素材集め
「え〜と、このあたりですかね?」
「うん、この谷の何処かにお目当ての魔物がいる筈だよ」
僕たちは村の魔物を完全封印する為に素材集めと乗り出しました。その内の一つが、村の北に存在する、この谷にあるとの事です。
「マダラグースの爪でしたか?魔物の身体の一部と言う事は戦闘して手に入れるしかないのですかね?」
「それが一番確実だね」
わざわざ一緒に来てくれたパウさんが説明してくれます。
その素材とやらは【マダラグース】の爪と呼ばれるアイテムです。マダラグースはこの谷の何処かに棲んでいるイタチに似た魔物で、村の魔物の天敵らしいのですよ。その爪には毒を弾く力があるらしいのです。
「でも、この谷は結構広いだわさ。お兄ちゃん、手分けして探すだわさ?」
「ふむ、その方が確実ですかね。でも、何があるかわからないですから二人一組で探すのですよ」
「了解だわさ」
「・・・基本的な事なり」
「分かっただぜ」
僕たちは手分けしてマダラグースを探す事にしました。バラけての探査は二人一組が基本。一人に何かがあった場合にもう一人がそれを伝えなければなりませんからね。
・・・そして、チーム分けはこうなったのですよ。
「僕たちはあっちですよ」
「うん、行こうか」
「行くだわさ」
僕、パウさん、チャンコのAチームと・・・。
「俺たちの方が先に見つけるだぜ!」
「・・・安全第一で進む也」
キムチ、スキヤキのBチームです。僕たちはそれぞれのバトルフォームに身を包み戦闘準備を完了させました。そして、二手に分かれて進んだのでした。
「う〜ん、いないだわさね〜・・・」
「いないですね〜」
「いないな〜」
僕たちは谷にある草むらをかき分けて探します。この谷は基本的に岩場が殆どなのですが、要所には生い茂った深い草むらがあるのですよ。マダラグースが草むらの中にいるかも知れませんからね。草むらもしっかり探すのですよ。
「・・・あ」
「どうしただわさ、お兄ちゃん?」
「いえ、探し物をするならば奴らの事を忘れていましたですよ」
「「奴ら?」」
僕はアイテムボックスから奴らを出しました。そう、久しぶりの登場である・・・。
「さあ!行くです!!ミニもっくん達よ!!マダラグースを探すのですよ!!」
『『『『『壱、弐、散!!』』』』』
僕は沢山のミニもっくん達を谷に放ちました。そして、ついに見つけたのです。
『発見!発見!発見!!』
ミニもっくんの一体からの発見コール。僕たちはそのミニもっくんの居場所に急行しました。
「ここですか?ミニもっくん5号よ」
『発見!発見!発見!!』
ミニもっくん(5号)のいた場所には小さな穴が開いていました。僕たちの頭が入るくらいの大きさですが、この穴の奥にマダラグースがいるのでしょう。これはマダラグースの巣なんですね。
「良くやったですよ5号。さて、炙り出すとしますかね」
僕は焚き木を取り出して火を付けると煙を穴の中に入れるように、団扇で扇いだのです。煙で炙り出す作戦ですよ。
「お兄ちゃん、酷いだわさ・・・」
「モツ、酷いよ」
パウさんとチャンコは生き物虐待を咎める目で見ています。何なのですか、その目は!?僕はもっとも効率の良いやり方をしているだけですよ!!
・・・そして、数分後。
ーーーーゴゴゴゴゴ・・・ーーーー
「・・・え?何ですか、この地鳴りは?」
「な、何なのだわさ!?」
「何が起こっているの!?」
突如として起こった地鳴り。その地鳴りはしばらくしてピタリと止みました。もう安全かと思ったその時だったです。
ーーーーボコォン!!ーーーー
「「「え?」」」
谷の岩場に穴が開い次々と出来ました。
「「「「「シャアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」」」」」
そして、その穴から二、三十匹目はいようかと言うマダラグースの群れが僕たちに襲いかかってきたのですよ。しかも、威嚇するように唸っています。いや、これは・・・。
「無茶苦茶に怒っているだわさ」
「モツ!君の所為だぞ!!」
「いえ!止めなかった人達にも責任はあるです!!連帯責任ですよ!!」
「「人の所為にするなっ!!」」
まぁ、何とか目的の魔物は見つけました。しかし、とりあえずは・・・。
「逃げるです!!」
こんな群れを相手に出来るかです。後で巣を探索すれば爪の一つも落ちているでしょう。まぁ、予想とは違いましたが、何とかマダラグースの爪が手に入ったのですよ。




