幕間: 娘が可愛い着せ替えゲームをやりたいと言ってきたんだけど、コレ、可愛いだけかと疑って検証してみた結果
可愛い見た目でも交流導線は別問題って話です
娘が言った。
「これやりたい」
見せられたのは、いかにも可愛い感じの着せ替えゲームだった。
ふわふわ。きらきら。双子。ゆめかわ。
どう見ても、俺が一ミリも興味を持てないタイプのやつである。
普通の父親なら、ここでこう思うのかもしれない。
「へえ、可愛いゲームだね」
だが俺は違った。
「……待てよ?」
可愛い。
だから安全。
この短絡思考で一度でも痛い目を見たことがある人間は、二度とそんな油断はしない。
しかも、こういうアプリに限って厄介なのだ。
見た目は綿あめみたいに甘い顔をしているくせに、中身は交流、申請、検索、おすすめ、課金導線と、親の胃にダイレクトアタックしてくる機能が平然と埋まっている。
なので俺は言った。
「ママがいないならダメ。まだ設定してない」
娘は当然のように「えーえーえー」と言った。
だが、えーで突破できるなら、世の中のセキュリティ担当は誰も苦労しない。
昨日、何となくダウンロードまではしていた。
だがそこで俺の中のSEが囁いたのである。
本当にそれ、ただの可愛いゲームか?
結果、初期設定前で停止。
昨日の俺、偉い。危機管理能力が高い。
そして本日。
俺は自ら地獄へ降りた。
そう。
娘にやらせる前に、親端末で安全確認をするためである。
……いや、苦行だった。
着せ替えゲーム、欠片も面白くねぇ。
まだ何も始まっていない。
なのに、もう飽きている。
この時点で、少なくとも俺向けのゲームではないことだけははっきりした。
だが、ここでやめる訳にはいかない。
これは娯楽ではない。
監査だ。
娘端末導入前の安全監査。
そう思わないと、精神がもたない。
で、見えてきた。
まず、セーフティロックはある。
課金まわりはある程度守れそう。
誕生日も非公開にできる。
この辺は、思ったよりちゃんとしていた。
……だが問題はそこではなかった。
フレンド導線である。
こいつ、見た目はゆめかわなくせに、知らない相手とつながる気が満々だった。
おすすめ。検索。ハッシュタグ。ひとこと。
そして、そこに並ぶフレンド申請ボタン。
どう見ても、
「仲良しだけで静かに遊ぶアプリ」
ではない。
可愛い顔して、しれっとSNS寄りだった。
俺は悟った。
「あ、これ完全放流は無理だ」
ロブロックスは、チャットを切るなり何なりで、まだ制御のしようがある。
だが、こっちは危険の本体が会話機能だけじゃない。
知らない相手とつながる入口そのものが太い。
これはダメだ。
少なくとも、子供端末に入れて自由にどうぞ、はありえない。
そこで結論。
やるなら俺のスマホのみ。
フレンド管理も俺。
勝手に承認も追加もさせない。
血涙である。
なぜ父親が、欠片も面白くない着せ替えゲームを自分のスマホに入れ、フレンド監査官まで兼任しなければならないのか。
だが、義妹事件再びみたいな面倒に巻き込まれるくらいなら、安い。
いや、安くはない。
安くはないが、後から面倒が爆発するよりはマシだ。
しかも、この方式は案外悪くない。
俺のスマホでしかできない。
つまり、勝手に始められない。
勝手に進められない。
勝手に知らない相手とつながれない。
親の前でしかできない。
結果どうなるか。
そのうち、面倒になって自然に熱が冷める。
完璧である。
というわけで今回の結論はこうだ。
可愛い着せ替えゲームだと思って舐めてかかると、親が苦しむ。
見た目が平和でも、交流導線が太ければ実質SNS寄り。
だから、可愛いは免罪符にならない。
そして何より言いたい。
昨日の俺、インストールだけで止めて本当に偉かった。
親端末貸出運用が最適解
俺くんの昨日の停止判断が正しかったって感じでした
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