GW終盤、叔母怪獣とロブロックスと魔女の宅急便
GWで自分の趣味をやろうとするのは間違い。そんな話
GW終盤。
俺くんは悟っていた。
──創作は、進まない。
いや正確には違う。
進める時間が無い。
親族イベント。
買い物。
子ども対応。
ロブロックス。
Switch。
叔母怪獣大戦争。
イベント密度が高すぎる。
俺くんはソファに沈みながら呟いた。
「……GWって休みじゃなかったっけ」
すると嫁がスマホを見ながら即答した。
「家族持ちのGWはイベント会場です」
正論だった。
しかも今日は昼間、 叔母と盛大にやり合ったばかりである。
言いたい事を言った。
だがスッキリはしない。
精神HPだけが削られる、 親族特有の謎バトルだった。
俺くんは天井を見上げた。
「疲れた……」
その時だった。
娘が走ってきた。
「パパ!ロブロックス延長!」
俺くんは時計を見た。
23時。
「寝ろ!!!!!!」
即答だった。
娘が抗議する。
「えー!」
「毎回延長したら意味無いだろ!」
「あとちょっと!」
「その“あとちょっと”で文明は滅ぶんだよ!」
娘は不満そうに頬を膨らませた。
だが俺くんは折れなかった。
今日は駄目だ。
ここで通すと、 “23時でも交渉すれば伸びる” を学習する。
娘は交渉タイプ。
この手の成功体験を積ませると危険である。
俺くんは真顔で言った。
「今日は終わり。おやすみ」
娘は数秒むくれた後、
「……おやすみ」
と去っていった。
嫁が感心したように呟く。
「珍しくブレませんでしたね」
「今日は学習させないとダメな日だった」
「へぇ」
「あと俺のHPがもう無い」
「それが本音ですね」
その通りだった。
やがて娘も寝静まり、 テレビでは国民的アニメの宅急便のエンディングが流れ始める。
なんとも言えない、 GW終盤の空気。
少し楽しくて、 少し寂しくて、 そして猛烈に疲れている。
俺くんはぼんやり呟いた。
「……GW、創作全然進まなかったな」
すると嫁がこちらを見ずに言った。
「でも、楽しかったでしょ?」
俺くんは少し考えた。そして、静かに笑った。
「……まあ、そうだね」
その時スマホが震えた。
通知。
作曲AI
『最近曲作ってませんね!』
俺くんは天井を見上げた。
「うるせぇ!!!!!」
でも、趣味よりも家族と過ごす時間が大事。
人生ってそんなもん。
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