高まるシャンプー効果
「ふふふ・・・これで高評価は間違い無いな」
「そうなのですか?洗髪剤などあまり意味の無いものに思えますけど・・・」
不敵な笑顔を見せているヒグラ先生。相当の自信があるみたいです。
「ならば、ヒントだ。客席の審査員の方々をよく観察してごらん、何か気が付かないかね?」
「えーと、みんな魚の死んだような目で発表を聞いていますね」
「それは今やってる人の発表がつまらないからだよ・・・って、違うよ!よく見たまえ!!審査員の方々のほとんどが女性じゃないか!!」
「ああ、そう言えばそうですね。で?それがどうかしましたですか?」
「え?まだ、わからないの?女性と言う生き物は外見に恐ろしいほど拘るんだ。それこそ、男が考えられないくらいにね・・・。君もアイアン寮で女子生徒たちを見てて思うことがあるだろ?」
・・・ああ、なるほどですよ。僕は以前あったシャンプー騒動を思い出しました。つまり、今回のヒグラ先生の発表作は彼女たち『女』にとっては喉から手が出るほど欲しいアイテムだったわけですね。
「それだけじゃない。私の作品は君の部屋にあるシャンプーを上回っているのさ。あのシャンプーはかなり良い物だ。流石は現代品だよ。しかし、この世界には『魔法』と言う力があるのだよ。そして、錬金術でのシャンプー作成は製品に魔法の力を混ぜる事ができるのさ」
「な、なんと・・・そんな事が・・・」
ヒグラ先生のシャンプーは魔法の効果により、持続時間が段違いな上に魅了効果も付加されているとのこと、なんと言う事でしょうか。でも、魅了効果は反則だと思いますよ。
「何を言っているんだい?女は男を魅了してなんぼなんだよ(ヒグラ先生の主観)。これくらい、何の問題も無いよ」
「うう、ヒグラ先生。思いっきり開き直ってますです・・・」
完全に開き直っているヒグラ先生。教師としてそれでいいのでしょうか?
「・・・あの、ヒグラ先生?」
そんな事を考えていると先程のパルテナ先生がヒグラ先生に話しかけてきました。
「何でしょうか?パルテナ先生」
「先程の発表は素晴らしい物でした。ぜひ・・・」
などとその後は、女教師や女子生徒からひっきりなしにシャンプーの事に関して根掘り葉掘り聞かれました。その時のヒグラ先生の顔と言ったらもうデレッデレでしたよ。
「・・・ルイさんに言いつけてやるです(ぼそり)」
僕は後でルイさんに言いつけてやる事を決意して証拠映像を残す事にしました。カメラを邪神様から貰っているので、バレないように撮っておきました。くくく、ルイさんはヤンデレですからね。どうなるか見ものですよ。
時にこの世界での洗髪は基本的に石鹸・・・しかも油と石灰などを混ぜた粗悪な物を使用しています。もっとも、これでも高級品で使うのは貴族などですけどね。ちなみに石鹸自体は地球では紀元前3000年頃にはすでにあったみたいです。意外と歴史ある物なのですよ。
そして、今のシャンプーという形になったのは19世紀頃と歴史が浅かったりするのです。
最初は頭をマッサージする為に使っていたらしいですが(大体18世紀)、それを外国の王室が認めて世界へ、日本へと広まって行ったのです。そして、『シャンプー』=『洗髪』となったのは19世紀になってからなのでした。・・・以上、モッくんの雑学でした。
シャンプーの話題はさておき、発表会はその後も進行を続け終盤に近づいた時でした。事件は起こったのです。
ーーーードッカアアァァァアアアアァァンッ!!ーーーー
突然に爆発音と共に大講堂全体が揺れたのでした。ばっ、爆発!?一体、何がどうなっているのですか!?
「な、な、な、なんですか!?」
「慌てるな、モツ君!!まずは皆の無事を確認するのが先だ!!」
「はっ、はいです!!」
流石はヒグラ先生。影が薄くて引きこもり気質でも教師の端くれです。冷静な対処で指示を出してくれました。
・・・こうして、また変な事件が幕を開けたのです。




