従魔登録
「へ〜、ここが冒険者ギルドですか?」
「そうよ。まぁ、学園の生徒からは『学園ギルド』って呼ばれているけどね」
お城のような造りをした学園のエントランス。そこは、立派なシャンデリアやガラス窓で優雅な雰囲気を醸し出しています。そして、そこにある受付の前に僕はいました。
ここは学園内にある出張冒険者ギルド・・・通称『学園ギルド』と呼ばれている所です。このギルドは学園専用である事から呼ばれているみたいですよ。
そもそも、冒険者とは魔物を狩り、ダンジョンを攻略、素材の採取、未開地の探索などを生業としている人たちのようですね。 そして、冒険者ギルドはそれら冒険者を纏め、依頼などを斡旋する機関のようです。
今日は午後から、学園専用のダンジョンに行きますです。その前に僕の従魔登録をする為にここを訪れましたです。ちなみにダンジョン授業の申請は3日前にしていたみたいですね。ブランさんは真面目ですよ。
また、この学園は冒険者を養成する為の学園であるために、早いうちから慣れさせようと本物の冒険者ギルドと同じシステムをとっているそうです。
「ここでは学園内の様々な依頼が受けられるし、申し込む事ができるわ」
そこで入るブランさんの説明。
学生は多くの依頼をクリアする事でお小遣いを得るという事ですか。また、依頼する方は、自分では手に入れる事の出来ないアイテムや素材を手に入れる事が出来るシステムのようです。
「それに【授業クエスト】と呼ばれる学生専用の依頼もあるわ。私たちの受けるダンジョンの探索授業もそれよ」
この学園では授業クエスト、教師からの特別授業によって、必要単位を貯めてランク剪定及び、卒業を迎えるそうです。また、学園ギルドでの評価・・・どれだけギルドに貢献したかも重要らしいです。
「次の人〜」
「はい」
そんな話をしている間に僕たちの番になりました。
学園ギルドの受付の人・・・20代前後のメガネをかけた綺麗なお姉さんが受けてくれるようです。おそらくはこのお姉さんを餌にして依頼の貢献を上げているのでしょうね。まぁ、僕は人間の女性に興味はありませんけど。
「本日のご用件は何でしょうか?」
「はい。私の称号の変更と従魔の登録をお願いします」
「畏まりました。では、こちらの書類に必要事項をお書き下さい」
「はい」
前にも言いましたが、『称号』と言うのはゲームでよくある職業の事です。そう、【剣士】やら【魔法使い】やらと言うあれの事です。
この世界にはラノベでよくあるらしいステータス表記とやらがありません(邪神様と実証済み)。ですが、冒険者の方々は仕事の斡旋など、自分に何が出来るかを分かりやすくする為に、『称号』と言う制度を使っているようですね。
そして、ブランさんは今までは【魔法使い】で登録していたようですが、僕と組んだのを機に【テイマー】へと変更したようです。
「はい、変更完了致しました。では次に従魔の登録をお願いします。お名前と種族だけで結構ですよ。あと、登録が済みましたらこちらの冒険者ギルドの印が押されたアクセサリーを見える所に付けて下さい」
なるほど、アクセサリーは野生のモンスターと区別する為のものですか。首輪タイプやら、腕輪、ネックレスと色々ありますね。そうですね、僕の尻尾にリングタイプを付ける事にしますか。
「はい」
そして、ブランさんは僕の書類に筆を入れようとします・・・ん?そ、そうだ!!いい事を思いついたです!!
「待って下さいです!ブランさん!!」
「え、な、何よ一体?」
「えっ!?ま、魔物が喋った!?」
僕が喋った事に受付のお姉さんは驚いてますが、今はどうでもいいです。
「ブランさん、僕の名前の記入は僕に考えさせて下さいです!せっかくですから、かっこいい名前で従魔デビューするですよ!!」
そう、今『モツ』という名前で登録されてしまえばギルドに記録が残ってしまうです。今の名前もそこまで嫌いじゃないですが、せっかくならかっこいい名前で登録して欲しいです。
「・・・一応、言ってみて」
「はい!『ジーク・フリード』・・・その名前で登録をお願いするです!!」
昨日、邪神様から暇つぶしに貰った漫画に出てきた大英雄の名前です。伝説の竜殺し・・・僕に相応しいかっこいい名前じゃないですか!!
あっ、ちなみに邪神様は用事があるとかで、現在は会話する事が出来ないそうです。一体、何故でしょうか?
ダンジョンに入る前までに戻るそうですが、念のために邪神様から道具を幾つか貰いましたので、用済みと言えば用済みですけどね。
それはそうと、僕の考えた名前を聞いたブランさんは書類に筆を滑らせました。
「・・・却下ね。モ・・・ツ・・・と、はい名前を書いたわよ」
「ええ〜〜!?何で却下ですか〜〜!?」
「あなたに、そんな名前は似合わないわ。私は『モツ』って名前の方が好きよ。愛嬌があるもの」
「そ、そんな〜〜・・・」
・・・ううう、ブランさんは卑怯です。そんな事を言われたら、怒るに怒れないじゃないですか・・・えへへ、照れるです。
「・・・次は種族ね。そう言えば、あなたって何んて言う種族なの?私、初めて見る種族何だけど?」
「そうですね。私も長い事、本部やここで仕事して来ましたが初めてみる種族ですね」
「長い事?『行き遅れ』って奴ですか?」
「・・・・・・・・・何か言いましたか?」
「・・・・・・ご、ごめんなさいです!!」
『行き遅れ』・・・そう言った途端、お姉さんから恐ろしい威圧が放出されて僕の背筋が凍ったです。年頃の女性には言ってはいけない言葉であると思い知った瞬間でした。
「・・・それで?結局、あなたの種族って何?」
「僕の種族・・・それは、僕と言う唯一無二にして純粋無垢にして・・・」
「『不明』・・・とこれでいいかしら?」
「ちょ、ちょっと〜〜!?」
『不明』って何ですか、『不明』って!?それで登録出来るんですかっ!?
「えっと、そうですね。一応、冒険者ギルドの資料で種族が判別された場合は、その名で登録させて頂きます。また、もしも新種でしたらモンスター名を名付ける事が出来ます。その場合は改めてご連絡します」
「はい、分かりました」
「では、以上でお手続きは完了です。またのご利用をお待ちしています」
「ええ。ありがとうございます」
そんなこんなで無事に従魔登録は終わりました。さて、集合時間は午後から。ご飯を食べたらダンジョンに向かうです。
・・・こうして、僕のダンジョン初挑戦が始まったです。




