならば、仕方ないな・・・」
・・・何が仕方ないのでしょうか?他の生徒たちはブランさんを無視するようにして寄り付いていませんです。しかも、彼らのブランさんを見る目がまるで見下しているような嫌な目でした。僕の予想は外れていたようですね。
「悪い悪い!遅れちまったぜ!!まだセーフだよな!!」
そんな空気をぶち壊すかのように、1人の男子生徒が遅刻してやって来たです。しかも、その人物は僕も知っている人でした。
「貴様・・・リック!前にも遅刻するなと言っただろ!!減点だ!!」
「いけねっ!」
そう、同じアイアン寮のツンツンヘアー剣士ことリックさんです。リックさんは遅刻をまるで反省していないようで教官の説教を軽く流しているですね。
「・・・はぁ、リックとモンブラント。お前ら2人は溢れだ。俺が組んでやる。ただし、過度の手伝いはしないぞ。他の生徒たちに不公平だからな」
「はい」
「ういっす!」
どうやら、この筋肉教官と組む事になったみたいです。でも、皆さん。誰か忘れていないですか?
「む〜!僕もいるですよ!!無視しないで下さいですっ!!」
「・・・む?喋る魔物か?珍しいな」
「すいません。私の従魔です」
どうやら、気づいてくれたようです。全く、やっぱり、背が低いからですか?それとも、魔物だからですか?無視は虐めの始まりですよ。
『おっ!何とか間に合ったか!!』
僕の頭の中に邪神様の声が響きます。用事とやらが終わり戻ったみたいですね。別に居なくても良いですが、もしもの時の為にはいた方が良いですね。
「よし、では出発!!」
そして、僕たちはダンジョンに踏み入れて行きました。蔦に覆われた石の扉を潜り中に入っていきます。
ダンジョンに入ってまず見たのは、エントランスと言うか広い空間でした。床には妙な魔法陣が刻まれており、奥には石造りの回廊が続いていますです。
「一応、説明しておく。このエントランスがこのダンジョンの特徴の一つだ。ダンジョンで死ぬとここに転移されるからな。それと、この部屋を出るとモンスターが現れる。武器の用意をしておけよ」
「「「「はい!!」」」」
各々が自分の武器を握りました。では、僕も装備するとしますか・・・最強の装備を。
「来るです!僕の専用機よ!!」
僕は腕に装備していた腕輪を天に掲げました。本当は無意味ですけど気分の問題です。
ちなみに、この腕輪は全部で3つの機能を備えているです。
その1、【全言語翻訳玉・改】。なんと動物の言葉までわかる様になりましたです。
その2、【緊急バリア装置】。僕に身の危険が迫った際にあらゆる物を遮断するバリアを張ってくれる。しかも、危険を感知すると自動で発動する優れもの。
その3、【アイテムボックス】。生物以外(死んでいれば生物でも可)の道具を亜空間に収納する事が出来るです。しかも、収納すると時間の経過が止まるので食べ物を入れても腐らないし、熱々や冷え冷えの状態で保存出来るですよ。
そして、取り出すのは邪神様がダンジョン探索の為に造ってくれた僕の専用装備。それが今、現れるのです。
ーーーードッシーーーン!!ーーーー
キラリと輝く鋼のボディ。丸い形状に手足が生えた大柄の男並の大きさのそれは、頭の部分が僕が乗り込める頭がむき出しの操縦席となっており、簡単な操縦方法で運転出来る様になっているです。
「とうっ!さあ、起動するです!ダンジョン探索マシン【バルムンク】よっ!!」
ーーーーウイィィィィン・・・ーーーー
僕はマシンに颯爽と乗り込み、僕専用マシン【バルムンク】を起動スイッチを入れたです。そして、謎のコントローラーを手にしました。
ちなみに『バルムンク』とは、ジーク・フリードの竜殺しの魔剣の名前です。基本的には魔剣『グラド』などと呼ばれているのが多いですが、僕は『バルムンク』と呼ぶ方が気に入っているのですよ。
「準備完了です!!」
・・・これにて起動は完了です。そして、始めてマシンを見た人々・・・ブランさんもですが、口をあんぐりと開けて見てました。すっごく気持ちが良かったですよ。




