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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第6章結城家帰省編

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GWで財布が消滅したので現実を見ないことにした男



GW最終日。


俺くんは、

温泉施設の休憩スペースで、

空のワイングラスを眺めていた。


「……」


その目は、

どこか遠くを見ていた。


後ろから、

母が言う。


「楽しかったねぇ」


叔母も言う。


「また皆で来たいね」


俺くんは、

静かに頷いた。


「……そうだね」


だがその瞬間。


脳裏に蘇る。


Switchドック。


シェーバー。


ロバックス。


甥っ子。


外食。


温泉。


謎のGWテンションによる出費。


脳内電卓が、

静かに爆発した。


ファ!?


俺くんは、

反射的にスマホの口座アプリを閉じた。


見てはいけない。


現実を直視した瞬間、

GWは終わる。


それだけはダメだ。


俺くんは、

ワインの残っていないグラスを掲げ、

静かに呟いた。


「諭吉先輩……渋沢くん……

 お前たちの犠牲は無駄にしない……」


その姿を見て、

叔母が心配そうに聞く。


「……大丈夫?」


俺くんは笑った。


「大丈夫。

 今はまだ、

 現実を見てないから」


GW、

完。


なお翌日。


通帳を見た俺くんは、

静かに天を仰いだ。


END

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