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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第3章 東都の日常②

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第40話:上司の確認メールがラブレター扱いされた結果、顧客が急に来たくなくなった件

顧客に「そう言われると急に来たくなくなったなぁーwww」と言われた。


軽口としては綺麗に決まっている。

決まっているのだが、誘っている側としてはあまり喜ばしい返答ではない。


しかも発端は、俺ではない。

たぶん。


数分前。

上司が顧客に、次回リリースについて確認のメールを送っていた。


上司

「次回リリースについて確認お願いします

確認は明日でいいです」


文面はいつも通り簡潔だった。

必要事項だけ。

余計な装飾なし。

温度も低い。

愛想も薄い。


少なくとも、普通の業務連絡にしか見えない。


だが、その数秒後。

返ってきた先方の反応は、なぜか業務のレーンから綺麗に外れていた。


顧客

「上司さんからラブレター届きましたよ?」


何でそうなる。


俺はその通知音を聞いていた。


俺くん

「ピロンとなったの聞きました」


上司は画面を見ても、特に慌てた様子はなかった。

いや、多少は思うところがあったのかもしれないが、この人はそういうのを顔に出さない。

普段ゆるいくせに、変なところだけ妙に強い。


とはいえ、このままスルーするのも何か悔しい。

先にレールを外れたのは向こうだ。

なら、こっちも少しくらい外側に寄せて返しても問題ない気がした。


問題ない気がしただけで、正解だったかは知らない。


なので俺は返信した。


俺返信

「情熱的なラブレターですね

明日確認します


(´ω`)」


送信後、少しだけ冷静になった。

何で俺が受理担当みたいな顔をしているのか。

しかも顔文字までつけている。

文章だけ見れば、微妙に距離感を間違えた人である。


すると横で上司が、画面を見たままぼそっと言った。


上司

「受理されたら受理されたで何か嫌だなwww」


分かる。

分かるが、その流れを一番太くしたのは多分俺だ。

なのでそこには触れず、俺はそのまま本題を進めることにした。


明日の予定確認である。


俺くん

「ところで

顧客さん明日来ますよね?」


すると顧客は、妙に軽い調子で返してきた。


顧客

「いや明日は元々来る予定だったんだけど

お客さんが休みになってたんだよねー」


なるほど。

来訪予定そのものはあった。

ただ、前提条件のほうが崩れたらしい。


つまり、来る可能性はある。

だが、来ない可能性もある。

一番困るやつである。


俺くん

「あらら

じゃあ来ない感じですか?」


顧客

「どうしよっかなぁー」


ここで俺は、余計な一言を足した。


俺くん

「お待ちしております

僕の作業手伝ってくださってもいいんですよ?」


送った瞬間、少しだけ思った。

あ、これ、来ない方向に効くやつかもしれない。


軽口としては成立している。

だが、成立している軽口ほど相手の足を止めることがある。


案の定だった。


顧客

「そう言われると急に来たくなくなったなぁーwww」


ですよね。


正しい反応である。

俺でも嫌だ。

行った瞬間に作業を振られる未来が見えている場所に、自分から近づきたい人間は少ない。


だが、ここで引くと本当に来なくなる。

なので俺は、何事もなかったように着地だけ整えた。


俺くん

「(笑)

じゃ、お待ちしておりますね(^o^)」


顧客

「(笑)」


ひとまず、会話としては綺麗に閉じた。

来るのか来ないのかは結局よく分からなかったが、空気だけは悪くなっていない。

たぶん大丈夫だろう。

たぶん。


すると横で上司が、また小さく言った。


上司

「何か今日ずっと距離感おかしくない?」


それはそうかもしれない。

ラブレターから始まって、作業手伝い要員の勧誘まで行っている。

業務連絡として見ると、だいぶノイズが多い。


だが、最初にラブレターとか言い出した時点で、もう普通のレールには戻れなかったのだ。


なので俺は、反省の代わりにスタンプを送っておいた。


(*´Д`)

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