イケメンが現れた
「君たち、大丈夫だったかい?」
その人は爽やかなイケメンスマイルを決め、白い歯をキラリと輝かせました。
う〜ん、どうしましょうか?別に頼んで無いですけど、助けてくれたみたいですし。一応、お礼くらいは言っておきますか。まぁ、僕たちの手を汚さずに済んだと言う事で納得するのです。
「ありがとうですよ。かっこいいお兄さんに、綺麗なお姉さんたち。危なく、あの裸体魔族に殺されると思ったのですよ」
「犯されるかと思ったのだわさ」
「・・・我らの貞操が危なかった也」
「あいつ、男でも子供でも関係ないような事言ってたからなだぜ」
「・・・何だって?こんな子供にまで!?くっ、やはり魔族とは分かり合えないのか。せっかく、ここまで追って来たのに!!」
そのお兄さんは魔族の死体を見て、苦悩の表情を浮かべました。それとこのお兄さんたちはこの魔族を追ってここまで来たみたいですね、情報がダダ漏れですよ。
あと魔族が何でハブコンダを手に入れようとしていたのだとか、この人たちとの因縁はとか、色々分からない事はありますが・・・まぁ、そんな事はさて置きさっさと話を進めるのですよ。
「ところでお兄さん達は一体、誰ですか?」
僕はお兄さん達の正体を知るための質問をしました。お兄さんは『フッ』と鼻で笑うと言いました。なんか、イラつくですよ。
「何、唯の通りすがりさ」
「え?あの魔族に襲われて丁度いいタイミングで現れましたけども・・・」
「お兄ちゃん!ダメだわさよ!!それは聞いちゃいけない事だわさ!!」
「・・・・・・」
ピューと冷たい風が吹いたのでした。確かに聞いてはいけない事でしたね。僕たちがピンチか魔族が隙だらけになるまで待ってたなんて思ってませんですよ、このハイエナが!!
「えーと、じゃあ僕たちはこれでです」
この空気に居たたまれなくなった僕たちは、ハブコンダの素材を集めてアイテムボックスに入れました。そして、その場を離れようとします。ついでに魔族の死体を漁ってアイテムを手に入れようとも思いましたが、トドメを刺したのはこの人たちですからね。諦めるのですよ、このハイエナが!!
「・・・ちょっと待ちなさい」
しかし、そうは問屋が卸しませんでした。お兄さんの仲間の一人である綺麗な神官風の女性が僕たちを引き止めたのです。
「何ですか?このアイテムボックスはあげませんよ」
「違うわよ!」
アイテムボックスは貴重ですからね。てっきり、アイテムボックス狙いかと思ったのですが違うみたいです。
「ミランダ?一体、どうしたんだ?」
「ツルギ、この子達から不思議な魔力を感じるのまるで・・・人間では無いような・・・」
「ええっ!?」
ミランダさん(仮)の爆弾発言に驚くお兄さん。あと、お兄さんは『ツルギ』と言うのですか?何と言うか、酷いネーミングセンスです。
それはともかく・・・何と!?よりパワーアップした筈の認識阻害バッチを見破ろうとしているとは・・・神官の為せる技なのでしょうか?
「に、に、に、人間じゃ無かったら、い、い、一体何だと言うのでで、ですか?そうか!アイテムボックスを奪う為の、い、言いがかりですね!!そうやって、僕たちみたいな可愛い子供に因縁を付けて、取り調べとか言って僕たちを裸にして目の保養をするのですね!!」
「ちっ、違うわよっ!?人聞きの悪いことを言わないでくれる!?」
「「「み、ミランダ・・・」」」
「あんた達まで、そんな風に私を見るな!!」
仲間から侮蔑の目を向けられるミランダさん(仮)。逃げるなら今ですね。僕たちはお互い顔を見て頷きました。全く、流石は兄弟ですね。同じことを考えたようです。よし、走るですよ!それ!!
「じゃあ、またねです〜〜!!」
「ああっ!?こら、待ちないよ!!誤解を解いて行きなさい!!」
後ろからお姉さんの声がしますが、無視です無視。まぁ、何はともあれ村の危機は救われたと言う事で一件落着ですね。僕たちは走ってパウたちの村に辿り着いたのでした。
「モツ!皆!!無事だったのか!!」
村に入るとパウが僕たちを待っていてくれたようです。もちろん、バウワさんに村人たち、おまけにカエル貴族の姿もありましたよ。
「皆さん!ハブコンダは討伐して来たのですよ!!」
僕はアイテムボックスからハブコンダの死体を出して、村の皆さんに見せました。その瞬間、村は歓声に包まれたのです。




