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俺の上司が凄すぎて自称天才エンジニアの俺がポンコツに見える件  作者: 慧梓
第3章 東都の日常②

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幕間:土曜日のフードコート内座席争奪戦争

休日のフードコートは早い。安い。そこそこ美味い

が揃っている為戦場です

土曜日。

それは家族連れと学生と買い物帰りの民が、

たった数十席のために理性をかなぐり捨てる日である。


俺は甘かった。


フードコートなど、所詮は飯を食う場所。

空いてる席を見つけて、座って、食べる。

ただそれだけの単純タスクだと思っていた。


だが現実は違った。


まず席がない。


見渡す限り満席。

しかも厄介なのが、

「もうすぐ空きそうな席」

が大量に存在することだった。


まだ食ってるのか。

食い終わってるのか。

片付けに行っただけなのか。

荷物だけ置いて仲間を待ってるのか。


情報が曖昧すぎる。


俺は瞬時に状況を分析した。


・トレーを持ったまま長期戦は不利

・子ども連れは機動力が低い

・一人客は回転率が高い

・だがフェイント率も高い

・角席は人気

・中央席は回転早いが争奪戦激しい


完璧だ。

勝ったなと思った。


その時、嫁が静かに言った。


「で、誰が席取るの?」


しまった。


理論構築に全振りしすぎて、

実行担当を決めていなかった。


俺が一瞬止まったその隙に、

斜め後方からベビーカー部隊が滑り込んだ。


早い。


しかも連携が美しい。

母が席を押さえ、父が注文に向かい、

子どもは既にポテトを食う気満々の顔をしている。


完成された軍隊だった。


俺が軽く動揺していると、

娘が言った。


「パパ、あそこ空きそう」


見ると、確かに一組が立ち上がった。

よし、あそこだ。


俺はトレーを構え、最短ルートを計算し、進軍を開始した。


だが次の瞬間。

立ち上がった家族の後ろから、

別の家族が“元から狙ってました”みたいな顔で自然に入った。


は?


いや待て。

その角度からその席を監視してたのか?

この戦場、索敵能力が高すぎる。


俺が呆然としている横で、甥っ子がぽつりと言った。


「叔父さん系の人って、席取るの遅いよね」


やめろ。

正論は刺さる。


その後、俺は三回フェイントを食らった。


一回目。

食べ終わってるように見えたカップルが、

急にデザートタイムに入った。


二回目。

帰ると思った老人二人組が、

「じゃあ次コーヒー飲もうか」と延長戦に突入した。


三回目。

明らかに空いた席に向かったら、

嫁が言った。


「そこ、さっきから荷物あるよ」


危なかった。

危うく現地で炎上案件になるところだった。


最終的にどうしたか。


上司ならたぶん最初に言う。


「席取れるまで買うな」


その一言で終わる話だった。


だが俺は、

注文列の進み具合と空席発生率を同時監視しながら、

家族の導線とトレー重量と子どもの空腹ゲージを加味して行動した結果、


普通に疲れた。


ようやく席を確保して座った時には、

俺の中でフードコートはもう飲食施設ではなく、

土曜限定の高難易度レイド会場に変わっていた。


娘が嬉しそうにポテトを食べながら言った。


「座れてよかったね」


俺は静かにうなずいた。


ああ、よかった。

本当によかった。


ただ飯を食うだけで、

ここまで達成感が出るのおかしいだろ。

全国のパパママがんばりましょう٩(ˊᗜˋ*)و

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